【福島県】「鍋の具材」にできる特産品をピックアップ! オリジナルの「ふくしま鍋」をつくろう!

海もあれば、山もある。荒々しい海風も、静寂を塗り込んだ森林も、ずしりと覆いかぶさる雪も、やさしくせせらぐ川音も、すべてがある「福島県」。厳しい自然をのりきるために、人々が生んだ豊かな食文化は、数々の「特産品」をつくりました。

そこで今回は、鍋物の具材としても使える福島県の特産品をピックアップ!おひとりで、ご家族で、ご友人同士で、ぜひ「ふくしま感」のある鍋をお楽しみください。


【長ネギ】郡山市「阿久津曲がりねぎ」

阿久津曲がりねぎ

福島県郡山市の阿久津地区で、明治時代から作り続けられているのが「阿久津曲がりねぎ」です。ねぎの白い部分が大きくしなっており、甘みのある味とやわらかな食感が特徴になります。

なぜ、ねぎが曲がっているのか?これは品種によるものではなく、栽培過程でわざと曲げているからです。白い部分が多いねぎをつくるために、ねぎを栽培の途中で寝かせ、地中で育つ部分を確保します。ねぎを寝かせるには、栽培途中でねぎを一度土から引き抜き、斜め45度に植え直すそうです。この作業を「やとい」といいます。やといが行われるのは、ちょうど真夏の頃で、曲がりねぎ農家のみなさんは汗だくになりながら作業にあたります。丹精込めて育てられた曲がりねぎが収穫・出荷されるのは、11月から2月にかけて。ちょうど鍋物のおいしい時期です。ぜひ熱々のお鍋にたっぷりと入れて、召し上がってみてはいかがでしょうか。


【厚揚げ】田村郡三春町「三角揚げ」

三春三角油揚

田村郡三春町の名物としても有名な三角揚げ。一見すると、「厚揚げ」だと思われるかもしれませんが、その正体はとても肉厚な「油揚げ」です。なぜ三角形にしたのかは、一説によると、かつての三春藩庁・三春城が、別名で舞鶴城と呼ばれていたことから、鶴の飛び立つ姿を模したのだとか。城下町だった三春町には、かつて多くの寺が存在し、精進料理に使われる豆腐や油揚げの生産が盛んだったそうです。

油揚げである三角揚げは、焼けば表面がカリっとなるため、地元では香ばしく焼いて味噌をのせて食べるのが最もポピュラーな食べ方です。一方で、煮れば煮汁をたっぷり含み、ジューシーさを楽しめます。肉厚だからこそ、間に具材を挟む込むのもアリです。

三春三角揚げは複数メーカーから販売されていますが、その一つの「おおはたや」では、豆腐や豆腐加工品の販売のほか、豆腐カツなどの創作料理が楽しめるカフェも営業していますので、こちらもおすすめです。

おおはたや<Information>

  • 名称:TO-FU Cafe おおはたや
  • 住所:福島県田村郡三春町西方字石畑253番地
  • 電話:0247-62-3309
  • URL:http://www.oohataya.com/

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【こんにゃく】矢祭町

こんにゃく

福島県南の東白川郡矢祭町は、かつて「こんにゃくの里」と呼ばれた歴史があります。こんにゃく芋を栽培する畑も多く、各家庭の食卓に手作りこんにゃくが並ぶことが常だったといいます。しかし栽培コストが低い改良品種が市場に出回るようになると、矢祭町でも栽培されていた在来種のこんにゃく芋は徐々に押され、こんにゃく芋農家も姿を消していってしまったそうです。

そこで矢祭町では現在、地域の消えつつある食文化を次世代へ受け継ぐために、矢祭町産こんにゃくのブランド拡大に力を注いでいます。在来種のこんにゃく芋を原料としたこんにゃくは、しっかりとした弾力があり、こんにゃく芋の風味がしっかりと残っているのが特徴です。

白河市でこんにゃくの製造・販売を行っている大島屋蒟蒻店では、矢祭町の在来種「和玉」のみを使用したこんにゃくを製造し、商品化しています。薄くスライスして鍋物に加えれば、ヘルシーかつ満足感アップが叶います。もちろん、おでんも最高!

大島屋蒟蒻店<Information>

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【あんこう】いわき市

あんこう

港町いわきの冬の味覚といえば、あんこう鍋が有名です。あんこうの身は濃厚なうま味をもち、コラーゲンをたっぷりと含んでいます。中でも常磐の海であがったあんこうは「常磐もの」と呼ばれ、古くから市場で高い評価を得ています。旬となる冬は、脂の乗り具合はバツグンだそうです。あんこうは「歯以外は捨てるところがない魚」と言われています。刺身、から揚げ、共酢など、様々な料理で楽しまれています。中でも、肝にはうま味が凝縮しており、あんこう鍋の味の決め手ともなるそうです。

一見、調理の難易度が高そうなあんこうですが、簡単に自宅であんこう鍋を楽しめるセットも売られています。いわき市の老舗鮮魚店「株式会社おのざき」のオンラインストアなどで、お取り寄せ可能です。

株式会社おのざき<Information>

  • 名称:株式会社おのざき
  • 住所:福島県いわき市平鎌田町38
  • URL:https://onozaki.net/

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【鶏肉】会津地方「会津地鶏」

福島県の西部、会津地方は豪雪地帯も多くあるほどの雪深い地域です。その会津地方で、地鶏が飼育され始めたのが500年以上前。初めは観賞用として飼われていたらしく、黒く長い尾羽は郷土芸能「会津彼岸獅子」のお面にも使われていました。元々飼育されていた地鶏は、体が小さく、飼育者も少なくなったことから、一度は絶滅の危機に瀕したそうです。その後、福島県養鶏試験場が品種改良に取り組み、大型化と産卵能力を向上させたのが、現在の会津地鶏です。

会津地鶏の特徴は、赤身が多く、肉のコクとうま味が強いことです。会津地鶏の飼育は、自由に動き回れる環境下で、通常のブロイラー種の2~3倍の日数をかけて行われます。そのため、しっかりとした肉質となり、おいしさが凝縮されるそうです。肉のたっぷりと旨みが溶け出すため、会津地鶏を使用した鍋物は絶品。ぜひ会津が守ってきた地鶏のうま味を堪能してみてください。


鍋で楽しめる福島県の特産品を紹介

今回は鍋物の具材として楽しめる、福島県の特産品を紹介しました。

福島の自然のうま味をぎゅっと濃縮した素材は、どれも個性的。鍋物であれば、おひとりでも、ご家族でも、ご友人同士でも、気軽に楽しめますので、ぜひお試しください。


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