
アニメ『ざつ旅-That’s Journey-』第1話に登場!会津若松市に行ってみよう【福島県】
目次
2025年4月より『ざつ旅-That’s Journey-』というテレビアニメが放送されています。
漫画家志望の主人公が、行き当たりばったりの旅(雑な旅)をしながら見聞を深めていく物語です。
その記念すべき第1話『はじめの1225段』の旅先は、福島県会津若松市となっています。
本記事では、会津若松市への行き方を、作中での描写に触れつつ紹介します。
『ざつ旅-That’s Journey』とは?
『ざつ旅-That’s Journey』の主人公「鈴ヶ森 ちか」は、なかなか出版社にネームを採用してもらえない、漫画家志望の女子大生。
彼女はサイコロで行き先を決める旅番組をテレビでチラっと見たことをきっかけに、SNSのアンケートで行き先を募る旅に出ることを思いつきます。
アンケートが反響を呼んだので、ちかはアンケートの結果に基づき「上の方(北)へ」旅することに。
その最初の旅の具体的な行き先は「駅で目隠しして選んだチラシ」に従って、福島県の会津若松に決まります。
下調べをしない、行き当たりばったりな旅の日々が始まります。
なお、作中には実在する鉄道が頻繁に登場し、特にJR東日本はアニメとのコラボレーションを実施しています。
筆者のような、旅も鉄道もアニメも大好きな人にはうってつけのアニメです。
アニメはAT-X、BS11、TOKYO MX、読売テレビなどで放送されているほか、配信も多数のサイトで行われています。
筆者はBS11や、Amazon Videoのプライム会員特典で視聴しています。
まずは東北新幹線
会津若松市は、福島県西部にあたる会津地方の中心的な都市で、その人口は11万人程。
福島県では郡山市・いわき市・福島市に次ぐ人口を抱えています。
東北新幹線や東北自動車道といった、東北地方の大動脈からは数十kmほど離れた場所にあります。
しかし、鉄道は磐越西線(ばんえつさいせん)、道路は磐越自動車道や国道49号線といった路線が通っているので、様々な地域から比較的容易にアクセス可能です。

アニメでは東京駅(ちかがSNSに投稿した画像より)からJR東日本の東北新幹線に乗車し、郡山駅で下車する様子が描かれています
(ただし、原作の漫画では乗車駅の描写が異なっており、埼玉県の大宮駅だと思われます)。
列車の名前は「やまびこ207号」と書かれているように見えます。
2025年3月時点のダイヤでは、やまびこ207号は10時11分東京駅発、郡山駅に11時48分に到着するなど、福島駅までの各駅に停車します。
12時05分に福島駅を出発したら、次は終点の仙台駅に12時26分に到着する列車です。
なお、東北新幹線で最も停車駅の少ないタイプの「はやぶさ」は郡山駅には停車しません。
そのため、郡山で降りるためには「やまびこ」(併結して運行される山形新幹線の「つばさ」でも可)や「なすの」を利用する必要があります。
「やまびこ」にも郡山駅に停車しない列車があり「なすの」には郡山駅まで行かない列車があるので、自由席を利用する場合は注意が必要です
(「はやぶさ」には自由席はありませんが、基本的に「やまびこ」などと同じ車両が使われているので、誤って乗車しないように注意)。
「やまびこ」は、最長で盛岡駅まで運行されているので、盛岡、仙台、福島といった東北地方各地の駅からも、列車1本で郡山駅へ行けます。
また、新青森駅、北海道の新函館北斗駅といった駅から行く場合も、まずは「はやぶさ」に乗車して、仙台駅で「やまびこ」に乗り換えれば、乗換は1回だけで郡山駅にたどり着けます。
山形駅などからは、山形新幹線の「つばさ」が郡山駅に直通します(通過する列車もあります)。
秋田駅などからは、秋田新幹線の「こまち」に乗って、仙台駅で「やまびこ」に乗り換えればよいです。
首都圏からのみならず、東北地方の各地からも、郡山へは容易にアクセス可能なのです。
ところで、作中ではちかが駅弁を買うシーンがありますが、2025年現在は車内販売で駅弁を購入するのは不可能です。
というのも「やまびこ」での車内販売は2019年3月に終了しているためです。
車内販売が行われている「はやぶさ」などの列車でも、販売品目はお菓子、おつまみや飲料などに限られており、駅弁の購入はできません。
車内で駅弁を食べたい場合は、乗車前に購入しましょう。
なお、原作漫画の第1話の発表は、車内販売が終了する前のギリギリの時期であった2019年初頭なので、当時としては現実と矛盾する描写ではありません。
また、ちかがどうやって駅弁を調達したのかは漫画・アニメ共に明確に描写されてはいません。
なので、仮に数分間停車する駅で停車中に購入したのだとすれば、2025年現在でも可能です
(車内販売で買ったことを示唆しているとしか思えない描写ではありますが)。
東北新幹線に乗車するには?

新幹線を利用するためには、一般的に乗車券と特急券が必要です。
乗車券と特急券は、JRの駅のみどりの窓口や、指定席券売機で購入できます。
インターネットサービスの「えきねっと」での予約も可能です。
ご自身できっぷを確保する際には、特急券は新幹線に乗る区間だけ(郡山駅まで)を購入すればよいですが、乗車券は目的地である会津若松駅まで購入する必要がある点にご注意ください。
きっぷの購入は旅行代理店などでも可能です。
また、会津若松市は観光で訪れる人も多いので、列車とホテルがセットになっているツアーも盛んに設定されています。
なお、ちかは宿泊施設を確保せずに旅に出ていますが、旅先での安心感につながるので、宿泊する場所は予約してから旅に出ることを推奨します。
郡山と会津、新潟を結ぶ磐越西線

ちかが郡山駅で乗り換えた磐越西線の列車は、12時15分発の快速・会津若松行き。
途中の停車駅は磐梯熱海(ばんだいあたみ)駅などの5駅のみです。
実に9駅を通過して、13時20分に会津若松駅に到着します。

会津若松駅につくと「あかべぇ」が待っています。
なお筆者の娘たちは以前の福島県への旅行をきっかけに赤べこのアクセサリーを入手していたので、この会津若松駅に到着したシーンによく反応していました。
磐越西線の列車の本数は、ちかも言及しているように1時間に1本程度しかありません
(筆者は、これまでの旅での経験から、1時間に1本でも多い方だと思ってしまいますが……)。
時刻表や乗換検索アプリなどで調べた磐越西線の列車の時刻に合わせて、東北新幹線の列車を選ぶことを推奨します。
なお、磐越西線は、郡山駅から会津若松駅を経て、新潟県新潟市の新津(にいつ)駅に至るJR東日本の路線です。
福島県・新潟県それぞれの地域内の輸送や、他の地方と会津地方を結ぶ観光輸送(ちかが乗車したのは、まさにこれですね)などを担っています。
郡山駅~喜多方駅間では「あいづSATONO」、会津若松駅~新津駅間には「SLばんえつ物語」といった観光向けの列車が運行されていて、人気を集めています。
その他の交通手段は?
会津若松市への東北新幹線・磐越西線以外でのアクセス手段も紹介します。
鉄道

会津若松駅には、磐越西線の他にJR東日本の只見線(ただみせん)も乗り入れています。
只見線は会津若松駅から、新潟県魚沼市の小出(こいで)駅までを結ぶ路線です。
列車の本数は、磐越西線よりもさらに少なく、会津若松駅~会津坂下駅間は1日7往復(毎日運転される列車だけの本数)、小出駅までの全区間を走破する列車は1日3往復しかありません。
ただし、沿線の風景は「日本一の絶景ローカル線」とも呼ばれるほど見事なものです。
只見線への乗車を会津への旅の1コマとするのもよいでしょう。
会津若松駅には、会津鉄道という鉄道会社の会津線の列車も乗り入れています。
会津線の列車は、会津若松駅から、主に南会津町の会津田島駅や会津高原尾瀬口駅までを結んでいます
(※会津線の正式な起点は西若松駅)。
会津高原尾瀬口駅の先にも、別の鉄道会社の線路が続いていることから、会津線と他社線を直通する列車も運行されています。
栃木県の鬼怒川温泉駅から会津若松駅までを結ぶ快速列車の「AIZUマウントエクスプレス」や、東京都の浅草駅から会津田島駅までを結ぶ特急列車の「リバティ会津」も運行されているのです。
東北新幹線を経由するルートよりも所要時間は長くなりますが、会津線経由のルートをたどるのもまた、旅の楽しみ方の1つと言えるでしょう。
高速バス
会津若松駅前に停車する高速バス路線も複数運行されています。
会津若松へ行く高速バスの出発地は郡山、いわき、福島、野沢(福島県西会津町)、新潟、仙台、新宿(東京都)などとなっています。
福島県内や近隣の県、そして首都圏からならば、高速バスでもアクセスが可能ということです。
新宿からのバスは、片道4時間半程度の長旅となっていますが、寝ている間に移動できる夜行便は、GWなどの特定日のみの運行です。
なお、仙台空港と会津若松市を結ぶ空港連絡バスが以前は運行されていましたが、2020年以来運休中です。
自家用車など
自家用車やレンタカーなどを自分で運転する場合は、高速道路や様々な国道で会津若松市にアクセスできます。
いわき市と新潟市を結ぶ磐越自動車道や国道49号線が市内を東西に横断しています。
また、山形県米沢市と栃木県日光市などとを結ぶ国道121号線が南北方向に市内を縦断。
新潟県柏崎市を起点とする国道252号線は、会津若松市内に終点があります。
各地からの道路でのアクセスに困ることは、あまりないでしょう。
会津若松の観光スポット巡りに使えるまちなか周遊パス
地方都市に観光へ来ると、現地での足が心配になるかもしれません。
しかし、会津若松では、鶴ヶ城といった主要なスポットを巡ってくれる「まちなか周遊バス」という循環バスが概ね30分おきに運行されています。
なお、左回りのバスは「ハイカラさん」、右回りのバスは「あかべぇ」と名づけられています。
ちかは徒歩で移動していますが(インドア派とはいえ、さすがは18歳です)、ハイカラさんとすれ違う描写があります。

ちかが作中で訪れる飯盛山(いいもりやま)や東山温泉(ひがしやまおんせん)も、まちなか周遊バスで訪問できるので安心です。
アニメに登場した場所を実際に巡る、聖地巡礼もしやすいことでしょう。
作中で最後に訪れる羽黒山湯山神社(はぐろさんゆがみじんじゃ)への入口は、東山温泉の中にあります。
聖地巡礼を完遂したいのであれば、1,225段の階段を頑張って上りましょう。

なお、本記事はあくまで交通手段を紹介する記事ですので、作中に登場するスポットの紹介については、公式サイトなどをご覧いただければと思います。
会津若松観光ナビ:『ざつ旅-That’s Journey-』in『会津若松』|特集|会津若松の公式観光情報サイト
2025年6月30日までデジタルスタンプラリー実施中

『ざつ旅-That’s Journey-』とJR東日本がコラボレーションした「舞台探訪駅タグスタンプラリー」というデジタルスタンプラリー(スマートフォンのアプリで実行するスタンプラリー)が、2025年3月23日から6月30日まで開催中です。
以下の駅がスタンプラリーの対象となっています。(★は、第1話の旅で経由する駅)
- 首都圏エリア:★東京駅、★上野駅、★大宮駅
- 東北エリア:★郡山駅、★磐梯熱海駅、★会津若松駅、仙台駅、松島海岸駅、下北駅、新花巻駅、北上駅、後三年駅、湯沢駅、鶴岡駅
スタンプを獲得していくと、ざつ旅に登場するキャラクターの記念デジタルスタンプが獲得できます。
東北地方への旅に興味がわいた方は、スタンプラリーにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
おわりに
旅というのはどうしてもお金がかかってしまうものではありますが、列車に乗って旅に出ること自体は、作中でも描かれているように、そこまで難しいことではありません。
この記事を読んで少しでも、旅に出てみたい、会津若松に行ってみたい、と思っていただけたのならば幸いです。