【山形県】暑い夏を乗り切る秘策は山形にあり?山形の「冷やし文化」に迫ります。

さまざまな工夫をしても、毎年更新される夏の暑さは何をやってもムダだと諦めていませんか?

夏の暑さをどうにかしたい、せめて自分の身の回りだけでも涼しくならないか…そう思っている方いませんか?

山形県には他の県では見られない「冷やし文化」が古くから存在しています。今年の夏は真似してみたい、そんな山形の「冷やし文化」についてご紹介します。


山形県はどれくらい暑いの?

今でこそ埼玉県や群馬県などが夏の暑い地域として知られていますが、かつて日本の最高気温を記録し、その後74年間も破られなかった地方都市があるのです。

それは山形県山形市

昭和8年7月25日に40.8℃を記録したとされており、その記録は74年間破られることがありませんでした。(現在の日本最高気温は2020年8月17日の静岡県浜松市と2018年7月23日の埼玉県熊谷市で、ともに41.1℃が最高気温とされています)

山形県は暑い!というイメージを子どもの頃から持つ東北の人はとても多く、すでに日本一暑い地域ではなくなっていても、暑い地域だという印象があります。


『暑けりゃ冷やせばいいじゃない!?』冷やし文化の始まりとは

暑い日には冷たいものを…

これは当たり前のことであり、涼しくなるための工夫でもあります。

かき氷を食べたり、冷たく冷やしたタオルで体を拭いたり、プールや海に行くのも、『涼』を求める方法の1つです。

しかし、山形県のように尋常ではない暑さの場合、ちょっとくらいの涼しさでは意味がありません。山形県の暑さを乗り切るために様々なものを冷やす『冷やし文化』が生まれたのです。


冷やしシャンプーはじめました

ここ10年20年くらいで市民権を得てきた「冷やしシャンプー」は山形県発祥です。

1990年後半、山形県山形市にある「メンズヘアリズム」というお店において、夏季限定のサービスとして生まれました。

当初は「クールシャンプー」と呼ばれ、冷蔵庫で冷やしたシャンプーを使うサービスだったようです。暑い山形県ではとても好評なサービスで、シャンプーを冷やすサービスは瞬く間に広まりました。ただ冷たくするだけではなく、メントール系のシャンプーを使用することで、ひんやり感が持続します。

その後、冷やしシャンプーは東北地方に広まり、今や日本中で冷やしシャンプーを扱うお店が増えてきました。実際に冷やしシャンプーで洗ってもらうとシャンプー後、数時間は自分の周りが涼しく感じられます。

専用の冷やしシャンプーも販売されており、山形県では現在約300店舗で使用されているそうです。


山形県の冷やし文化とは

山形県は冷やしシャンプー以外にも「冷やす」文化が根付いています。

通常は熱いままで食べるものを、冷やせば夏場でもおいしく食べられるというのがその理由ですが、暑さをしのぐ生活の知恵というべきでしょうか?あらゆるものが「冷やし」で提供されています。


冷やしラーメン

冷やしラーメンも実は山形県発祥です

『ラーメンを冷たくしただけじゃん!』そう思う人は実際に山形県に来て冷やしラーメンを食べてみて下さい。

ただ冷やしただけでは脂も浮いてしまうし、何より麺が伸びてしまうんです。

スープも麺もつめたく、お店によっては氷を浮かべて、さらにひんやりとした冷やしラーメンが食べられます。

冷やした麺というと冷やし中華をイメージする方も多いですが、通常のラーメン同様にスープがあり、しょうゆ味が一般的です。暑い日にスープまで飲み干せるのは最高ですね。


冷やし肉そば

冷やしラーメンがあれば、冷たい肉そばも食べたい!そう思うのも納得です。

山形県民に愛されるご当地そばである「肉そば」「冷やし肉そば」として夏場に販売されており、暑い日に食べるのが最高です。

冷たい肉そばは県内各地で提供されており、すっきりとしたダシとそば、肉がマッチして、食欲がないときでも食べやすくなります

肉そばの肉は鶏肉になっているで、しつこくないのがやみつきになる理由です。


水かけごはん

名前だけを聞くと驚くかもしれませんね。

「水かけごはん」は「水まま」などとも呼ばれる、山形県の郷土料理です。

ご飯に冷水をかけて、漬物と一緒に食べます。

山形県は昔から暑い地域として知られており、冷蔵庫が普及していなかった時代は朝炊いたご飯が暑さで傷んでしまうため、洗って食べなければしょうがない、という生活の知恵でもありました。

漬物だけでは飽きてしまうので、きゅうりやなすなどの水分が多い夏野菜に、青じそやみょうがなどの香味野菜を刻んで和え、味つけした「だし」も一緒に食べています。

準備も簡単で、手軽に食べられる、暑くて料理もしたくなくなる時にもおすすめの組み合わせです。


酢だまり

「酢だまり」「すだまり氷」などとも呼ばれている、かき氷の独特な食べ方です。

山辺地域周辺の名物であり、シロップをかけたかき氷の上に酢醤油(酢だまり)をかけたものです。

驚く組み合わせ化もしれませんが、通常のかき氷よりも後味がさっぱりするので、夏の暑い時期にひんやりとした冷たさをさらに感じやすくなります。

山辺地域のお店で食べることができるので、ぜひ山辺町へ行って食べてください。


まとめ

山形県の独特な文化ともいえる「冷やし文化」を紹介しました。

暑い夏を過ごしやすくするための、生活の知恵ともいえる「冷やし文化」。

全国に広まっているものもあれば、山形県内でしか味わえないものもあるので、山形県の暑さを体感しながらひんやりした冷やし文化を味わうのもいいものです。

今年の夏は、新しい「冷やし」を体感してみませんか?


関連記事一覧