にしんの山椒漬け

【福島県会津】会津の郷土料理「にしんの山椒漬け」とは?美味しい地酒のお供にどうぞ

福島県会津地方は米と酒の名産地。そのことも相まって、ご飯やお酒のお供に美味しく頂ける郷土料理が豊富です。

今回は会津地方で作られる、香り高い大人味の一品「にしんの山椒(さんしょう)漬け」をご紹介します。美味しい地酒と一緒に、ぜひ会津の味をご堪能下さい。


にしんの山椒漬けとは?

にしんの山椒漬けとは、にしんと山椒の葉を重ね合わせ、醤油・酢・酒・砂糖などのサッパリとしたつけ汁でじっくりと漬け込んだものです。甘じょっぱくて酸味のある漬け汁の味と、山椒の爽やかな風味が効いた一品。

山椒の葉
山椒の葉

山椒の新芽がとれる春から夏にかけて仕込まれています。


にしんの山椒漬けの歴史とは?

にしんの山椒漬けは、優れた保存食として作られてきた歴史があります。

内陸部で山々に囲まれた会津では、身欠にしんは大変貴重なもの。流通も保冷も難しかった時代では、生魚はなかなか手に入りません。北海道で乾物として仕入れた身欠にしんを、日持ちがするように工夫して調理したのがきっかけと言われています。

なお、会津ではにしんの山椒漬を作るための「会津本郷焼のにしん鉢」が使われます。漬け鉢の大きさは、およそ長さ25センチ幅12センチほど。にしんが丁度良く入る大きさの、深さのある長方形の形をした陶器です。

専用鉢が作られるほど、にしんの山椒漬けは会津の食文化にはなくてはならないものとして受け継がれてきました。


にしんの山椒漬けは自分で作れる?レシピを紹介

土産物や通販商品としても手に入れることも出来るにしんの山椒漬ですが、元々が家庭料理なので自分で作ることも可能です。ここではにしんの山椒漬のレシピの一例を紹介します。

身欠にしん
身欠にしん

漬ける容器は冷蔵庫に入れやすいタッパーなどが便利です。身欠にしん「本乾」と呼ばれるカチカチのものを使用します。

<材料>

  • 身欠にしん 5本
  • 山椒の葉 30枚程度
  • 酢 100cc
  • しょうゆ 150cc
  • 酒 30cc
  • 砂糖 大さじ1

<作り方>

  1. 下準備:身欠にしんを米のとぎ汁で一晩漬けて、戻しておく
  2. 身欠にしんの頭と尾と背びれを切り落として、うろこをとり、よく洗う
  3. タッパーなどの容器に、にしんと山椒の葉を交互に重ねる
  4. つけ汁を軽く煮立て、重ねたにしんの上からひたひたに注ぐ
  5. 重石をかけて、冷蔵庫で1週間程度漬け込んで完成

<食べ方>

切り分けてそのまま食べるのが一般的です。アレンジとしては、表面を少し炙ると、より香ばしい風味を楽しめます。

重石は、水を入れたポリ袋などでもOKです。また、自然の材料を使うため、残ったものは早めに食べきるようにしてください。


にしんの山椒漬けに合う会津の地酒を紹介

せっかく会津の郷土料理「にしんの山椒漬け」を食べるなら、美味しい地酒と一緒がオススメです。香り高いにしんの山椒漬けと合わせても喧嘩をしない、会津の美味しい地酒3選をご紹介します。

  • 花泉
  • 会津ほまれ
  • 国権

花泉

南会津町で大正時代から営業を続ける花泉酒造の代表ブランド。地元では宴の席で長く愛されてきました。とろりと甘く、まったりとした旨味とコクが口いっぱいに広がります。酸味の効いたにしんの山椒漬とも相性抜群。

花泉<Information>


会津ほまれ

喜多方市で丁寧な酒造りを続ける、ほまれ酒造の代表ブランド。上品で香り高く、キレのある飲み口が特徴です。日常を通して気軽に飲める、デイリーユース向けの価格帯も嬉しいポイント

会津ほまれ<Information>


国権

南会津町で、明治から酒造りを続ける老舗酒造です。雪深い奥会津の澄んだ水と風土が生み出す酒は、コクと酸味のバランスが後をひきます。米の旨味が感じられ、酒好きの方をうならせる一品。熱燗も美味しいと評判です。

国権<Information>


まとめ

今回は、会津の郷土料理「にしんの山椒漬け」をご紹介しました。

優れた保存食として作られ始めたにしんの山椒漬けは、会津ふるさとの味として地域に深く根付いた料理です。ぜひ一度、会津の味を召し上がってみてはいかがでしょうか。


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