【福島・山形】福島県・山形県を快走! 新登場の観光列車「SATONO」

2024年4月に南東北地方でデビューしたばかりの「SATONO」という観光列車があります。
今回の記事では、この新しい観光列車の運行区間や運行日、乗り方や沿線の観光スポットなどをご紹介します。


「SATONO」とは

「SATONO」とは2024年4月にデビューしたばかりの、JR東日本の観光列車の愛称です。
愛称の由来は、「郷の」景色・香り・文化などを、列車度で楽しんでほしいという想いからつけられています。

SATONOは2024年6月現在、2種類の列車への投入が予定されています。
1つは福島県の磐越西線の郡山駅~喜多方駅間で運行される「あいづSATONO」、
もう1つは山形県の左沢(あてらざわ)線の山形駅~左沢駅間で運行される「さくらんぼSATONO」です。
後述しますが、運転される日数はあいづSATONOの方が多く、こちらがSATONOのメインの活躍の場となります。

SATONOに乗ると、南東北の豊かな自然や季節を、大きな窓から眺めることができます。
また、沿線の伝統料理やご当地料理や地酒を事前に注文して、車内で受け取れるサービスも提供されています。
福島県・山形県の鉄道の旅を、より楽しいものにしてくれる列車といえるでしょう。


SATONOに乗るには?

あいづSATONOの運行時刻・運行日

あいづSATONOの運行時刻・運行日をご紹介します(2024年6月時点での情報です)。

・郡山発-喜多方行き
郡山10:05発 → 磐梯熱海10:39着10:42発 → 猪苗代11:07着11:08発 → 会津若松11:40着11:45発 → 喜多方12:01着

・喜多方発-郡山行き
喜多方15:32発 → 会津若松15:53着15:58発 → 猪苗代16:30着16:31発 → 磐梯熱海17:02着17:03発 → 郡山17:16着

運行日は原則として土曜・日曜・祝祭日のみです
大型連休やお盆の時期であっても、平日には運行されていません。
また、2024年6月15日~6月30日の期間は、後述するさくらんぼSATONOの運行日となっているので、あいづSATONOは運休です。
乗車を検討する際には、公式サイトなどで必ず運行情報を確認しましょう。

さくらんぼSATONOの運行時刻・運行日

さくらんぼSATONOの運転時刻・運転日をご紹介します(2024年6月時点での情報です)。

・山形発-左沢行き
山形11:15発 → 北山形11:20着11:20発 → 羽前山辺11:27着11:28発 → 羽前長崎11:33着11:33発 → 寒河江11:39着11:50発 → 左沢12:02着

・左沢発-山形行き
左沢発14:06 → 寒河江14:17着14:21発 → 羽前長崎14:26着14:27発 → 羽前山辺14:32着14:34発 → 北山形14:42着14:42発 → 山形14:47着

2024年6月時点で出ている情報によると、運行日は6月15日から30日までの間の土日のみとなっています
山形県のさくらんぼ狩りのシーズンに合わせて設定されたものと思われます。

きっぷの購入方法

あいづSATONOやさくらんぼSATONOは、1号車が座席指定のグリーン席、2号車が指定席になっており、乗車券だけでの乗車はできません
別途指定席券が必要です。
指定席券はJRの駅の「みどりの窓口」や「指定席券売機」、JR東日本のネット予約サービスの「えきねっと」、主な「旅行会社」などで、原則として乗車日の1か月前から購入することができます。

指定席券の料金は、1号車のグリーン席(ボックス席がメイン)が2,000円で、2号車の指定席(リクライニング席)が840円です。
※JR東日本の公式サイトには「乗車区間が151キロ以上の場合はグリーン席料金が、3,000円になります」と書かれていますが、現時点ではSATONOに乗車することで乗車区間が151キロ以上となることはありません。

乗車券は、郡山駅~喜多方駅間を乗車する場合で1,520円(紙のきっぷの場合)、山形駅~左沢駅間を乗車する場合で510円です。

「あいづSATONO」や「さくらんぼSATONO」は快速列車なので、特急列車への乗車が認められていない企画乗車券等であっても、指定席券を別途購入すれば乗車することができます。
また、旅行会社でこれらの列車への乗車が含まれている旅行商品が発売されることがあります。

座席について

SATONOは2両編成で、郡山側の先頭車である1号車は、ボックスシートを中心としたグリーン車です。
ボックスシートには、車内で食事を楽しむためのテーブルが備え付けられています。
お弁当に舌鼓をうつのはいかがでしょうか。
運転席の後方には、前方の景色を楽しめるスペースや、南側を向いて座り猪苗代湖をじっくり眺められるようなスペースが備えられています。

喜多方側の先頭車である2号車は、リクライニングシートの普通車です。
2号車でも1号車と同様に、大きな窓から南東北の郷の景色を楽しめます。

※列車の進行方向は、会津若松駅~喜多方駅間では逆向きになります。

SATONOの車両

HB-E300系「SATONO」
著作者:舌平目 – 投稿者自身による著作物, CC0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=147225649による

SATONOの車両はHB-E300系というもので、車両に搭載されているディーゼル発電機とバッテリーで走行するハイブリッド車両です。

1号車の車体色は、郷・山・森の緑や、めぶき、わかばといった常磐色をイメージした、若葉色と深い緑色のグラデーションとなっています。
2号車の車体色は空の青、川のせせらぎ、海、雪化粧をイメージした水色と濃い青色のグラデーションとなっています。
両車両に共通する黄色の帯は、木漏れ日と水面に反射する光を表したものです。

リゾートあすなろ

この車両は、SATONOに転用される前は「リゾートあすなろ」という愛称がつけられていて、北東北を走っていました。
2023年8月をもって「リゾートあすなろ」の運転は終了し、リゾートあすなろに使用されていた2本の編成は「ひなび(陽旅)」および「SATONO」へ改造されました。
なお、ひなび(陽旅)はSATONOよりも一足早く2023年12月から、岩手県・青森県内で臨時列車として運行されています。

車内で飲食も楽しめる

SATONOで楽しめるのは景色だけではありません。
運行区間ごとの伝統料理やご当地料理、地酒を事前に注文し、車内でアテンダントから受け取ることができます。
注文には事前予約サービスの「うけとりっぷ」を利用してください。


磐越西線沿線のおすすめスポット

あいづSATONOが運行されている磐越西線の沿線にある観光スポットから、いくつかを紹介します。

猪苗代地ビール館

猪苗代地ビール館は、猪苗代駅からバスで10分(野口英世記念館前で下車)、またはタクシーで6分ほどの場所にあります。
磐梯山の名水と、厳選されたドイツの麦とホップで作られる、本格的な味わいの地ビールが提供されています。
2階のビアレストランで、磐梯山を眺めながら、地ビールに合うオリジナルソーセージも堪能できるのです。

Information

  • 名称 猪苗代地ビール館
  • 所在地 福島県耶麻郡猪苗代町大字三ツ和字村東85
  • 営業時刻 9:20~17:00(季節により変動、要問合せ)、食事は11:00~
  • 定休日 (要問い合わせ)
  • お問い合わせ番号 0242-63-2177
  • URL inawashirojibeer.com

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鶴ヶ城

鶴ヶ城は、会津若松駅からまちなか周遊バス「ハイカラさん」で20分(鶴ヶ城入口下車)の場所にあります。
文禄2年(1953年)に、蒲生氏郷が東日本では初の本格的な天守閣を建てた際に、鶴ヶ城と命名されました。
戊辰戦争では、1か月にも及ぶ新政府軍の猛攻に耐え、難攻不落の名城として知られるようになりました。
現在の天守閣は昭和中期に復元されたものですが、2011年に屋根瓦が幕末当時と同じ赤瓦にふき替えられて、名城の威容を今に伝えています。

Information

  • 名称 鶴ヶ城
  • 所在地 福島県会津若松市追手町1-1
  • 営業時刻 8:30~17:00(入場は16:30まで)
  • 定休日 無休
  • お問い合わせ番号 0242-27-4005(鶴ヶ城) 0242-23-8000(観光情報)
  • URL 鶴ヶ城 (会津若松城)トップページ

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新宮熊野神社

新宮熊野神社は、喜多方駅から車で10分ほどの場所にあります。
天喜3年(1055年)に源頼義が勧請したとされる古い神社です。
拝殿として建てられた長床は、44本の太い柱が等間隔に5列並び、周りには壁や扉のないという吹き抜けの構造です。
長床の前には、樹齢800年ともいわれる大きなイチョウの木があり、11月中旬から下旬にはライトアップが行われて、紅葉の名所にもなっています。

併設の熊野神社宝物殿には国や県の指定文化財が数多く保存されていて、拝観も可能です。
ただし「木造文殊菩薩騎獅像」は、修復作業のため2025年4月までは見学不可です。

Information

  • 名称 新宮熊野神社
  • 所在地 福島県喜多方市慶徳町新宮字熊野2258
  • お問い合わせ番号 0241-23-0775
  • URL 新宮熊野神社長床

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あいづSATONOの前任? 「フルーティアふくしま」

フルーティアふくしま

磐越西線で運行される「あいづSATONO」には、前任といえる列車がありました。
フルーティアふくしま」という列車です。

719系という電車を使用した「走るカフェ」をコンセプトとした列車でした。
車内では福島県産フルーツを使用したスイーツやジュースが提供されていました。
くだもの王国とも呼ばれる福島県を走るのにふさわしい観光列車だったのです。

フルーティアふくしまは、2015年に行われた福島ディスティネーションキャンペーンに合わせて運行を開始しました。
しかし平成時代初期に製造された719系電車は老朽化したため、2023年12月に最後の運行を迎えました。
この後を継ぐことになったのがあいづSATONOというわけです。


まとめ

のってたのしい」がコンセプトの観光列車は、旅行の際の単なる移動手段として活用できるだけにとどまらず、雄大な景色が広がる車窓を楽しみ、車内で地元のグルメを堪能することもできます。
南東北へお出かけの際にはSATONOでの旅を、ぜひ選択肢の1つに入れていただきたいと思います。


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