【宮城県】おすすめの東北六県秋祭り「宮城編」、宮城の秋を彩る伊達家の威風と街中にあふれる音楽
目次
宮城県の大きな秋祭りといえば、仙台藩六十二万石の総鎮守、大崎八幡宮の例大祭が有名です。
そのほか、藩祖の伊達政宗が仙台開府前に本拠地としていた、岩手山の政宗公まつりも秋の風物詩として知られています。
また、定禅寺通りを中心に各所に設置された街角ステージで、ジャズをメインにさまざまな音楽が奏でられるジャズフェスティバルもまた、仙台の秋を彩るお祭りとして楽しまれています。
「秋祭り」とはいつからいつまで?
暦では、二十四節気の「立秋」は8月7日から「立冬」の11月7日の前日まで、それを東北にあてはめれば、8月上旬に各地で開催される夏祭りの終わりからが秋です。
この記事では暦に従い、8月7日から11月までに開催される祭りを「秋祭り」としてご紹介しています。
祭りの定義とは?
ウィキペディアに掲載されている「祭り」の定義は、「感謝や祈り、慰霊のために神仏および祖先をまつる行為(儀式)」です。
その一方、歴史と伝統のある神社などの祭礼と違う「音楽祭」や「収穫祭」などがあり、これら音楽や味覚を楽しむイベントもまた、広い意味で祭りとされています。
この記事では祭礼だけでなく、音楽フェスやグルメ祭りなど訪れて楽しめる秋祭りもピックアップしてご紹介します。
大崎八幡宮例大祭(仙台市青葉区八幡:9月1日~17日)
1607年(慶長12年)に伊達政宗が造営した権現造りの御社殿は国宝に指定されています。
例大祭では伊達家にゆかりの能神楽や、400年の伝統がある流鏑馬(やぶさめ)神事などが奉納されるほか、17日に実施される大神輿のご巡幸が見どころとなります。
約500名が参加して織りなす荘厳で華麗な行列は、まるで仙台藩の威風を表す豪華絢爛な絵巻物を見ているかのようです。
ぜひ目の前で見たい迫力の流鏑馬!
流鏑馬は3人の射手が3つの的を3回にわたって狙い、合わせて9回矢を射る神事です。
矢を射る際には馬の手綱を手から離す事になるため、馬と射手が一体となる必要があり、その緊張感のなかで的に命中すると観客から大きな歓声が上がり盛り上がります。
目の前を大きな馬が失踪し矢が命中する爽快感を、ぜひその現場で感じてください。
2024年例大祭の日程はこちら
- 9/1(金):鳥居祭(三之鳥居)16:00
- 9/10(日):どんとロード八幡雀踊り(境内)
- 9/14(木):献饌式(御社殿)15:00・能神楽奉奏(神楽殿)18:30
- 9/15(金):例祭(御社殿)10:00
- 9/16(土):民俗芸能大会(川前鹿踊・川前剣舞・佐沼鹿踊・早稲谷鹿踊)・ちびっこまつり
- 9/17(日):神幸祭(神輿町内巡幸)・流鏑馬神事
大崎八幡宮<Information>
- 名称:大崎八幡宮例大祭
- 毎年9月1日~9月17日
- 開催場所:宮城県仙台市青葉区八幡4丁目6-1 大崎八幡宮
- 電話番号:022-234-3606
- 参観時間:9:00~17:00(国宝の御社殿への入場は無料)
- URL:大崎八幡宮 公式サイト
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大崎八幡宮から足を延ばして食べたい「三角あぶらげ」
八幡宮と同じ青葉区ながら車で40分ほどかかりますが、定義如来(極楽山西方寺)の参道にあって明治23年(1890年)創業の定義(じょうぎ)豆腐店の三角あぶらげを、ぜひ一度味わってみてください。
精進料理として大豆と天然にがりの豆腐で作られた分厚い揚げたての熱々を、醤油とニンニク入り七味で味わえば、外側のカリッとした香ばしさと大豆の旨味が口の中いっぱいに広がります。
冬はホットで夏はアイスで飲める豆乳も人気があって、仙台出身のお笑い芸人のサンドウィッチマンがテレビ番組で紹介するなどしたことからいつもにぎわっています。
三角あぶらげ<Information>
- 店名:定義豆腐店
- 所在地:宮城県仙台市青葉区大倉下道1-2
- 営業時間:木曜日~月曜日 9:00~16:00
- 定休日:水曜日、木曜日
- URL:定義豆腐店 公式サイト
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政宗公まつり(大崎市岩出山:9月8日)
仙台藩祖の伊達政宗が仙台青葉城を築く前に居城としていたのは岩出山城でした。
この政宗公まつりは1964年(昭和39年)に、仙台城跡からこの岩出山城跡に「政宗公平和像」移転された事をきっかけとして始まりました。
「小京都」とも呼ばれる岩出山の街で繰り広げられる戦国絵巻を堪能できるお祭りです。
戦国絵巻を思わせる騎馬武者や甲冑武者の行列
岩出山の街中を、伊達政宗をはじめとして片倉小十郎や伊達成実(しげざね)など政宗に仕えた家臣団に扮した騎馬武者や甲冑武者の行列が練り歩くのが、このお祭りの最大の見どころです。
これは文禄元年(1592年)、豊臣秀吉の命により朝鮮半島へ出兵するため(文禄の役)、岩出山城を3,000の兵を率いて出陣した故事を再現したもので、勇壮な武者姿を間近に見ることができます。
政宗公まつり<Information>
- 名 称:政宗公まつり
- 開催期間:2024年9月8日(日)
- 開催場所:宮城県大崎市岩手山町内
- 問い合わせ先:大崎市岩出山総合支所地域振興課
- 電話番号:0229-72-1211
- URL:政宗公まつり実行委員会 公式サイト
岩出山ならではの郷土料理「凍みっぱなし丼」
寒気にさらして乾燥させただけの普通の凍り豆腐と違い、岩出山地方の凍み豆腐は凍らせて熟成させた豆腐を一度水につけて解凍し、水分をしぼって再び凍結するため柔らかく食べやすい凍り豆腐です。
地元で「凍みっぱなし」と呼ばれるこの保存食をカツのように揚げて、溶き卵と出汁でとじたカツ丼風でやわらかくジューシーな味わいで、この地域のほか鳴子温泉などでも味わえます。
凍みっぱなし丼<Information>
- URL:玉造商工会 公式サイト
定禅寺ストリートジャズ・フェスティバル(仙台市青葉区:9月7日~8日)
2024年に第33回を迎えるこのジャズ・フェスは、仙台市内の勾当台公園で1987年(昭和62年)に定禅寺通にできた「エル・パーク仙台(通称:141)」で開催されたジャズライブが始まりでした。
その後このライブは毎年の恒例となり1990年(平成2年)まで開催され、1991年(平成3年)からは現在と同じく、定禅寺通を中心に街角の屋外ステージで開催されるようになりました。
そして「定禅寺ストリートジャズ・フェスティバル(JSF)」と名付けられ、ステージ数や出演団体が増えるとともにジャズ以外のジャンルの音楽も取り上げられるようになります。
2019年は観客70万人以上を動員する日本最大の音楽祭となりましたが、2020年に新型コロナ禍で中止となり、再開された2022年は20万人規模でしたので、2024年の盛り上がりが期待されています。
エリアやステージごとに選べる音楽ジャンル
2日間にわたって前夜祭と本祭が開催され、定禅寺通・勾当台公園・一番町・西公園・青葉通・仙台駅西口ペデストリアンデッキなどのほかに、2024年は約30か所のステージが設置されます。
それぞれのステージはビッグバンドやブルース、フュージョン、ゴスペル、ソウル、R&Bに和楽器などに分けられていて、好みに合わせて移動して楽しむのがスタイルです。
市民による市民のための音楽祭
仙台市が助成や企業の協賛などのほか、出演バンドが運営強力費を負担し、当日会場を訪れた市民のカンパや協賛金によって運営されていますが資金は不足気味で募金活動なども展開されています。
仙台市民手づくりの音楽祭としてボランティアによって成り立ち、どのステージも無料で聴くことができるのが定禅寺ストリートジャズ・フェスティバルの大きな特徴です。
定禅寺ストリートジャズ・フェスティバル<Information>
- 名 称:定禅寺ストリートジャズ・フェスティバル2024
- 開催期間:2024年9月7日(土)~9月8日(日)
- 開催場所:宮城県仙台市青葉区内(定禅寺通周辺)
- 問い合わせ先:(公社)定禅寺ストリートジャズフェスティバル協会
- 電話番号:022-722-7382(平日10:00~18:00)
- URL:定禅寺ストリートジャズフェスティバル協会 公式サイト
定禅寺通に近い国分町のB級のグルメ「ほそやのサンド」のハンバーガー
仙台は「ずんだ」や「牛タン」が有名ですが、定禅寺通りに近い国分町でマクドナルドの日本上陸より20年も早く、1950年(昭和25年)から日本最古のハンバーガーを提供している店があります。
国分町の中心にある「ほそやのサンド」のハンバーガーは、自家製ソースとマヨネーズを和えた和牛100%のパテと玉ネギの薄切りをバンズにはさんだシンプルなハンバーガーです。
ハンバーガーはテイクアウトできるので、かじり付きながらライブを楽しむのも良いですね。
ほそやのサンド<Information>
- 名称:ほそやのサンド
- 所在地:宮城県仙台市青葉区国分町2丁目10-7 大内金英堂大内ビル 1F
- 電話番号:022-223-9228
- 営業時間:11:30~22:30
- 定休日:なし
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まとめ
宮城県の秋祭りにはここでご紹介したほかにも「登米秋まつり」、「神鹿角切り行事祭」、「くらの町むらた・布袋まつり」などの開催が予定されています。
また、10月にはクラシック音楽を楽しむ「仙台クラシックフェスティバル」や、各地で開催されているYOSAKOI形式の「みちのくYOSAKOIまつり」などもあって、さまざまな祭りを楽しめます。