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【山形県米沢市】米沢藩上杉家ゆかりの温泉を訪ねて

米沢市をはじめ、旧米沢藩が治めていた置賜(おきたま)地方には上杉(うえすぎ)家にゆかりのある温泉が点在しています。

上杉家は、初代謙信(けんしん)が越後(新潟県)で旗揚げしましたが、謙信亡き後、景勝(かげかつ)の時代に豊臣秀吉の命により会津へ転じ、さらに江戸時代になって徳川家康により米沢の地に転封(いわゆる左遷)されてしまいました。さらに会津時代は120万石だったのが米沢藩になってからは30万石に減らされたのです。

赤湯温泉「上杉の御湯 御殿守」露天風呂 ©旅東北

藩運営に温泉をうまく利用していた上杉家

米沢藩の初代藩主は上杉景勝ですが、当初は財政難で藩の運営も苦しかったようです。4代藩主綱勝(つなかつ)は世継ぎがないまま若くして急死してしまい、お家断絶の危機を迎えますが、なんとか継続。しかし、その影響もありしばらくの間藩運営はどん底を迎えます。しかし、1767年に9代目藩主となった上杉鷹山(ようざん/治憲) は徹底した倹約で見事に財政改革を成功させました。

上杉鷹山像 所蔵:東京国立博物館

上杉家は越後時代には貝掛(かいかけ)温泉や松之山(まつのやま)温泉(いずれも新潟県)などが“隠し湯”として、また会津時代にも会津東山温泉などなにかとゆかりの温泉があり、温泉をよく利用していたようです。米沢に移ってからは赤湯温泉に御殿(別荘)を建てて藩主が足繁く通い、鉄砲製造所を設けたり(白布温泉)、温泉水を利用して塩作りをしようとしたり(小野川温泉)といつも温泉には注目していました。



米沢藩の御用湯として発展した赤湯温泉

赤湯温泉(南陽市)は、平安時代後期に源義家(みなもとのよしいえ/八幡太郎)の弟、義綱(よしつな)が発見したという温泉で、戦で傷ついた兵士たちを湯に入れると、たちまち傷は治ったそうです。しかし、湯は血で深紅に染まり、それから“赤湯“と呼ばれるようになったと伝わっています。泉質は、含硫黄・ナトリウム・カルシウム-塩化物泉で、色は無色透明(赤くはありません!)。ほのかに硫黄の香りがする“あったまりの温泉”といわれる効能豊かな温泉です。

赤湯温泉の町並み ©山形県

江戸時代には米沢藩の別荘赤湯御殿がおかれ、藩公認の遊興の場所として栄えました。

赤湯温泉には赤湯御殿のお湯番・御殿守(ごてんのもり)から続く宿「上杉の御湯 御殿守(ごてんもり)」や江戸中期の創業で昭和初期の建物が残る「旅館大文字屋」、古い庄屋屋敷を移築した「山形座 瀧波」など全部で16軒の温泉旅館があります。

足湯「ゆーなび からころ館さきわいの湯」 ©山形県

共同浴場は3軒。無料の足湯もあり、湯の町らしい町並みの中で、旅館とはまた違った人とのふれあいが楽しめます。


赤湯元湯

昔からあった大湯と丹波湯を1つにして開業した共同浴場です。赤湯温泉観光センター「ゆーなびからころ館」に隣接しています。

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  • 施設名称:赤湯元湯
  • 所在地:山形県南陽市赤湯754
  • 電話番号:0238-40-3211(南陽市)
  • 営業時間:8:00~14:00、15:00~21:30
  • 入湯料:おとな 240円、こども (小学生以下)100円
  • 定休日:水曜日

烏帽子の湯

烏帽子の湯(えぼしのゆ)は烏帽子の形をした風呂が特徴です。入湯料120円なのが魅力。

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  • 施設名称:烏帽子の湯
  • 所在地:山形県南陽市赤湯356-2
  • 電話番号:0238-40-3211(南陽市)
  • 営業時間:6:00~11:30、14:00~21:30
  • 入湯料:おとな 120円、こども (小学生以下)100円
  • 定休日:金曜日

赤湯温泉 湯こっと

源泉かけ流しの大浴場や露天風呂、障害のある方や介護が必要な方にも楽しめるバリアフリー浴室を完備しています。

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  • 施設名称:赤湯温泉 湯こっと
  • 所在地:山形県南陽市赤湯3004-1
  • 電話番号:0238-49-7350(湯こっと)
  • 営業時間:6:00~22:00
  • 入湯料:おとな 300円、こども (小学生以下)100円
  • 定休日:火曜日
  • URL:湯こっと


赤湯温泉旅館協同組合<INFORMATON>


  • 施設名称:赤湯温泉旅館協同組合
  • 電話番号:0238-43-3114
  • アクセス:
  • 鉄道/山形新幹線赤湯下車
  • 車/東北中央自動車道南陽高畠ICから国道13号線で約5分
  • URL:赤湯温泉旅館協同組合

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米沢藩の鉄砲製造所があった白布温泉

白布温泉(しらぶおんせん)は、最上川の源流部標高900mに湧き出す温泉で、1312年に開湯されたという、大変歴史のある温泉です。“白布”の名は、白斑の鷹がこの温泉で眼病を治したことから名付けられたという伝承もあるのですが、この地がもともと住んでいたアイヌの人たちの言葉で、“霧氷のできる場所=シラブ”がそのまま地名になったというのが正しいようです。漢字の“白布”は後から当てはめられました。

白布温泉 ©山形県

白布温泉のある置賜地方は、戦国時代には伊達氏の支配下にあり、当時の領主伊達政宗が訪れたという記録があり、江戸時代には上杉鷹山などの米沢藩主が訪れています。江戸時代初期には、直江兼続が硫黄などの火薬原料が手に入る白布温泉に火縄銃の製造所を設けて、不安定な時代に備えていました。この銃は1614年にぼっ発した「大坂冬の陣」に役立ったといわれています。

茅葺き屋根の「湯滝の宿 西屋」©山形県

白布温泉には、茅葺き屋根の「湯滝の宿 西屋」と火事により新築された「東屋(あずまや)旅館」が並んで立ち、少し離れて大正時代に建てられた古民家の宿「中屋別館 不動閣」など5軒の温泉旅館があります。泉質は含硫黄・カルシウム-硫酸塩泉で、この硫黄が鉄砲玉の原料となったのです。

白布温泉<INFORMATON>


  • 施設名称:白布温泉
  • 所在地:山形県米沢市関ほか
  • 電話番号:0238-53-2761(アラウンド西吾妻)
  • アクセス:
  • 鉄道/山形新幹線・JR羽越本線・米坂線米沢駅から白布温泉方面行き路線バスで約50分
  • 車/東北中央自動車道米沢八幡原ICから約30分
  • URL:白布温泉

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米沢藩の製塩所跡が残る小野川温泉

小野川温泉は、平安時代の歌人で絶世の美女と謳われた小野小町(おののこまち)が開湯したといわれる温泉で、1200年ほどの歴史があります。小野小町は父捜しのため当地を訪れた際に病気にかかり、薬師如来のお告げで温泉に浸かり病が回復し美貌を取り戻したと伝わっています。

小野川温泉全景 ©山形県

戦国時代には伊達家の温泉として、その後は米沢藩上杉家が通った温泉のひとつになっています。また、小野川温泉の源泉には塩分が多く含まれているため、温泉水から塩を採る製塩所が上杉鷹山により作られています。小野川温泉の泉質は含硫黄・ナトリウム・カルシウム-塩化物泉ですが、江戸時代は今より塩分濃度が高かったようです。

小野川温泉冬の風物詩「かまくら村」 ©山形県

小野川温泉の宿は13軒。室町時代創業で小野川温泉最初の宿と伝わり、明治時代の建物が現役の「扇屋旅館」をはじめ、露天風呂付きの部屋がある高級旅館から家庭的なもてなしが魅力の宿までバラエティに富んでいて、予算や目的により選べます。共同浴場は2軒あり、夏のほたる祭り、秋の田んぼアート、冬のかまくら村など人気のイベントも盛りだくさんです。

泥湯 ©山形県
 

共同浴場 尼湯

「尼湯」はちょっと熱めの湯が特徴で、地元に愛されている共同浴場です。

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  • 施設名称:共同浴場 尼湯
  • 所在地:山形県米沢市小野川町2472-2
  • 電話番号:238-32-2740(小野川温泉旅館組合事務所)
  • 営業時間:7:00~21:00
  • 入湯料:200円
  • 定休日:なし

共同浴場 滝の湯

「滝の湯」は、シャワーやコインロッカーがあり観光客に人気の共同浴場です。

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  • 施設名称:共同浴場 滝の湯
  • 所在地:山形県米沢市小野川町2501
  • 電話番号:238-32-2740(小野川温泉旅館組合事務所)
  • 営業時間:7:00~21:00
  • 入湯料:250円
  • 定休日:不定休


小野川温泉<INFORMATON>


  • 施設名称:小野川温泉
  • 所在地:山形県米沢市小野川町
  • 電話番号:238-32-2740(小野川温泉旅館組合事務所)
  • アクセス:
  • 鉄道/JR奥羽本線米沢駅から路線バスで約25分
  • 車/東北中央自動車道米沢中央ICから約20分
  • URL:小野川温泉

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米沢藩から許可を得て開業した1軒宿・滑川温泉

滑川温泉は、約350年前に発見された温泉で、その景観の素晴らしさから米沢藩の許可を得て温泉場として開かれました。

滑川温泉「福島屋」の露天風呂  ©福島屋

宿は「福島屋」のみで、何より3つの源泉を使用した温泉が魅力です。近くには「日本の滝百選」にも選ばれている落差100mの滑川大滝があります。

滑川温泉<INFORMATON>


  • 施設名称:米沢の秘湯一軒宿福島屋
  • 所在地:山形県米沢市大字大沢15番地
  • 電話番号:238-34-2250
  • アクセス:
  • 鉄道/JR奥羽本線峠駅下車、タクシーで約15分(送迎あり)
  • 車/東北自動車道福島飯坂ICから約1時間、米沢市内からは約50分
  • URL:滑川温泉 福島屋

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まとめ

米沢藩上杉家にゆかりのある温泉を訪ねてきましたが、直江兼続が訪れたという秘湯「五色温泉」は残念ながら廃業になってしまい、2023年5月現在入ることができません。山の中にある評判の温泉だっただけに、再開されることを願うのみです。


NORIJUN

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旅が好きが高じて一昔前は旅行誌、今はWEBの旅行ライターをしています。取材では東北地方を中心に全国47都道府県すべて訪れていますが、楽しみは温泉に入り、古い町並みや暮らし、芸能工芸など日本の伝統文化にふれることです。

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