
遠野の妖怪スポット「カッパ淵」カッパ捕獲許可証を入手してカッパ釣りもできる?【岩手県遠野市】
日本民俗学の創始者である柳田國男の「遠野物語」の発刊から、現在では日本有数の「妖怪の故郷」として有名になった岩手県遠野市。
そんな遠野には日本一有名な妖怪といっても過言ではない「河童(かっぱ)」に関する伝承も数多く残っています。実は遠野には「カッパがでた」という伝承が残るカッパ淵が14か所もあるんです。
今回はそんなカッパ淵の中から最も有名な「常堅寺のカッパ淵」をご紹介します。
カッパ淵の入り口は常堅寺の境内にあり
柳田國男の遠野物語には河童が生息する地が数多く出てきますが、なかでも代表的なのがこの常堅寺のカッパ淵で、毎年カッパに出会おうと多くの観光客が訪れます。
遠野市の中心部からは少し距離がある常堅寺ですが、遠野駅からバスで10分程度でアクセス可能です。

後述する「カッパ捕獲許可証」が購入できる伝承園近くにあるカッパ淵と常堅寺の案内看板。この細い道を入っていくとカッパ淵があります。
なお、常堅寺の駐車場は檀家さん優先のもので、車は伝承園に駐車して徒歩でアクセスするように案内されているのでご注意ください。

常堅寺の本堂。門構えも本堂も立派なお寺です。カッパ淵には境内に入りこの本堂左脇から裏に抜けることでアクセスできます。

本堂には沢山の木彫りの河童が。

頭のてっぺんが河童の皿のように窪んだその名も「カッパこま犬」。さすが河童に所縁のあるお寺です。
実はこの狛犬、その昔常堅寺が火事になった際に、カッパ淵の河童が火を消してくれたことから当時の住職が感謝の証に祀り始めたという由来があるそうです。

本堂脇にはカッパ淵への案内板が出ているので迷うことはないと思います。

小烏瀬川(カッパ淵)にでるとその名も「カッパ淵橋」が見えてきます。この橋を渡ると淵沿いにきれいな小道が整備されています。
川はゆったりとした流れで、さらさらと響く音が耳に心地良いです。観光では天気の良い日が好まれるのが普通ですが、ここカッパ淵に関しては、雨が降っていたほうが怪しいオーラが出てカッパに会えそうな雰囲気が高まります。
二体のカッパが守護する乳神が祀られたお堂がある
橋を渡ってカッパ淵沿いを少し歩くと、淵のほとりにお堂が建っています。これは「乳神」を祀る祠だそうで、子を持つ女性のお乳が出るように願かけすると叶うとされてています。お堂の前には狛犬のように二体の青いカッパが鎮座しています。

赤い布でおっぱいの形を作ってお供えするのが習わしだそうです。
カッパはそもそも生まれずに死んでしまった子ども(水子)の妖怪ともいわれています。そういったところからこのような風習が生まれたのでしょう。

お堂を守護する二体のカッパには沢山のキュウリがお供えされていました。
許可証をもらってカッパ釣りを
上記のお堂付近には、カッパ釣り専用の「糸の先にキュウリが括り付けられた」たくさんの釣竿が設置されています。自由に使えそうな雰囲気もありますが、カッパ釣りには「カッパ捕獲許可証」が必要な旨が竿のすぐ脇に記載されています。

注意書きはいくつかありますが中には「カッパさんに引き込まれないように。特に美男美女の方注意」と書かれたものも。なので特に美男美女の方々は気をつけてカッパ釣りをしましょう。

カッパ捕獲許可証はカッパ淵そばの「伝承園」で購入することができます。この許可証を持っていれば、釣竿を使ってカッパ釣りを楽しむことができるわけです。

淵には誰かが竿をかけたまま忘れて行ってしまったような憎い演出も。釣竿には「名人専用につき触らないで下さい」と書かれています。
まとめ
まさに河童尽くしのカッパ淵周辺ですが、常堅寺裏手には有志によって造成・再現された蓮池という池も存在します。
かつてこの地にあったのですが、淵の水量が減りいつしかなくなってしまったと言われる池で、いつか河童が戻って泳ぎ回ってくれることを願って造成されたそうです。

河童に出会える方はよっぽどの幸運だと思いますが、出会えなくても遠野に来たならぜひ一度は訪れてみてほしいスポットです。
ちなみにカッパには懸賞金がかけられており、カッパを捕獲して遠野テレビに行くと…なんと1,000万円の賞金がもらえるそうです!興味がある方はカッパ釣りに本腰を入れて挑戦してみてもいいんじゃないでしょうか?
カッパ淵<Information>
- 名 称:カッパ淵(常堅寺)
- 住 所:〒028-0555 岩手県遠野市土淵町土淵7地割
- 電話番号:0198-62-1333(遠野市観光協会)
- 公式URL:遠野市観光情報サイト「遠野時間」 – カッパ淵