【青森県】青森は隠れた馬肉の産地!なぜ馬肉文化が広まったのか理由を解説
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青森県は、熊本や福島に次ぐ馬肉の生産地であることをご存じでしょうか?馬刺しや桜鍋といった馬肉料理が広く知られる一方で、青森が隠れた馬肉の名産地であることは意外と知られていません。この記事では、青森で馬肉文化が広まった背景や、その美味しさの秘密を詳しくご紹介します。
青森は熊本、福島に次ぐ馬肉産地!その理由とは?
馬肉といえば熊本県や福島県が有名ですよね。しかし、青森県は日本第3位の馬肉の産地なんです!青森県に馬肉のイメージはないですが、どうして有名なのでしょうか?理由を調べてみました。
自然環境が馬の飼育に適していた
青森はその豊かな自然環境と適度な気候から、馬の飼育に最適な条件が整っていました。馬の飼育に欠かせない牧草は、青森の肥沃な土地で栄養豊富に育ち、豊富な水資源が馬の健康を支えました。また、広大な土地を利用してのびのびと飼育された馬たちは、健康で質の高い馬肉を提供する源となりました。
さらに、青森の冬の寒さは馬の脂肪を適度に減らし、赤身の旨味を際立たせるとも言われています。このような自然の恩恵が、青森が馬肉産地として注目される理由の一つです。
江戸時代から続く馬の飼育文化
青森では、江戸時代から南部馬と呼ばれる馬の飼育が盛んに行われてきました。南部馬は農耕や運搬に使われるだけでなく、戦国時代には騎馬軍の主力ともなった存在です。このように、馬は青森の生活や産業において欠かせない役割を果たしていました。
農耕馬としての需要が高かった青森では、馬を飼育する技術が受け継がれ、その文化が地域に深く根付いていきました。現在でも青森の一部地域では競走馬の育成が行われており、馬の飼育文化は色濃く残っています。
「戸」のつく地名は馬の管理体制の名残?
青森や岩手には「戸」のつく地名が多く存在しますが、これはかつての馬の管理体制の名残だと言われています。その中でも七戸や五戸は現在でも馬の飼育が盛んで、競走馬の生産や育成が行われています。地元の人々が馬との共存を大切にしながら、地域の特色として馬文化を受け継いでいるのです。
青森で馬肉文化が広まった背景とは?
では、なぜ青森で馬肉文化が広まったのでしょうか?
食文化としての転換期
明治時代になると、農耕や運搬に使われていた馬が食用として利用されるようになりました。特に、寒冷地で栄養価の高い食品が求められる中で、馬肉は貴重なタンパク源として注目を集めました。馬肉は脂肪が少なく、ビタミンや鉄分を豊富に含むヘルシーな食材として重宝され、様々な料理に活用されたようです。
このような背景から青森では馬肉が地元の食文化に溶け込み、馬刺しや煮込み、鍋料理として親しまれるようになりました。
青森の人々の知恵と工夫
青森の人々は、馬肉を美味しく食べるための知恵と工夫を重ねてきました。
例えば、馬肉の煮込み料理に使うのは塩漬けの高菜です。馬肉文化が色濃く残る五所川原市では、塩漬けした高菜と馬肉を味噌で煮込む「馬肉と高菜の味噌煮込み」が有名。塩漬けした高菜は保存がきくので、野菜が乏しい冬にはぴったりの料理です。
馬刺しは新鮮な馬肉を薄く切り、ニンニク醤油や生姜醤油でいただくのが定番。脂肪分が少なく、赤身の旨味を存分に味わうことができます。馬肉を使ったすき焼き風の鍋料理「桜鍋」や煮込み料理はもちろん、ショウガやニンニクがたっぷり入った地元で人気の味噌ラーメンに馬肉を合わせた馬肉ラーメンも登場。このように青森では馬肉がポピュラーな食材として親しまれています。
青森の馬肉の美味しさの秘密
青森産の馬肉は、脂肪が少なくヘルシーでありながら、旨味が濃縮された赤身が特徴です。そのため、さっぱりとした味わいとコク深さを同時に楽しむことができます。
また、青森は産地としての強みから鮮度の高い馬肉を供給しており、刺身や鍋料理にも適しています。地元の精肉店では気軽に馬肉を購入できることもあり、幼いころから馬刺しや馬のレバ刺しを食べて育った人も。馬刺しで食べるときの臭みはほとんどありませんが、青森産のニンニクスライスやすりおろしと一緒に食べると格別!馬のホルモンを使った煮込み料理も人気があり、食材を大切に使うという青森県民の気持ちが表れていますね。
地元ならではの食べ方「義経鍋」とは
青森で馬肉料理を楽しむなら、「義経鍋」は外せません。この郷土料理は、馬肉と野菜を使ったユニークな鍋料理で、その名前は奥州を旅した源義経に由来しています。鍋の形状が非常に独特で、中心は鍋、その周りは鉄板となっており、しゃぶしゃぶと焼肉を一緒に楽しめるというもの。焼肉を楽しむ鉄板部分には馬の脂を使うため、甘みがありながらもさっぱりとした味になるんだとか。しゃぶしゃぶは生でも食べられるほど新鮮なので、さっと火を通すだけでOK。牛や豚とは違い、高タンパク&低カロリーなのでダイエット中でも食べられるのがうれしいですね。
義経鍋は五戸を中心とした居酒屋や観光スポットで楽しむことができるので、青森を訪れた際にはぜひお試しください。
まとめ
青森は、熊本や福島に次ぐ馬肉の生産地として隠れた魅力を持つ地域です。自然環境が馬の飼育に適していたことや、江戸時代から続く馬の飼育文化、そして食文化への転換期を経て、青森独自の馬肉文化が育まれてきました。
また、青森の馬肉は脂肪が少なくヘルシーでありながら、濃厚な旨味が特徴です。地元ならではの料理「義経鍋」をはじめ、さまざまな調理法でその美味しさを堪能することができます。ぜひ青森の馬肉文化に触れ、その奥深い味わいを体験してみてください。