【青森県】おすすめの東北六県秋祭り「青森編」、青森の秋祭りとご当地グルメをご紹介!
目次
青森県の祭りと言えば、「青森ねぶた祭」や「弘前ねぷたまつり」に「五所川原立佞武多(たちねぶた)」、さらには「八戸三社大祭」など、8月初旬に開催される夏祭りが全国的に有名です。
しかし、これらの夏祭りの後の盆踊りや県東部の三八上北地方や下北半島を中心に催されている「秋祭り」があることはあまり知られていません。
「秋祭り」とはいつからいつまで?
暦では、二十四節気の「立秋」の8月7日から「立冬」の11月7日の前日までが秋で、それを東北にあてはめれば、8月上旬に各地で開催される夏祭りの終わりが秋の訪れということになります。
この記事では暦に従い8月7日からを「秋」として、それ以降に開催される祭りを「秋祭り」としてご紹介しています。
祭りの定義とは?
ウィキペディアに掲載されている「祭り」の定義は、「感謝や祈り、慰霊のために神仏および祖先をまつる行為(儀式)」です。
その一方で、伝統ある宗教的な祭礼とは違う「音楽祭」や「収穫祭」などがあり、これらの音楽や地元の味覚を楽しむイベントもまた、世間一般では広い意味で「祭り」とされています。
この記事では、伝統と格式の祭礼から音楽フェスやグルメ祭りなど、訪れて楽しいおすすめの秋祭りをピックアップしてご紹介します。
黒石よされ(黒石市:8月15日~16日)
人口約3万人の黒石市内に3千人にも上る踊り手が繰り出して踊り歩く、徳島の「阿波おどり」や岐阜の「郡上おどり」と並ぶ「日本三大流し踊り」の一つです。
雀に稲穂柄など趣向を凝らした浴衣と編み笠姿の踊り手が、太鼓や津軽三味線にのせた「黒石よされ」「黒石甚句」「黒石じょんから」「津軽甚句(ドダレバチ)」などの唄に合わせて流し踊ります。
黒石よされの起源について
歌われる唄は500~600年前の恋の唄が起源とされ、江戸時代に黒石藩が経済振興のため人を集めようと奨励したことで、現在にまで繋がったと言われています。
「よされ」の語源には諸説あるなか有力なのは次の説ですが、いずれも定説ではありません。
豊作で楽しい時には「仕事をよして楽しく踊りなされ」から「よして」「なされ」でよされ。
凶作で苦しい時には「このような世の中は早く去れ」から「世」は「去れ」でよされ。
黒石よされ3つの踊り
主に次の3つ踊りに分類されています。
- 組踊り:数人が息を合わせて踊りを披露し、各団体が競演会で振付などを競い合う
- 流し踊り:団体ごとに街中に設けられた周回コースを踊りながら練り歩く
- 廻り踊り:流し踊りの途中で輪になって廻りながら踊る(廻り踊りだけの日もある)
なお、流し踊りの後に「おどりはだり」と呼ばれるものがあり、この30分間は観客も一緒になって廻り踊りを楽しめます。
黒石よされ<Information>
- 開催場所:市内中心商店街、弘南鉄道・弘南黒石駅前広場ほか
- 開催期間:2024年(令和6年)8月15日(木)~16日(金)
- 問い合わせ先:一般社団法人 黒石観光協会
- 電話番号:0172-52-3488
- URL:黒石観光協会公式サイト
黒石のソウルフード「黒石つゆやきそば」
モチモチの太平麺が使われたウスターソース味の焼きそばに、和風だしのそばつゆをかけて食べる「黒石つゆやきそば」が黒石のB級グルメとして全国人気となっています。
その発祥には諸説ありますが、昔市内にあった「美満寿(みます)」という店から始まったとする説が有力で、今ではつゆやきそばを出す飲食店が70店舗以上あるようです。
黒石つゆやきそば<Information>
- 問い合わせ先:黒石つゆやきそば伝紹会
- 電話番号:0172-52-4316
- URL:黒石市市役所公式サイト
田名部まつり(むつ市:8月18日~22日)
新鮮な魚介が美味しいむつ市にある田名部(たなぶ)神社の例大祭で、京都の祇園祭りを思わせる祇園囃子にのって5台の豪華絢爛な山車が、五穀豊穣・商売繁盛を祈念しながら練り歩きます。
「ヤデコラセーノ」「ヤッ、トーレ」の掛け声で車輪をきしませながらの方向転換や、「ヤマヤレ、ヤマヤレ」の掛け声と夜囃子で練り歩く夜間運行が見どころです。
最終日に、稲荷山、猩狌(しょうじょう)山、大黒山、蛭子(えびす)山、香爐峯(こうろほう)の5台の山車が勢ぞろいする「五車別れ」が行われ、クライマックスを迎えます。
祇園祭りを思わせる豪華絢爛な山車
山車(ヤマ)は昼夜で飾りとお囃子が替わります。
昼間はきらびやかな刺繍が施された大水引き幕・小水引幕・、見送り幕・御簾(みす)で飾られ、夜間は額(がく)と呼ばれる明かりが灯された絵灯籠に付け替えられます。
それぞれのヤマの運行を取り仕切るのは、市内各町内で組織されている「組」です。
田名部まつり<Information>
- 開催場所:市内三本木大通り、官庁街通り周辺 (中央駐車場 含む)
- 開催期間:2024年(令和6年)8月18日(日)~8月20日(火)
- 問い合わせ先:十和田商工会議所
- 所在地:青森県十和田市西二番町4-11 十和田商工会館2F
- 電話番号:0176-24-1111
- URL:十和田市秋まつり公式サイト
むつ市と言えば大湊、大湊と言えば「海自カレー」!
むつ市の大湊(おおみなと)には海上自衛隊基地があって、隊員の食事として提供されているカレーを「海自カレー」として市内の飲食店で味わえます。
海上自衛隊では毎週金曜日の夕食がカレーですがこれは旧日本海軍からの伝統で、その理由は長期の艦上勤務で曜日の感覚が狂うのを防ぐためです。
海自カレーは部隊(護衛艦)ごとに工夫が凝らされていて、ぞれぞれ異なる飲食店で提供されているので、食べ歩いてみると違いがわかって面白いでしょう。
大湊海自カレー<Information>
- 問い合わせ先:大湊海自カレー普及会事務局(むつ市シティプロモーション推進課内)
- 電話番号:0175-22-1111
- URL:大湊海自カレー普及会公式サイト
五戸まつり(五戸町:8月30日~9月1日)
八幡宮、稲荷神社、神明宮の三社祭りで、京都の祇園祭りにつながっているとされ、神話・伝説などをモチーフにした豪華に装飾された9台の山車や神輿が街中を練り歩きます。
豪華にして壮麗な一大絵巻を繰り広げます。山車を曳く際の大漁節に似た掛け声は、近隣の祭りにはない特徴です。
まつりの開催中には夜間に行われる山車競演や流し踊りのほか、「奥州よさこいまつり」など多くのイベントが開催されます。
坂の街を練り歩く山車
坂の多いことで知られる五戸の街ですが、その坂を山車が登る様子が祭りの大きな見どころとされています。
坂の中には高低差が30m以上もあり、引き子が全力で力を合わせて引かなければ登れない坂もあって、観客の声援のなかで引き子が一体となって大きな山車が坂を上る様子は圧巻です。
五戸まつり<Information>
- 開催場所:五戸町中心街
- 開催期間:2024年(令和6年)8月30日(金)~9月1日(日)
- 問い合わせ先:五戸町観光協会
- 電話番号:0178-62-7155
- URL:五戸町観光協会公式サイト、
- URL:五戸町公式サイト
「ごのへ三大肉」とは?
美味しい桜肉(馬肉)を食べられることで知られる五戸町には、ほかに「あおもり倉石牛」というブランド牛と「青森シャモロック」という地鳥があり、これらの総称が「ごのへ三大肉」です。
シンプルな焼肉のほか、町内の飲食店ではさまざまなメニューで三大肉を味わえます。
ごのへ三大肉<Information>
- 問い合わせ先:五戸町総合政策課
- 電話番号:0178-62-7952
- URL:五戸町公式サイト
十和田市秋まつり(十和田市:9月6日~8日)
幕末の開拓の際に基となった三本木原に建立された、三本木稲荷神社の例大祭に合わせて1949年(昭和24年)から始められたお祭りです。
神輿のほかに、十和田市民によってきらびやかに飾り付けられた山車と太鼓車が市内に繰り出し、華麗なバチさばきを見せる叩き手が打ち鳴らす勇壮な太鼓が市内に響き渡ります。
戦後に作られた十和田囃子
太平洋戦争後に市内各地の祭りが取りまとめられたことで地区ごとにお囃子が違い、祭りでは全体が同じお囃子や太鼓で盛り上がることがありせんでした。
そこで、2006年(平成18年)に共通のお囃子の制作が企画され完成したものが、太鼓が主役の3つの十和田囃子です。
- 喧嘩(けんか)太鼓:山車が出会った時、双方が熱の入った競演を展開します
- 進み太鼓:山車が運行している間のお囃子です
- 休み太鼓:山車が休憩中や待機中に流されるお囃子です
十和田市秋祭り<Information>
- 開催場所:三本木大通り、官庁街通り周辺 (中央駐車場 含む)
- 開催期間:2024年(令和6年)9月6日(金)~9月8日(日)
- 問い合わせ先:十和田商工会議所
- 電話番号:0176-24-1111
- URL:十和田市秋祭り公式サイト
B1ゴールドグランプリを受賞した「十和田牛バラ焼き」!
牛のバラ肉とたっぷりの玉ネギを鉄板にのせて、醬油ベースの甘辛いたれで焼いた「十和田バラ焼き」は、十和田市内の80店以上の飲食店で味わえます。
牛バラ肉だけでなく豚や馬に羊のバラ肉を使うお店もあり、それぞれの飲食店で入れる野菜や秘伝のタレなどを開発して、個性を競い合っています。
十和田バラ焼き<Information>
- 問い合わせ先:十和田バラ焼きゼミナール
- 電話番号:0176-25-7758
- URL:十和田バラ焼きゼミナール公式サイト
まとめ
青森西部の旧弘前藩領では「ねぶた」や「ねぷた」などの山車灯篭が運行される祭りが多く、東部の旧盛岡藩領では京都の祇園祭りのような山車が運行される祭りが多いのが特徴です。
また、「ねぶた」や「ねぷた」は8月上旬に七夕行事として行われますが、東部や下北に多い山車を運行する祭りは、五穀豊穣を祈念するとして秋に開催されています。