【岩手県遠野】「とおの物語の館」は昔話を体感できる!妖怪の故郷をレンタサイクルで廻ろう

今回は、妖怪の故郷として有名な遠野を代表するスポット、「とおの物語の館」をメインに紹介します。遠野物語を始めとする多くの物語を見て触れて聞いて楽しめる場所です。

昔話が好きな方は多いです。オシラ堂やカッパ淵など、遠野には物語り縁の場所があります。

遠野の駅からレンタサイクルで古きよき町の景観を楽しみながら廻るのがおすすめです。

とおの物語の館のルーツ

とおの物語の館は、1986年に開館されました。30年以上の歴史を誇っています。

当初は、「とおの昔話村」という名前でした。2013年にリニューアルされて、そのときに名前も今のものになりました。

遠野は妖怪の故郷

遠野といえば、妖怪の故郷として知られています。その所以となっているのが、柳田國男が編纂した『遠野物語』です。

これは、遠野に古くからある民話を集めたものです。1910年に発行されました。

なかには、それこそ雪女やカッパ、座敷わらしといった今なおポピュラーな妖怪が数多く登場します。怪談だけではなくて、神隠しなどの神事関係の伝承も載っています。

とおの物語の館の魅力

遠野物語の世界観をリアルに体験できるのが、「とおの物語の館」です。柳田國男が宿泊した旅館や、晩年の母屋が移築されています。

もちろん、遠野物語だけではなくて、多くの昔話に触れられます。語り部による昔話が聞けるのも魅力です。

遠野のご当地料理を楽しめる場所や、お土産に最適なギフトショップもあり、遠野を堪能できるスポットになっています。

昔話蔵

遠野にあった造り酒屋の蔵を移築しています。遠野に伝わる昔話をメインに紹介している場所です。

切り絵や影絵、映像など、視覚的に楽しめる形で紹介されているので、自然と物語の世界に惹き込まれます。

この人なければ「遠野物語」はなし!佐々木喜善

昔話の他にも、佐々木喜善を紹介するコーナーが併設されています。この人物を、ここに来るまで知らなかった、という人は多いです。

佐々木喜善は、「日本のグリム」と呼ばれている人物です。遠野出身の民俗学者です。

柳田國男に遠野伝承の昔話を伝えた人物で、この人がいなければ、遠野物語は誕生しなかったといえます。

見て触れて聞いて楽しむ

昔話の間は、半個室のようになっていて、ソファに座って昔話を聞けます。鉄製の置物に触れると、影のアニメーションが出る展示もあります。見て触れて聞いて楽しめる場所です。

遠野座

館内にある「遠野座」は、昔話を体験できる劇場です。決まった時間になると、語り部の話を聞けます。

とおの物語の館のなかでも、特に力が入っている場所で、受付では語りが始まる時間を教えられます。

たくさんの遠野物語が題材に

語り部は色々な昔話を扱います。なかでも人気なのは、「ねずみのすもう」です。お金持ちの家に住んでいる太った大きなねずみと、お年寄りと仲良く暮らすとても小さなねずみが相撲を取る話です。

他にも、「カッパ淵」という、馬を淵を引きずりこむなど、悪さばかりしていたカッパが反省する話も好評です。

遠野の昔話は、「昔あったずもな」で始まり、「どんどはれ」で終わるのが特徴です。この「カッパ淵」も、そのようになっています。

カッパ淵は、遠野に実際にある場所で、以前に他の記事で紹介しました。本物のカッパに出会えるかもしれない、そちらもおすすめのスポットです。

柳田國男展示館

旧高善旅館は実際に柳田國男が宿泊していた場所です。まるごと移築されています。

柳田だけではなくて、折口信夫、ネフスキーなどの著名人が泊まっています。当時の趣深い内装を、1階から2階まで見て廻れます。

1階は居間や寝室がある居住部分で、2階が客室です。

柳田の生涯などの展示がなされています。

伊藤家

見て廻ってお腹が空いたら、「食事処 伊藤家」に行きましょう。ここでは、遠野の郷土料理を楽しめます。ひっつみやジンギスカンが人気です。

特にひっつみは、岩手に行ったなら一度は食べたい料理です。「ひっつみ」は「すいとん」の一種です。よく練ってねかした小麦粉をひっつんで汁物に入れたことから、こう呼ばれています。

伊藤家のものは、特に鶏がらの深い味わいと、多くのご当地の具材、つるんとした喉越しのひっつみが合わさって、とても美味しく調和されています。

赤羽根蔵

INFORMATION

伝承園

伝承園には1000体のオシラサマ

オシラサマという、馬と娘の恋物語を描いた伝承も、遠野物語の代表的なものです。美人の娘が厩の馬と夫婦になって、それを不満に思った父親が馬の首を切り落としてしまいます。

娘は、その馬の首とともに天に昇っていったといいます。伝承園には、このオシラサマが1000体飾られた場所があります。

菊池家住宅

それは、国の重要文化財になっている曲り家「菊池家住宅」の奥です。この曲がり家は、L字型で母屋と厩が一体になった作りです。

オシラサマの伝承で、娘が毎晩、馬に会いに行った様子が思い起こされます。

御蚕神堂

曲がり家の奥には、御蚕神堂(オシラ堂)があります。ここに、オシラサマが供えられています。桑の木の先が、娘や馬の顔になっています。

そこに願い事を書いた布を被せて飾るのが慣わしです。布は1枚100円で売られています。ぜひ記念に、1000体のオシラサマに自分のものを加えましょう。

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妖怪の故郷についてまとめ

遠野物語で有名な遠野の地は、数々の見るべき昔話を感じられるスポットがあります。カッパや座敷わらしなど、妖怪が出てきそうな原風景が広がっています。

恋愛が成就するといわれる「卯子酉様」や、昔話の舞台となりそうな「山口の水車小屋」など、市の郊外まで人気の場所は点在しています。

バスは1時間に1本など少ないです。今回紹介した「とおの物語の館」をメインに、遠野物語を知ったうえで、レンタサイクルで廻るのがおすすめです。

レンタサイクルは遠野駅前の遠野市観光交流センター「旅の蔵遠野(電話番号:0198-62-1333)」で可能。料金などは下記URLを参照。

遠野市観光協会公式サイト:遠野時間ーとおのじかんー

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