【福島県福島市】福島県福島市の夏の風物詩!日本一の大わらじに込める願いとは
福島県福島市の夏の風物詩「福島わらじまつり」についてご紹介します。福島わらじまつりは、長さ12mにもなる大わらじを担いだ男衆たちが町を練り歩きながら、信夫山の羽黒神社へ奉納しに行くまつりです。
このユニークなまつりは、実は昭和の時代から始まったもの。まつりの起源や込められている願いなど、福島わらじまつりの背景をこの記事で紹介していきます。
まもなく福島わらじまつりの季節。現地に行く前にまつりの背景を知れば、もっとまつりが好きになるはず。ぜひ最後までご覧ください。
福島わらじまつりは何故はじまったの?
福島県福島市で行われる夏の風物詩「福島わらじまつり」は、昭和の時代から始まった比較的新しいまつりです。このまつりは、毎年2月に行われる冬の神事「信夫三山暁まいり」と対を成すかたちで始められました。
暁まいりとは、江戸時代に始まったとされる神事です。福島市の市街地に隣接する信夫山の三峰、「羽山」「羽黒山」「熊野山」を祀る山岳信仰の一環として行われます。
暁まいりでは、健脚を願って日本一の大わらじを奉納します。江戸時代は旅は歩きが当たり前の時代でしたので、長旅に出かける人々の健脚と旅の安全はぜひ叶えたいものでした。昔は羽黒神社に仁王門があったのですが、そこに安置されていた仁王様の足に合うほどの立派な大わらじを奉納して、旅の無事を祈ったのが始まりと言われています。
現代の暁まいりでは、健脚のみでなく、無病息災・五穀豊穣・家内安全・商売繁盛の願いが込められています。
そして暁まいりと対をなす形で、1970年より始まったのが福島わらじまつりです。大わらじの伝統を守るためと短い夏を市民みんなで楽しむための行事として、福島市と福島商工会議所により始められました。
福島わらじまつりでも、羽黒神社へ大わらじが奉納されます。それは暁まいりと福島わらじまつりで奉納されるわらじが合わせて両足分となることで、一層の健脚を祈願しているそうです。
日本一の大わらじとは
暁まいりと福島わらじまつりで奉納される大わらじは長さ12m、幅1.4m、重さ約2tにも上る巨大なものです。この大わらじは御山敬神会によって制作され、伝統を守り続けられています。
大わらじ1つの制作には、2千束ほどの稲わらが必要。そのため、前年の稲作が落ち着いた頃から、大量の稲わらの確保といった準備が始まります。
秋に収穫の時期を終えた稲わらを乾燥させ、わらを叩いて柔らかくする「わら打ち」、わらの余分な袴部分を取り除く「わらすぐり」など手間暇かかる作業を年末までに終わらせます。
福島の大切な伝統行事は、後世に歴史をつなぐために懸命に働きかけてくれている方々のおかげで守られているのです。
福島わらじまつりの内容とは
福島わらじまつりは、大わらじの奉納だけではなく、歌と踊りを楽しむ夏まつりです。
まつりの期間中は、福島東口駅前の大きな道路を通行止めにして、まつり会場を確保します。そこを大わらじが通る他、YOSAKOIや地元有志チームなどによるダンス・パレードが開催。見るだけじゃなく、沿道の参加者全員が楽しめる仕掛けも目白押しです。
また例年は福島駅前の飲食店をはじめとした、様々な露店が出店されるので、町全体が活気あふれる様子となります。
暑い夏を盛り上げる、まつりの熱気を是非楽しんでみてください。
まとめ
今回は福島県福島市で行われる有名夏まつり「福島わらじまつり」をご紹介しました。
まつりの背景に込められたのは、人々の息災に過ごしたいという願い。旅を安全に終えられますように、無病息災で暮らせますように、と現代にも通じる願いも多いのではないでしょうか。
また福島わらじまつりは見るだけじゃなく、沿道の観客も楽しめる参加型イベントとしての側面も。ぜひ東北の短い夏の思い出に、訪れてみてはいかがでしょうか。