二本松神社の参道

【福島県二本松市】提灯祭りで有名な旧二本松藩の総鎮守「二本松神社」

福島市と郡山市のちょうど中間地点に位置する福島県二本松市。ここには例大祭として350年以上の伝統を誇る二本松の提灯祭りで有名な二本松神社が存在します。


江戸から明治まで丹羽家のお膝元として繁栄した二本松

二本松は1643年に戦国武将、織田信長(おだ のぶなが)の家臣として有名な丹羽長秀(にわ ながひで)の孫にあたる丹羽光重(にわ みつしげ)が入部し、明治4年の廃藩置県によって二本松藩が廃藩となるまで、丹羽家のお膝元として繁栄しました。

二本松神社(丹羽家の家紋)
二本松城でも見られる丹羽家の家紋「違い棒」

このことから二本松藩では節分の時、「鬼は外」と叫ぶと「お丹羽外」に聞こえることから、「鬼外」「おにそと」と「は」を抜いて唱えていたそうです。

二本松神社(丹羽家家紋の説明)
丹羽家の家紋である「違い棒」の説明書き

1643年当時、二本松に入部した光重は二本松神社に扶持米80石と社領25石を寄進。祭神の霊夢を見て社領50石をさらに寄進、以来二本松藩の総鎮守として現在まで至ります。


熊野宮と八幡宮が合祀されていることから『御両社』とも呼ばれた二本松神社

二本松神社の入り口
二本松神社の入り口

神社に伝わる歴史によると、創建は久安年間(1145年~1151年)とされ、「鎌倉殿の13人」として有名な十三人の合議制の一人である安達藤久郎盛長(あだちとうくろうもりなが)が二本松に地頭として入った際に熊野権現を「熊野宮」として祀ったことから始まるとされています。

その後、奥州探題だった畠山満泰がこの地に居を移し白幡ヶ峯に築城。二本松城と名付けました。前述の「熊野宮」も城内に遷座し、畠山氏の氏神である八幡大神を祀る「八幡宮」と合祀しました。

そして丹羽家の治世となった際、二本松藩初代藩主である丹羽光重は、歴代城主の守護神である「八幡宮」を下座である左側に、領民の守護神であった「熊野宮」を上座である右側に祀り、領民なら誰でも自由に参拝できるように神社を城内から現在の地に再度遷座し、現在に至ります。

この時から「熊野宮」と「八幡宮」が合祀されている『御両社』と称されるようになりました。

二本松神社の御祭神

「熊野宮」の祭神熊野権現

  • 伊邪那美命(いざなみのみこと)
  • 速玉男之命(はやたまのおのみこと)
  • 事解男之命(ことさかのおのみこと)

「八幡宮」の祭神八幡大神

  • 品陀和気命(ほむだわけのみこと)
  • 息長足姫命(おさながたらしひめのみこと)

さらに境内社として御三社があり、

  • えびす様として知られる生業繁昌の神様 事代主命(ことしろぬしのみこと)
  • 医薬の祖であり、健康・病気快復の御神徳があるといわれる 少彦名命(すくなひこなのみこと)
  • 天神様として知られる学問の神様 菅原道真公(すがわらのみちざねこう)

がそれぞれ祀られています。

二本松神社の社殿
二本松神社の社殿

火災により社殿が一度消失しており、現在の社殿は文化3年 (1806年)に再建されたものです。


日本三大提灯祭りの一つとして有名な二本松神社の例大祭「二本松の提灯祭り」

10月の4日・5日・6日の三日間にわたって行われる二本松神社の例大祭「二本松の提灯祭り」日本三大提灯祭りの一つとして有名です。

二本松市内の本町・亀谷・竹田・松岡・根崎・若宮・郭内の七町が曳き回す七台の太鼓台という山車に、町の頭文字や町名が入った約300個の提灯をつけて練り歩きます。

太鼓台の提灯、高張提灯、若連幹部などの持つ弓張提灯も御神火で灯され、「提灯の炎は絶やさない」という決まりごとがあるそうです。

祭りの起源

二本松藩が1841年に刊行した『相生集』によると寛文4年(1664)に、二本松の根崎・竹田地区の若衆が二本松市根崎にある愛宕神社の神輿を担ぎ、亀谷・本町・松岡を通り若宮地区まで練り歩いた事で、触発された本町・亀谷地区の若衆が八幡宮の神輿を渡御したことが祭りのはじまりとされています。

そして現代になり、武家の町であった郭内地区が昭和37年(1962)に太鼓台で参加し、本町・亀谷・竹田・松岡・根崎・若宮・郭内の七町の祭りになりました。


まとめ

はるか昔から二本松の人々の拠り所となっていた二本松神社。お参りに訪れる際は10月の4日・5日・6日の三日間にあわせて日本三大提灯祭りの一つ「二本松の提灯祭り」の活気も味わってみてください。

二本松市には鬼婆伝説の安達ケ原二本松城など他にも見どころがいっぱいです!

二本松神社<Information>

  • 名  称:二本松神社
  • 住  所:〒964-0917 福島県二本松市本町1丁目61
  • 電話番号:0243-22-1066
  • 公式URL:https://nihonmatsu-shrine.com/

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