クラウドファンディング

【秋田県鹿角郡小坂町】2024年春、ブルートレインの宿泊が再開される「小坂鉄道レールパーク」

「小坂鉄道レールパーク」は、2009年(平成21年)に廃止となった小坂鉄道の旧小坂駅と小坂駅にあった車庫や操車場をそのまま利用した鉄道テーマパークです。

小坂鉄道は小坂駅(秋田県小坂町)と奥羽本線大館駅(秋田県大館市)を結んでいた私鉄で、創業当時から使用されていた駅舎などの施設や、小坂鉄道で使用されていた鉄道車両、それに旧国鉄(JR)のブルートレイン車両などを保存、展示しています。

その一部は動態保存され、ブルートレイン車両は宿泊施設に利用され鉄道ファンばかりでなく、広い世代に人気のテーマパークです。


老朽化に加え、コロナ禍で一時営業休止に

「小坂鉄道レールパーク」は、オープンから10年近く経過し、展示車両や施設に老朽化が目立つようになってきました。

2020年からは最大の目玉であった、ブルートレイン車両を使用した宿泊施設「ブルートレイ あけぼの」が、新型コロナ拡大の影響と車両の不具合などにより、営業休止に追い込まれてしまいます。宿泊営業以外はそのまま続けられましたが、DD130形機関車などの保存車両の塗装にも著しい損傷が目立つようになっていました。「フルートレインあけぼの」は、新型コロナ沈静化後も、車両の老朽化メンテナンスができないまま、再開することができていません。


2023年10月、クラウドファンディングによる寄附金募集開始

こういった状況を受けて小坂町は、<小坂鉄道の貴重な車両や施設を未来に!【小坂鉄道レールパークの営業を応援しよう!!】>というプロジェクトが立ちあげ、資金確保のため2023年10月3日より目標金額350万円のクラウドファンディングの募集をはじめました。


小坂鉄道レールパーク公式ホームページ


クラウドファンディングは2023年12月31日までの募集期間で、寄附を募るという形をとっています。そして、このクラウドファンディングの最大の特徴は、「ふるさと納税」という形式が取られている点です。


ふるさとチョイス・クラウドファンディング


クラウドファンディングとは、「インターネット上で公開した資金募集案件に対して投資者や寄附金を募る仕組みであり、支援金で開発した商品・サービスの事前購入や、寄附先から進捗報告等の受領が可能になる」(平成29年消費者白書 消費者庁)もので、募集方法は<寄附型><購入型><金融型>という3つの形態があります。<寄附型>とは募集プロジェクトに[寄附]をするもの、<購入型>は製品化前の商品を購入し、製品化後その商品を受け取るもの、<投資型>はプロジェクトに出資するというものです。

「小坂鉄道レールパーク」クラウドファンディングは<寄附型>です。<寄附型>は、基本的には“寄附”ですから、その見返りはありません。しかし「小坂鉄道レールパーク」の場合は、「ふるさとの納税」という形式が取られているため、「お礼の品」を選んで寄附することが可能になっています(「お礼の品」を選ばなくても寄附は可能です)。しかも、確定申告で所得税や住民税の控除が受けられるのです。

またクラウドファンディングで資金調達の場合、そのプロジェクトが実行されるかどうかは、2つの場合があります。目標金額に達しなくても実行される<All-In>と、2つめは目標金額未達の場合は支援金が返却される<All-or-Nothig>です。「小坂鉄道レールパーク」の場合は<All-In>方式なので、目標未達であっても施設のリニューアル工事は実施され、返礼品も受け取れます。

クラウドファンディングで集まった寄附金は、「ブル-トレイン あけぼの」車両はじめ、今まで動態保存、使用されていた車両や設備の塗装、整備・長年ほとんど放置されてきた客車キハ2100形や貨車などの整備に充てられます。

という条件のもと使用されるので、「ブルートレイン あけぼの」の復活とともにキハ2100形などの保存車両が昔の姿に戻ることを目標としています。

一足早く始まった「ブルートレインあけぼの」の第1期塗装改修 ©小坂鉄道レールパーク

「小坂鉄道レールパーク」は、2023年度は11月23日に営業が終了しました。2024年度のオープンは春頃を予定しており、「ブルートレイン あけぼの」での宿泊再開に向けて準備をしています。詳しくは「小坂鉄道レールパーク」ホームページを参照してください。


小坂鉄道レールパーク公式ホームページ



小坂鉱山の専用鉄道として創設された小坂鉄道

秋田県小坂町と奥羽本線大館駅(秋田県大館市)の間に敷設された鉄道で、その目的は日本屈指の銅鉱山だった小坂鉱山の産出物を運搬するためでした。営業開始は古く、1909年(明治42年)で、鉱山の発展とともに1912年(大正元年)には旅客列車の運行も始まりました。

小坂鉱山内を走っていた運搬用の鉄道 ©小坂町づくり(株)

小坂鉱山は明治時代後期に最盛期を迎え、小坂町は秋田県第2位の人口を誇る大きな町として発展しました。しかし、その後徐々に生産量は減り、ついには1990年(平成2年)に鉱石の枯渇により閉山となってしまいます。

小坂鉄道も1994年(平成6年)年に旅客扱いが停止され、2009年(平成21年)には貨物運送廃止となってしまいました。


誰でも楽しめる鉄道のテーマパーク「小坂鉄道レールパーク」

「小坂鉄道レールパーク」の魅力は、保存された車両の数々、国登録有形文化財の駅舎、機関庫など数多くありますが、なんといっても動態保存されたブル-トレインに泊まれることでしょう。

「小坂鉄道レールパーク」に動態保存されているブルートレインは、かつて上野駅(東京都)と奥羽本線経由で青森駅・秋田駅との間を走っていた夜行寝台特急「あけぼの」で使用されていた24系寝台車4両で、3両の客車と1両の電源車です。

24系客車とは1973年(昭和48年)から1980年(昭和55年)にかけて旧国鉄(現JR)が量産した寝台客車で、外装が濃いブルー1色に塗られたことから“ブルートレイン”の名前で親しまれ、全国を走り回りました。

客車3両の内訳は、A寝台個室(スロネ24-551)、B寝台個室(オハネ24-555)、B寝台開放(オハネフ24-12)で、3両とも1973年(昭和48年)に製造されました。その後何回かのリニューアル工事の結果現在保存されているスタイルになったものです。いずれも富士重工(株)製。

A寝台個室

A寝台個室スロネ24-551 個室になっている ©小坂鉄道レールパーク

1人用A個室寝台車・シングルDX(車両記号ロ[A=グリーン車]ネ[寝台車])で、車両の重量が37.3トンあるので記号がスになっています。もともとは2段式のA寝台車でしたが、「あけぼの」用に1人用個室に改装されました。1人用になっていますが、個室内上部にベッドが設けられていて、実質2名泊まれるため、全11室で定員は22名です。宿泊施設として使用されています。


B寝台個室

B寝台個室 オハネ24-555 1段目、2段目とも個室タイプで、2段目にも明かり取りのガラス窓がつけられている ©小坂鉄道レールパーク

1人用B個室寝台車・ソロ(車両記号ハ[B=普通車]ネ[寝台車])で、こちらは自重35.5トンなので記号はオになっています。製造当初は3段式B寝台車でしたが、2段式寝台に改装され、さらにベッドが線路と並行に設置されている2段式個室となり、屋根が明かり取りの窓がある形式に改造されました。定員28名。宿泊施設として使用されています。


B寝台開放

B寝台開放 オハネフ24-12 開放式の2段ベッド車両で、最後部に車掌室(緩急車)が設けられている。宿泊者用の休憩室として使われている。 ©小坂鉄道レールパーク

B寝台開放:3段式B寝台車として製造され、後に2段式に改装されています。この車両には緩急車と呼ばれる車掌室があります。そのため記号はオ(自重32.2トン)、ハ(普通車)、ネ(寝台車)、フ(緩急車)になっています。この車両は宿泊者の飲食・休憩スペースとして使用されています。


電源車

電源車 カニ24- 511 客車の電気設備に電気を供給する大切な車両 ©小坂鉄道レールパーク

電源車:その名の通り照明や冷暖房装置などの設備に電気を送るための列車です。ディーゼル発電機と荷物室があります。記号はカ(自重48.8トン)のニ(荷物車)となっています(電源車という記号はないようです)。ほかの3両へ電気を送っています。


「小坂鉄道レールパーク」その他の施設

・小坂鉄道開業当時から使われてきた「駅舎」(国登録有形文化財)

国登録有形文化財の「旧小坂駅駅舎」。開業当時から使われていた ©小坂町

・1962年(昭和37年)に建築され、元通りに修復された「機関車庫」(国登録有形文化財)

・大正から昭和にかけて活躍した「蒸気機関車」(県指定有形文化財)や皇族が乗られた「貴賓車」(静態保存)

線路幅763mm(JR山手線は1067mm)の11号蒸気機関車と貴賓車

・小坂鉄道の主力ディーゼル機関車4両(DD130形3両とDD13形1両/動態保存)

3両動態保存されているDD130形ディーゼル機関車の3重連 ©小坂鉄道レールパーク

・キ115と呼ばれるラッセル車(雪かき列車/動態保存)

キ115は1935年(昭和10年製)。旧国鉄浜松工場で製造されたもの ©小坂鉄道レールパーク

・構内作業用や保線作業に使われた3両のモーターカー(動態保存)


さまざまな体験が楽しい「小坂鉄道レールパーク」

ほかにもブルートレインの短距離運転など「小坂鉄道レールパーク」の魅力は尽きることがありません。鉄道ファンばかりでなく、ブル-トレインを知る世代やこどもたちのためにも、ずーっと続いて欲しいテーマパークです。

モーターカーが牽引する観光トロッコ

ラッセル仕様のモーターカーTMC200形に牽引されている観光トロッコ ©小坂鉄道レールパーク

旧線路上を走るレールバイク

線路上を足でこいで走るレールバイク ©旅東北

ほかにもブルートレインの短距離運転(予定)など、「小坂鉄道レールパーク」の魅力は尽きることがありません。鉄道ファンばかりでなく、ブル-トレインを知る世代やこどもたちのためにも、ずーっと続いて欲しいテーマパークです。

2024年春には全面的にリニューアルオープンされる予定になっています。詳しくは「小坂鉄道レールパーク」のホームページでお確かめください。

小坂鉄道レールパーク<Information>

  • 施設名称:小坂鉄道レールパーク
  • 所在地:秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古川20-9
  • 電話番号:0186-25-8890
  • アクセス:
    • 鉄道
      • JR奥羽本線大館駅から小坂行き路線バスで約60分、小坂小学校前バス停下車、徒歩で約2分
      • JR花輪線十和田南駅から小坂行き路線バスで約25分、
      • 東北新幹線、JR東北本線盛岡駅から高速バス「あすなろ」で約90分、小坂小学校前バス停下車、徒歩で約2分
      • 東北自動車道小坂ICから約3分
  • URL:小坂鉄道レールパーク

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NORIJUN

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旅が好きが高じて一昔前は旅行誌、今はWEBの旅行ライターをしています。取材では東北地方を中心に全国47都道府県すべて訪れていますが、楽しみは温泉に入り、古い町並みや暮らし、芸能工芸など日本の伝統文化にふれることです。

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