【宮城県】宮城県のおすすめローカル線3選!杜の都から山紫水明の地へ
目次
県北にJRのローカル線が多くあり、仙台駅発着路線の通勤・通学の時間帯は首都圏なみのラッシュですが、いずれも都心から少し離れるだけで、のどかな田園地帯や山、海の景観が車窓に広がります。
ローカル線の定義とは?
広い意味では乗客が少ない地方の鉄道路線を指しますが、ここでは次の基準で選びました。
- 単線で乗客が少なく、廃線の可能性大
- SLや観光列車があり、映え写真の撮影スポットが多い
なお、2県にまたがる路線は起点がある県のローカル線としました。
JR陸羽東線(小牛田駅~新庄駅:27駅94.1km)
県北の小牛田(こごた)駅と山形県の新庄駅を結び、沿線に温泉が多いことから「奥の細道湯けむりライン」の愛称で親しまれていますが、乗客が少なく廃止の声が絶えません。
JR陸羽東線のおすすめポイント!
「奥の細道湯けむりライン」はその名の通り県内に4つの温泉駅があり、有名な鳴子(なるこ)温泉駅付近は鳴子峡の絶景を楽しめます。
紅葉シーズン、絶景ポイントでは速度を落としてゆっくり走ってもらえます。
鳴子温泉駅
駅舎正面に無料の足湯「ぽっぽの湯」があり、湯の花の浮かぶ青っぽい硫黄泉の名湯を気軽に楽しめます。
駅や温泉街のあちこちにある「鳴子こけし」を眺めながらの散策や、こけし店でのこけし絵付け体験などいかがでしょうか。
快速湯けむり号
東北6県のお祭りラッピングのリクライニングシート車両が2022年から導入され、鉄道150年記念のレトロラッピング列車も運転されています。
アテンダントの車内販売や無料Wi-Fiサービスなどがある快適な列車です。
JR石巻線(小牛田駅~女川駅:14駅44.7km)
石巻(いしのまき)駅を境に小牛田方面では田園風景、女川方面では万石浦の海岸線など、趣が異なる車窓を楽しめます。
JR石巻線のおすすめポイント!
東日本大震災では女川(おながわ)駅が津波で消失して、廃止が噂されましたが、駅を内陸に新設して運転再開されました。
女川駅には仙石東北ラインの石巻駅から、上り始発と下り最終が直接乗り入れています。
石ノ森萬画館(石巻駅)
地元の漫画家・故石ノ森章太郎氏が「マンガッタン」と名付けた、マンハッタン島に似た旧北上川の中州に建てられ、作品の原画などの展示やアトラクションがあります。
施設名にある「萬画」は石ノ森氏が提唱しました。
東日本大震災では津波で展示物などが流されましたが、全国からの激励もあり1年8カ月後に復活しています。
万石浦(渡波駅~浦宿駅)
渡波(わたのは)駅から浦宿駅の間に、穏やかな万石浦が車窓に広がります。
美味しい牡蠣(かき)が育ち、夕焼けがきれいな内海です。
JR気仙沼線(前谷地駅~柳津駅:6駅17.5km)
かつては全線鉄道でしたが、今は柳津駅から気仙沼まではバスによるBRTとなっています。
柳津(やないづ)駅から気仙沼駅の間は、東日本大震災で大被害を受けて鉄道復旧を諦め、路線跡利用の専用道路にバスを走らせる「気仙沼線BRT」として復活しました。
前谷地(まえやち)駅から先は石巻線経由で小牛田駅直通の列車があります。
JR気仙沼線のおすすめポイント!
鉄道区間の車窓は一面の田園風景が続き、BRT区間では海沿いを走りますが、巨大な防潮堤が続くなど鉄道時代より海が見える区間が短くなりました。
それでもトンネルやホーム跡が残っているなど、かつて鉄道だった名残が見られます。
北かつまぐろ屋田中前店(気仙沼BRT・不動の沢駅)
「かまとろステーキ」を食べに訪れるリピーターが多数で、香ばしく焼かれたメカジキの腹身はジューシーで、脂がのっているのにさっぱりしていていくらでも食べられます。
ほかにもマグロのホルモンなどもあり、マグロ好きにはたまらないお店ですよ。
杜の都仙台と地方を結ぶ路線たち
いずれも仙台市近郊では通勤・通学の足であり、市街地を抜ければローカル線の雰囲気が味わえる路線です。
JR仙石線(あおば通駅~石巻駅:33駅49.0km)
仙台市内中心部ではほとんど地下を走りますが、仙台市営地下鉄直通ではありません。
松島海岸駅にはこの路線しか停まらないため、松島観光の足として親しまれています。
JR仙山線(仙台駅~羽前千歳駅:18駅58.0km)
仙台市のベッドタウン・愛子(あやし)駅を通過すると、次第に山が深くなって山岳地帯を走るローカル線に変貌します。
JR常磐線(日暮里駅~岩沼駅:80駅343.7km)
「本線」と名につかない路線としては日本最長で、起点の日暮里駅で別れた東北本線と終点の岩沼駅で合流します。
JR東北本線(東京駅~盛岡駅:150駅535.3km)
かつては上野駅から青森駅までの日本最長の鉄道路線でしたが、今では上野発の夜行列車もなくなり、東京から盛岡まで直通の列車もありません。
JR仙石東北ライン(仙台駅~石巻駅:21駅48.5km)
仙石線と東北本線を接続させてそれぞれの利点を活かし、仙台~石巻間の所要時間を短縮させたいとの地元の要望を叶えた路線です。
そのほか宮城県で乗っておきたいローカル線
福島からやって来る阿武隈急行線は、県南地域の貴重な足でもあります。
阿武隈急行線(福島駅~槻木駅:24駅54.9km)
福島のローカル線でご紹介した第三セクター路線で、宮城県内沿線では角田の「JAXA角田宇宙センター」やドイツ風クラフトビールの「仙南シンケンファクトリー」などがおすすめポイントです。
まとめ
かつては宮城のローカル線といえば、「くりはら田園鉄道」が代表格でした。
「くりでん」の愛称で田園地帯を走る、1両編成の可愛らしい姿が人気でしたが、2010年8月に惜しまれながら廃止されました。
今は栗原市内の「くりでんミュージアム」で、往年の車両に出会えます。