中新田打刃物 自動車廃材アップサイクル包丁

【宮城県】トヨタ自動車が取り組む新たな価値創造!自動車廃材が伝統工芸品に生まれ変わる?

日本を代表する一流企業、トヨタ自動車。

大衡村に巨大工場を有し、ここから「宮城県産」の自動車が日本中に出荷されていることは多くの宮城県民の知るところですが、そんなトヨタ自動車が宮城県と共同で、自動車廃材を地域の伝統工芸品に生まれ変わらせる面白い取り組みを始めたのをご存じですか?


「ジオロジカルデザイン」と名付けられた新しい取り組み

トヨタ社内の構造デザインスタジオが取り組む「捨てるところのないクルマづくり」。

鉄などの資源の使用量削減や、リサイクルしやすい構造を実現する中で、それでもクルマの原料や材料にリサイクルできない素材が発生します。

そんな素材に付加価値をつけ、新たな製品や作品へ生まれ変わらせるアップサイクルの仕組みづくりと仲間づくり。その活動全体が「Geological Design(ジオロジカルデザイン)」と名付けられています。


自動車廃材の鉄が包丁に

宮城県加美郡加美町の石川刃物製作所。こちらでは自動車の鉄端材を利用した「黒打の三徳包丁」が製作されました。

宮城県加美郡加美町(旧:中新田町)生まれである中新田打刃物は、江戸時代の寛文年間(1661~1673年)に仙台藩の刃物鍛冶が中新田で鎌を作ったのが始まりとされている伝統工芸品で、今回製作を担当した石川刃物製作所の4代目である石川美智雄さんは、加美町で最後の鍛冶屋だそうです。

石川刃物製作所 石川美智雄氏
石川刃物製作所 石川美智雄氏

石川刃物製作所の作品は海外で非常に人気で、五カ所ある海外の販売代理店では非常に高額で取引されています。

中新田打刃物 自動車廃材アップサイクル包丁
中新田打刃物 自動車廃材アップサイクル包丁

今回製作された「中新田打刃物 自動車廃材アップサイクル包丁」は、本来刃物製作に使用する鋼材とは全く異なる素材のため、鍛造する工程で温度も叩く力加減もすべて変える必要があり、1か月半ほどの試作を繰り返して生み出された作品です。

石川刃物製作所<Information>

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自動車廃材のガラスがグラス等のガラス製品に

仙台市太白区秋保町にある海馬ガラス工房。1996年に村山耕二さんが設立したガラス工房で、シンプルな器をはじめ、オブジェや照明ガラス素材の研究、その他さまざまな造形物の企画・デザイン・制作と、幅広い創作活動をされています。

こちらでは自動車廃ガラス(サイドガラス)を利用したグラス等のガラス製品が製作されました。

海馬ガラス工房 村山耕二氏
海馬ガラス工房 村山耕二氏

自然物である砂・岩石等をガラス化して行う従来の作品制作と違って、画一的な品質基準をもって造られた工業素材のガラスを素材として作品をつくるのは全く違う作業といってもいいのではないでしょうか。

自動車廃材アップサイクルガラス製品
自動車廃材アップサイクルガラス製品

今回製作された「自動車廃材アップサイクルガラス製品」は、約3ヶ月ほど試行錯誤を繰り返して生み出された作品とのこと。

海馬ガラス工房<Information>

  • 名  称:海馬ガラス工房
  • 住  所:〒982-0243 宮城県仙台市太白区秋保町長袋舘山原23−1
  • 公式URL:https://kaiba.org/

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まとめ

工業製品を伝統工芸品に生まれ変わらせるという新しい取り組み。

トヨタ自動車 構造デザインスタジオ テーマプロデューサー 大學孝一さんのコメントによると、今後は宮城県に生産拠点を置くトヨタ自動車東日本株式会社から生じた自動車廃材を利用した、自動車廃材の地産地消の実現も検討しているそうです。

上記の2製品は、今後一般発売も検討されているそうなので気になる方は情報をフォローしてみてください!


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