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【秋田県鹿角郡小坂町】鉄道ファンならずとも心ときめく、ブルートレインに宿泊できる「小坂鉄道レールパーク」
目次

「小坂鉄道レールパーク」は、2009年(平成21年)に廃止となった小坂鉄道の旧小坂駅と小坂駅にあった車庫や操車場をそのまま利用した鉄道テーマパークです。
小坂鉄道は小坂駅(秋田県小坂町)と奥羽本線大館駅(秋田県大館市)を結んでいた私鉄で、創業当時から使用されていた駅舎などの施設や、小坂鉄道で使用されていた鉄道車両、それに旧国鉄(JR)のブルートレイン車両などを保存、展示しています。
その一部は動態保存され、ブルートレイン「あけぼの」の車両は宿泊施設に利用され、鉄道ファンばかりでなく、広い世代に人気です。

小坂鉱山の専用鉄道として創設された小坂鉄道
秋田県小坂町と奥羽本線大館駅(秋田県大館市)の間に敷設された鉄道で、その目的は日本屈指の銅鉱山だった小坂鉱山の産出物を運搬するためでした。営業開始は古く、1909年(明治42年)で、鉱山の発展とともに1912年(大正元年)には旅客列車の運行も始まりました。

小坂鉱山は明治時代後期に最盛期を迎え、小坂町は秋田県第2位の人口を誇る大きな町として発展しました。しかし、その後徐々に生産量は減り、ついには1990年(平成2年)に鉱石の枯渇により閉山となってしまいます。
小坂鉄道も1994年(平成6年)年に旅客扱いが停止され、2009年(平成21年)には貨物運送廃止となってしまいました。
誰でも楽しめる鉄道のテーマパーク「小坂鉄道レールパーク」
「小坂鉄道レールパーク」の魅力は、保存された車両の数々、国登録有形文化財の駅舎、機関庫など数多くありますが、なんといっても動態保存されたブル-トレインに泊まれることでしょう。
「小坂鉄道レールパーク」に動態保存されているブルートレインは、かつて上野駅(東京都)と奥羽本線経由で青森駅・秋田駅との間を走っていた夜行寝台特急「あけぼの」で使用されていた24系寝台車4両で、3両の客車と1両の電源車です。
24系客車とは1973年(昭和48年)から1980年(昭和55年)にかけて旧国鉄(現JR)が量産した寝台客車で、外装が濃いブルー1色に塗られたことから“ブルートレイン”の名前で親しまれ、全国を走り回りました。
客車3両の内訳は、A寝台個室(スロネ24-551)、B寝台個室(オハネ24-555)、B寝台開放(オハネフ24-12)で、3両とも1973年(昭和48年)に製造されました。その後何回かのリニューアル工事の結果現在保存されているスタイルになったものです。いずれも富士重工(株)製。
A寝台個室
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1人用A個室寝台車・シングルDX(車両記号ロ[A=グリーン車]ネ[寝台車])で、車両の重量が37.3トンあるので記号がスになっています。もともとは2段式のA寝台車でしたが、「あけぼの」用に1人用個室に改装されました。1人用になっていますが、個室内上部にベッドが設けられていて、実質2名泊まれるため、全11室で定員は22名です。宿泊施設として使用されています。
B寝台個室
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1人用B個室寝台車・ソロ(車両記号ハ[B=普通車]ネ[寝台車])で、こちらは自重35.5トンなので記号はオになっています。製造当初は3段式B寝台車でしたが、2段式寝台に改装され、さらにベッドが線路と並行に設置されている2段式個室となり、屋根が明かり取りの窓がある形式に改造されました。定員28名。宿泊施設として使用されています。
B寝台開放
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B寝台開放:3段式B寝台車として製造され、後に2段式に改装されています。この車両には緩急車と呼ばれる車掌室があります。そのため記号はオ(自重32.2トン)、ハ(普通車)、ネ(寝台車)、フ(緩急車)になっています。この車両は宿泊者の飲食・休憩スペースとして使用されています。
電源車
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電源車:その名の通り照明や冷暖房装置などの設備に電気を送るための列車です。ディーゼル発電機と荷物室があります。記号はカ(自重48.8トン)のニ(荷物車)となっています(電源車という記号はないようです)。ほかの3両へ電気を送っています。
「小坂鉄道レールパーク」その他の施設
・小坂鉄道開業当時から使われてきた「駅舎」(国登録有形文化財)
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・1962年(昭和37年)に建築され、元通りに修復された「機関車庫」(国登録有形文化財)
・大正から昭和にかけて活躍した「蒸気機関車」(県指定有形文化財)や皇族が乗られた「貴賓車」(静態保存)
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・小坂鉄道の主力ディーゼル機関車4両(DD130形3両とDD13形1両/動態保存)
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・キ115と呼ばれるラッセル車(雪かき列車/動態保存)
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・構内作業用や保線作業に使われた3両のモーターカー(動態保存)
さまざまな体験が楽しい「小坂鉄道レールパーク」
ほかにもブルートレインの短距離運転など「小坂鉄道レールパーク」の魅力は尽きることがありません。鉄道ファンばかりでなく、ブル-トレインを知る世代やこどもたちのためにも、ずーっと続いて欲しいテーマパークです。
モーターカーが牽引する観光トロッコ
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旧線路上を走るレールバイク
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ほかにもブルートレインの短距離運転など、「小坂鉄道レールパーク」の魅力は尽きることがありません。鉄道ファンばかりでなく、ブル-トレインを知る世代やこどもたちのためにも、ずーっと続いて欲しいテーマパークです。
小坂鉄道レールパーク<Information>
- 施設名称:小坂鉄道レールパーク
- 所在地 :秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古川20-9
- 電話番号:0186-25-8890
- 営業期間:4月1日~11月23日
- 営業時間:9:00~17:00(最終入場16:30)
- 公式URL:小坂鉄道レールパーク
- 乗物休止日:毎週火・水曜日
- 入園料:おとな(高校生以上) 600円、こども(小中学生) 300円、幼児 無料(保護者同伴にかぎる)
- 体験料金
- レールバイク/おとな(高校生以上) 500円、こども(小中学生) 250円、幼児 無料(保護者同伴にかぎる)
- 観光トロッコ/おとな(高校生以上) 300円、こども(小中学生) 150円、幼児 無料(保護者同伴にかぎる)
- 体験営業時間:10:00~16:00
- ※基本的に火曜日・水曜日は休みですが、体験可能日もあります/営業カレンダー参照)
[ブルートレインあけぼの]
- 宿泊可能日:営業カレンダー参照
- 宿泊料金:
- A寝台個室(定員2名)1部屋 7,000円
- B寝台個室(定員1名)1部屋 4,500円
- 小坂鉄道レールパークの入園料(宿泊当日及び翌日)は宿泊料金に含まれます
- 寝具、浴衣、シャワールーム、シャンプー、ボディソープ、休憩室完備
- タオル、歯ブラシは持参
- 宿泊予約:専用電話のみ
- 電話番号:0186-29-3890
- 受付時間:9:30~16:00
- URL:小坂鉄道レールパーク – ブルートレインあけぼの
[宿泊者限定ブルートレインあけぼの体験乗車]
- 運行日:営業カレンダーで確認
- 料金:おとな(高校生以上) 500円、こども(小中学生) 250円、幼児 無料(保護者同伴にかぎる)
- 営業カレンダー
- URL:営業カレンダー(2024年)
- アクセス:
- 鉄道/JR奥羽本線大館駅から小坂行き路線バスで約60分、小坂小学校前バス停下車、徒歩で約2分または、JR花輪線十和田南駅から小坂行き路線バスで約25分、東北新幹線、JR東北本線盛岡駅から高速バス「あすなろ」で約90分、小坂小学校前バス停下車、徒歩で約2分
- 車/東北自動車道小坂ICから約3分
- URL:小坂鉄道レールパーク – ブルートレインあけぼの