【秋田県】ちょろぎとは?栽培方法からおせち料理に入れる意味まで詳しく解説
ちょろぎというと関東のおせち料理に入っている漬物というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、秋田では伝統野菜として大切にされています。
この記事ではちょろぎの栽培方法からおせち料理に入れる意味まで詳しく解説します。
ちょろぎとは?
ちょろぎは中国を原産地としヨーロッパやフランスでも食べられているシソ科の植物で、日本では塊茎と呼ばれる部分を漬物にして食べます。
日本におけるちょろぎの産地は大分県竹田市、広島県福富町、岡山県、岩手県釜石市、福島県東和町、秋田県湯沢市、北海道芦別市、枝幸町、旭川市などです。
秋田県では次の3つの事項を満たす39品目の野菜を「あきた伝統野菜」と指定しています。
- 昭和30年代以前から県内で栽培されていたもの
- 地名、人名がついているなど、秋田県に由来しているもの
- 現在でも種子や苗があり、生産物が手に入るもの
ちょろぎもあきた伝統野菜の中で「県内需要に対応する品目」に指定され、さらなる生産や流通の拡大が期待されています。
ちょろぎの栽培方法
ちょろぎはどのようにして栽培されるのでしょうか。
ちょろぎは春に塊茎部分を横に寝かせて植え付けをします。
あまりたくさんの肥料は必要とせず水も少なめから普通の量で育つため、比較的栽培しやすいと言えますが、最終的に30cm~60cm程度にまで伸びるので倒れないよう対策が必要です。
10月~11月に上の葉が枯れてきたら収穫時期なので、塊茎部分を収穫します。
秋田では11月下旬に収穫時期を迎えるため、積雪まで時間との戦いとなることもあるでしょう。
ちょろぎをおせち料理に入れる理由
ちょろぎを見かけるのはお正月のおせち料理でだけという人も少なくないかもしれませんが、そもそもちょろぎはなぜおせち料理に入れられるようになったのでしょうか。
ちょろぎは元々長寿を願い、「長老喜」「千代呂木」「長老木」などの字があてられる縁起物の食材です。
またちょろぎはおせち料理においては黒豆の横に添えられますが、黒豆もまた「まめに働く」という意味を持つ縁起物の食材です。
そのためこの2つを組み合わせることで「まめに働けるように健康と長寿を願う」という意味を込め、おせち料理に入れられているのです。
ちょろぎの食べ方
ちょろぎは食感を楽しむため秋田では漬物にされることが多いのですが、漬け方は漬物好きな秋田らしく梅しそ漬け、味噌漬け、酒粕漬けなど多数あるのが特徴的だと言えるでしょう。
お正月によく食べられるのは縁起の良い赤い色をした梅しそ漬けのため、ちょろぎの梅しそ漬けを用いたアレンジレシピのちょろぎ長芋をご紹介します。
材料(1人分)
- 長芋(50g)
- ちょろぎ(適量)
- 生わかめ(50g)
- かつおぶし(少々)
- ポン酢(少々)
作り方
- 長芋の皮をむき、短冊切りにする
- 生わかめを食べやすい大きさに切る
- ちょろぎを細かく刻む
- 長芋、生わかめ、ちょろぎを合わせてポン酢で味を調整する
- かつおぶしを散らして完成
ちょろぎは必ず味見をし、味の濃さに応じてポン酢やかつおぶしの量を調整するとよいでしょう。
長芋もちょろぎと同様食感が良いため箸休めとしてもおすすめですし、お正月に少しちょろぎが余ってしまった時にも作ることのできるレシピです。
まとめ
ちょろぎは秋田県の伝統野菜で塊茎と呼ばれる部分を漬物にして食べ、お正月のおせち料理にも使われる縁起物の野菜であることがわかりました。
秋田県に旅行に来た際は、ぜひさまざまな漬け方のちょろぎを食べ比べてみてください。