【岩手県紫波郡紫波町】日本三大稲荷にも数えられる志和稲荷神社は、岩手県有数のパワースポット!
目次
岩手県には盛岡八幡宮をはじめとするパワースポットが数ありますが、その中でも一、二を争うとして注目されているのが「日本三大稲荷」に数えられることもある志和稲荷(しわいなり)神社です。
近隣に祭神が異なる志和古稲荷(しわふるいなり)神社があるので混同されることが多いですが、南部藩がこの両方の稲荷神社に手厚く寄進して大切に祀られていました。
志和稲荷神社は「志和のおいなりさん」として、とくに厄年祓や合格祈願に交通安全などに霊験あらたかとされています。
志和稲荷神社はどこにあるの?
盛岡市中心部から車で県道162号(紫波雫石線)を南に30分ほど走った、紫波町升沢地区の西部山麓を流れる滝名川左岸に鎮座しています。滝名川源流の山麓にある社殿の周囲には杉の古木が立ち並び、その厳かな雰囲気は岩手県随一のパワースポットとされるに相応しいたたずまいです。
志和稲荷神社手前の県道近くに志和古稲荷神社があるので間違えやすいですが、南側にある側道に建つ「東北一の大鳥居」が志和稲荷神社に詣でる際の目印です。
志和稲荷神社の歴史はかの「前九年の役」から始まった
平安時代後期の前九年の役で、源頼義(みなもとのよりよし)が天喜5年(1057年)に紫波町内の陣ケ岡に布陣した際、戦勝祈願のために伏見稲荷神社の分霊を祀ったのが始まりとされています。室町時代にはこの地を支配した斯波氏から崇敬され、さらにそれに代わった南部氏からも一族の祈願所として長く崇拝されてきました。
明治時代には神社の格を表す「旧社格」において上位にあたる「県社」とされ、太平洋戦争後は神社本庁の「別表神社」として盛岡八幡宮とともに高い格式の神社とされています。
志和稲荷神社の三柱の御祭神
志和稲荷神社では次の三柱のご祭神が祀られています。
宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)
伏見稲荷大社の主祭神であり、全国で稲荷神(お稲荷さん)として広く信仰されています。かつては穀物の神でしたが今ではそれだけでなく農業の神、あるいは商工業の神としても信仰されていて、工場の敷地内などのほか、ビルやデパートの屋上などでも多く祀られている神様です。
猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)
ヤマト朝廷の始まりとされる「天孫降臨」の際に道案内をしたとされていることから、道の神、旅人の神として信仰を集めていて道祖神として扱われることもある神様です。交通安全や旅行の安全を守ってくれる神様で、祭礼などでは赤い面の鼻が長い天狗の面を被って、高下駄や鉾などの衣装を身に付けた猿田彦役が神輿を先導することがあります。
大宮能売大神(おおみやのめのおおかみ)
天宇受売命(あまのうずめのみこと)とも呼ばれ、猿田彦大神とは夫婦とされ一緒に祀られることが多いです。天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れた際に、その岩戸の前で舞って天照大神の注意を引いて岩戸を開かせたとされています。
そのことから芸能・技芸上達の神様とされているほか、接客業の守護神や家内の安全と和合の神様としても信仰されています。
志和稲荷神社のご利益は?
家内安全・交通安全・商売繁盛・五穀豊穰・大漁満足・職場安全・学業成就・厄年祓・旅行安全・開運招福などが挙げられていて、ほかの「おいなりさん」と同様に生活全般のあらゆる願いにご利益をいただけます。
さまざまな願いに応えていただける神様であることが、「おいなりさん」信仰が日本各地に広まった背景なのかもしれませんね。
志和稲荷神社にお参りしてきました!
県道162号から滝名川沿いの脇道に入ると、「東北一の大鳥居」とされる大きな赤い鳥居に迎えられます。
参道の石の大鳥居の両側に「耳欠け狐」が鎮座していますが、その昔この辺は「水分」という地名に残るほど農民同士の水争いが激しく、その巻き添えで2匹とも耳が欠けてしまったそうです。
参道の右にある神楽殿の前を過ぎて鳥居を3つ潜ると、左手にお守りや御朱印の授与所(社務所)があり、正面に手と口を清める手水社があります。
右手にある本殿前の鳥居手前の右側にあるのは「御新馬社」と、中風除けの「中風除寿命神社」です。ここで言う中風とは脳卒中の後遺症を指していて、今も昔も突然起こる脳卒中は怖い病気だったのでしょう。
拝殿前の鳥居には「藤の輪」が常設されていますが、6月30日の夏越大祓には「茅の輪」も設置され、この時だけは2つの輪が置かれます。
その「藤の輪」を今年上半期の無病息災を祈りながら左~右~左と3度くぐり、石段を上った先に拝殿があります。
拝殿の右側には十二支社が並んでいて、それぞれに干支の守り狐が祀られています。自分の干支の守り狐(亥年)を参拝してから拝殿の裏手に回ってみました。
拝殿前にある「銭撫獅子」には「金運を授かるように、オサツで撫でましょう」と書かれていて、お札で中にある獅子の頭を撫でると金運が上るそうですよ。
社殿の裏側には一言の願いを叶えてくれる「一言主社」とお供え物をする「御室」があり、さらに山手にあるのが、赤い鳥居が立ち並び「山祇社」と「御神木」に続く「稲荷山参道」です。
この樹齢1,200年とされる御神木には周囲の杉たちを従えるかのような圧倒的な存在感があり、杉の根本には4体の狐の石像が置かれていて御神木を守っているかのようです。
「御神木」への道にはたくさんの神様を祀る柱が立てられています。それらの神様の中からお願いを叶えてくれる神様を選んでお参りをすることができます。
さらに社殿境内には車で直接前まで入れてお祓いを受けることができる「自動車祓殿」があります。志和稲荷神社での交通安全の祈祷はご利益があるとして評判です。
INFORMATION
- 名称:志和稲荷神社
- 所在地:岩手県紫波郡紫波町升沢前平17-1
- 電話番号:019-673-7608
- URL:志和稲荷神社公式サイト
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隣のもう一つのお稲荷さん、志和古稲荷神社(しわふるいなりじんじゃ)
志和古稲荷神社では、昭和29年(1954年)の台風で倒された御神木の根元の空洞から、神様にお仕えする御眷属である白キツネのミイラが出現したとして本殿前に祀られています。
その事があってか、京都伏見稲荷が舞台のアニメ「いなり、こんこん、恋いろは」の中で全国の稲荷神社のうちの一つとして志和古稲荷神社が紹介されていて、アニメの聖地の一つとされているようです。
INFORMATION
- 名称:志和古稲荷神社
- 所在地:岩手県紫波郡紫波町升沢小森108
- 電話番号:019-673-7903
- URL:志和古稲荷神社公式サイト
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まとめ
志和稲荷神社は市街地から外れた片田舎にある小規模なお稲荷さんですが、境内には例えようのないパワースポットとしてのオーラを感じることができます。御神木だけでなく、紫波町指定天然記念物の樹齢約630年と約150年の「親子杉」や、「夫婦杉」と呼ばれる杉の巨木が林立しているさまは正に御神域に相応しい景色です。そして、お隣にある志和古稲荷神社もまた同じ稲荷神社でありながら、違うオーラが感じられるパワースポットです。
この隣接する2つの稲荷神社を、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。