【宮城県白石市】マグマが生み出す大自然のアート「柱状節理」が見られる白石市の「小原の材木岩」

皆さんは柱状節理という自然が生み出す景観をご存じですか?

福井県の東尋坊や宮崎県の高千穂峡に代表される景観なのですが、実は宮城県でも見ることができるのです。今回は宮城県白石市の「小原の材木岩(おばらのざいもくいわ)」の紹介です!


柱状節理(ちゅうじょうせつり)とは?

柱状節理(ちゅうじょうせつり)とは地質構造の一種で、ウィキペディアには以下のように記載されています。

柱状節理(ちゅうじょうせつり)は、節理と呼ばれる両側にずれの見られない規則性のある割れ目を持つ地質構造であり、割れ目によって多角柱の規則的配列構造が形成される。柱状節理は多くの種類の火成岩で起こり、岩が冷えて収縮すると形成される。柱状節理は溶岩流および火山灰流凝灰岩(溶結凝灰岩)の冷却や、一部の浅い火成貫入で起こりうる。堆積岩が近くの熱いマグマによって熱された時にも稀に起こりうる。

柱の直径は3メートルから数センチメートルまで様々で、高さは30メートルのものもある。典型的には並行で真っ直ぐであるが、曲がっていることもある。規則的で真っ直ぐで直径が大きな柱の規則的配列構造はコロネード(列柱)と呼ばれる。それに対して、不規則で、あまり真っ直ぐでなく、直径が小さな配列はエンタブラチュアと呼ばれる。個々の柱の側面の数は3面から8面まで様々であるが、6面のものが最も一般的である。

Wikipedia – 柱状節理 より

…ちょっと難しいですね。専門用語満載で私も読んでもよくわかりませんでした。要約すると

溶岩やマグマが冷えて固まるとき、若干体積が小さく縮み、五角形や六角形などの規則的な柱状の割れ目ができます。これを柱状節理(ちゅうじょうせつり)といいます。

ブラックビーチ|アイスランド
ブラックビーチ|アイスランド

基本的には地中にありますが、川や海沿いでは水の浸食によって姿を現したり、地殻変動で隆起して地表に姿を現したりするそうです。


小原の材木岩とは?

「小原の材木岩(おばらのざいもくいわ)」とは、七ヶ宿ダムの下流、宮城県白石市小原の白石川の岸沿いにある景勝地で、高さ100m、長さ200mほどの範囲の岩肌に、五角・六角・多角形のさまざまな柱状節理を見ることができます。

小原の材木岩(宮城県白石市)
小原の材木岩(宮城県白石市)

柱状節理の見た目がまるで材木を立て並べたように見えることから「材木岩」と名付けられました。

国の天然記念物に指定されており、周辺は公園として整備されています。


材木岩周辺に伝わる昔話

周辺には材木岩に関わる昔話も言い伝えられています。

材木岩の昔話

昔々のある夏の日、飛騨の工匠(ひだのたくみ)が一夜で不動堂(不動明王を祀る仏堂)を建てようとしたが、夏の夜は短く、もう一息のところで夜が明けてしまい、材木片を白石川に捨ておいてまま去っていった。しばらくするとその材木たちが岩と化して材木岩となった。

一夜で建てようとするのも無謀だし、そのまま投げ出す飽きっぽさも少々いただけない…しかも材木放置は不法投棄ですね。現代だったら炎上案件です。笑


材木岩とその周辺の見どころ

一番の見どころはもちろん「材木岩そのもの」です。

積み木が折り重なっているような、とても自然にできたとは思えない不思議な岩肌が大迫力で迫ってきそうな勢いです。

小原の材木岩
小原の材木岩

人との対比でその巨大さが伝わるのではないでしょうか?

川を挟んで向かい側からしか見ることはできませんが、覆いかぶさってきそうな迫力を感じます。

小原の材木岩の崩壊したと思われる岩々
小原の材木岩の崩壊したと思われる岩々

そして何よりびっくりするのが、材木岩の下に無数に転がっている巨岩。その形状から明らかに岩肌から崩壊したと思われます。写真では伝わりにくいですがこの岩一つ一つが本当に巨大です。岩一つで大人2~3人分くらいあると思います。

こんなものが崩壊して落ちてくる可能性があるんですから、岸向こうに侵入できないのもうなずけます。


材木岩氷室(ざいもくいわひむろ)

氷室(ひむろ)とは、天然の風穴を利用して作られた昔の冷蔵庫です。

材木岩氷室

ある地点だけ一年中冷風が噴きだす自然現象が見られる洞窟を「風穴(ふうけつ)」といい、明治13年にこの地で天然の風穴を発見されたことから氷室が建設されました。(現在あるものは復元されたもの)

明治時代、蚕の卵を保存するのに利用されていたそうです。

見学は自由で中に入ることもできます。壁の石の間から本当に冷たい風が吹き出していて不思議な感覚です。内部は本当に涼しいので、是非真夏に行って体験してみてください。


旧上戸沢検断屋敷 木村家住宅

現在は七ヶ宿ダムの湖底に沈んでしまった七ケ宿の七つの宿駅の一つ、白石市上戸沢の検断屋敷がこちらに移築されています。

旧上戸沢検断屋敷 木村家住宅

「検断」とは、伝馬をはじめ宿駅関係の一切の仕事を取り締まり統括する重要な職務だったそうです。ちなみに伝馬とは長旅で疲れた馬を交代(交換)すること。

木村家は、上戸沢宿の伝馬や宿駅関係を取り締まる検断役を勤めた家で、上戸沢宿には本陣(江戸時代に身分の高い人が宿泊した宿のこと)はありませんでしたが、この木村家がそれに代わる役割を果たしていたそうです。

当時の七ヶ宿は奥羽13名の大名が往来した大宿場町だったそうで、この木村家もかなり重要な役割を担っていたことでしょう。


材木岩公園

上記の検断屋敷のほぼ真向いが公園として整備されており、休日は多くの子供たちで賑わいます。

検断屋敷の並びにはお蕎麦屋さんや地元食材の直売所などもあります。この日は4月後半頃で、子供の日に向けて公園は大量のこいのぼりで飾られていました。

材木岩公園

まとめ

宮城県の観光地としてあまり話題に上がらない印象のある小原の材木岩ですが、その景観は本当に一見の価値ありです。個人的には氷室(ひむろ)の天然冷蔵庫は一度体験してみてほしい施設だなと思いました。

まわりは綺麗に整備されていて、歴史的な建造物や広い公園もあるので、ご家族の週末の予定に組み込んでみてもいいのではないでしょうか?もちろん無料の駐車場も完備されています!

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TikTok動画

@neft_tohoku 宮城県白石市、七ヶ宿ダムのすぐ近くにある国の天然記念物「材木岩公園」。 材木を並べたように見えるのは「柱状節理」という自然現象の産物なんだそうです。 沢山の崩れ落ちた巨岩と合わせて大迫力な光景です! #宮城県 #白石市 #材木岩 #天然記念物 #柱状節理 ♬ オリジナル楽曲 – 東北ろっけん雑学メディア | NEFT(ネフト)

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