
Photo by Timon.
博物館といえば、遺跡から発掘された出土品が丁寧に形を整えて展示してあるもの。
展示品を眺めながら当時の暮らしに想いを馳せる休日は、まさに大人の時間の使い方です。
とはいえ、博物館にある展示品はあくまで出土品に限られており、どのような場所で生活を送っていたのかまでは想像に頼るしかありません。
どうしても気になる方は遺跡に直接赴く必要があるでしょう。
しかし、遺跡が発掘されたときのまま展示・保存された世界的にも珍しい博物館が、ここ宮城県仙台市に存在するのです。
その博物館の名前は、『地底の森ミュージアム』。
一度聞いたら忘れられない一風変わった名前です。
今回は、そんな『地底の森ミュージアム』についてご紹介します!
発掘されたままの遺跡をそのまま展示!

Photo by Timon.
『地底の杜ミュージアム』は、発掘されたままの遺跡がそのまま展示されている博物館。
館内に入ると、あなたの目の前にはさっそく巨大な湿地帯の遺跡が姿を現します。
遺跡というと、東北では三内丸山遺跡が有名です。
これは縄文時代の遺跡で、住居群や倉庫群といった建物が集まる集落の跡地でした。
一方、『地底の杜ミュージアム』に展示してあるのは、旧石器時代のもの。
建物などは存在せず、ただ1日野宿をしたであろう焚き火の跡や、石器が散らばっているだけです。
そんなたった石器時代のたった1日の出来事が、そっくりそのまま現代に残っているなんて、驚愕しかありません。
では、どうしてたった1日の野宿の跡が、何千年も保存されていたのでしょうか。
その原因は、『地底の森ミュージアム』がある富沢が湿地帯であったからでしょう。
本来チリやホコリによって風化されてしまうはずだった焚き火の跡は、時間と共に湿地帯の泥によって完全密封状態にされてゆき、風化や酸化されることなく、ずっと地面の中で眠っていたのです。
悠久の時の流れに浪漫を観じずにはいられませんよね!
当時の生活を知る2階展示室
ミュージアム1階は、富沢遺跡をそのまま残した壮大な展示室でしたが、2階は一転して富沢遺跡で発掘された出土品から当時の生活を『富沢博士』と一緒に考察していける半体験型の展示室になっています。
『地底の森ミュージアム』のオリジナルキャラクター富沢博士が、発掘された焚き火跡や石器から、当時の人々がどのような狩猟生活を行っていたのかを解き明かしていきます。
クイズ形式になっているので、一緒に考えているような気分になれるのが特徴。
大人だけでなく子供も楽しめる構成になっているので、家族で訪れると楽しく歴史を学べますよ!
2万年前を再現!氷河期の森

Photo by Timon.
展示室を抜けると出口です。
しかし、旧石器時代への旅はまだまだ終わりません。
実は『地底の森ミュージアム』の庭は、当時富沢地区に生えていた草木を植えた庭園になっているのです!
その名も『氷河期の森』!
絶滅してしまったトミザワトウヒという樹木は再現できませんでしたが、よく似た樹木であるアカエゾマツで再現。
林、草原、湿地帯と当時富沢に広がっていた3つのゾーンを見ることができます。
約2万年前の風景をほとんどそのまま展示してあるといっても過言ではないでしょう。
水を飲みに来るシカの群れや、小高い所でたき火をする旧石器人など、当時のくらしを想像してみるのも楽しいですよ。
まとめ
『地底の森ミュージアム』は、2万年前の遺跡をそのまま展示した世界でも珍しい博物館。
当時の生活を知識として学んだり、当時の風景を体験として感じたりと、大人も子供も十分に満喫できる施設です。
2万年前から続く仙台の営みを感じたい方はぜひ行ってみてください!
INFORMATION
名称 | 地底の森ミュージアム |
所在地 | 宮城県 仙台市太白区長町南4丁目3− |
電話番号 | 022-246-9153 |
公式URL | http://www.sendai-c.ed.jp/~bunkazai/~chiteinomori/ |
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