納豆料理イメージ

東北の納豆文化がすごい!東北6県のユニークな納豆料理を紹介【納豆好き必見】

納豆といえば、朝食にそのまま食べるというイメージが強いかもしれませんが、東北地方ではひと味もふた味も違います。発酵食品文化が根付く東北では、納豆も地域の食文化として深く浸透しており、各県にはユニークなアレンジレシピがたくさん存在します。

この記事では、東北6県の納豆料理を紹介するとともに、他地域ではあまり見られない“ひきわり納豆文化”にも注目していきます。


なぜ東北の納豆文化は豊かなのか?

納豆

保存できる発酵食品だから

東北地方は冬の寒さが厳しく、かつては保存性の高い食品が重宝されていました。納豆は大豆を発酵させることで栄養価が高まり、保存もある程度きくため、家庭の常備食として親しまれてきました。味噌や漬物と同じく「発酵文化」のひとつとして、東北の食生活に深く根付いているのです。

納豆の種類とレシピが豊富

東北のスーパーを歩くと、納豆売り場の充実ぶりに驚かされます。地元メーカーの個性豊かな商品がずらりと並び、それぞれに工夫が凝らされています。そのおかげか、各家庭や地域ごとに異なる食べ方が代々受け継がれており、納豆が調味料や具材として幅広く使われているのも特徴です。シンプルながら個性的な食べ方が多く、納豆ひとつでその土地の文化を感じられるのが、東北の魅力の一つと言えるでしょう。


東北では“ひきわり納豆”が主流?その違いとは

ひきわり納豆

東北のスーパーでは、非常に細かく刻まれた“ひきわり納豆”が一般的に販売されています。特に発祥である秋田県で根強く愛されており、近県の青森県や山形県でもその人気は不動のもの。関東や関西では小粒・中粒の納豆が多く並んでいますが、東北では超極細のタイプが人気です。

このひきわり納豆は、料理に混ぜやすく、ネバりも控えめなため、家庭でのアレンジに向いています。とくに山形や青森では、漬物や他の食材と合わせて「和える」スタイルが主流で、その用途に合った納豆が求められてきた結果と考えられます。

県外ではなかなか手に入らないため、東北在住者が他地域で納豆を買った際に「粒が大きすぎて使いにくい」と感じることも多いようです。


東北6県のユニークな納豆料理を紹介

ちくわ納豆(青森県)

ちくわ納豆

青森県では、ちくわに納豆を詰めて揚げた「ちくわ納豆」が人気です。シンプルな家庭料理ながら、香ばしいちくわと納豆の相性が抜群で、おかずにもおつまみにもなる万能な一品。お弁当に入れても美味しく、家庭の定番料理として親しまれています。

筋子納豆(青森県)

筋子納豆

青森では、筋子と納豆をご飯にのせて一緒に混ぜて食べる「筋子納豆(太宰丼)」も根強い人気があります。かの有名な文豪、太宰治も愛した一品。しょっぱい筋子とまろやかな納豆が絶妙に合い、贅沢な味わいが楽しめます。写真では粒の納豆を使っていますが、ひきわり納豆を使うのが一般的。青森ならではの“ご飯に合う”組み合わせで、県外から訪れた人は驚くかもしれません。

納豆汁(秋田県・山形)

納豆汁

秋田の冬に欠かせないのが「納豆汁」。納豆をすり鉢ですってペースト状にし、根菜やきのこと一緒に味噌で煮込んだ温かい汁物です。納豆のコクが溶け込み、寒い日には体の芯から温まる郷土料理。ご飯にも合い、食卓に優しい味わいを添えてくれます。

納豆に砂糖を入れる(秋田県)

納豆の消費量が多い秋田県では、納豆に砂糖を加えて食べるというスタイルが人気。

とはいえ、若い人ではなくご年配の方が好んで食べる傾向があるそうです。砂糖をいれることで粘り気が増し、納豆本来の味が際立つそう。砂糖だけではなく醤油もいれることで、出汁醤油で仕上げたような濃厚な納豆に仕上がります。納豆好きはぜひ試してほしいアレンジですね。

最初は驚くかもしれませんが、甘じょっぱい風味が意外にクセになります。家庭によっては、醤油と一緒に混ぜて甘辛く仕上げることもあります。

漬物納豆(東北全域)

漬物納豆
漬物と黒豆納豆

東北では納豆に細かく刻んだ漬物を混ぜて食べる「漬物納豆」が一般的。とはいえ、茨城県や新潟県でも食べられているので、納豆と漬物を和える料理は全国的に見てもポピュラーなのかもしれません。

しょっぱさと発酵のうまみが合わさり、ご飯が何杯でも進む組み合わせです。使う漬物は大根やキュウリ、青菜など家庭によってさまざまで、それぞれの味わいが楽しめます。

ひっぱりうどん(山形県)

ひっぱりうどん

山形内陸部の定番料理が「ひっぱりうどん」。茹でたうどんに、納豆、サバ缶、ネギ、卵などを混ぜたタレで食べるスタイルです。冷蔵庫にある材料を活用できる手軽さと、納豆のうまみで飽きのこない味わいが魅力。名前の由来は、鍋から“ひっぱって”直接うどんをすくい取る食べ方から来ていると言われています。

キムチ納豆ラーメン(岩手)

キムチ納豆ラーメン

岩手県ではキムチと納豆をトッピングしたラーメンが大人気。発祥である柳家のキムチ納豆ラーメンは盛岡のソウルフードと言っても過言ではありません。納豆のまろやかさとキムチの辛味が合わさり、意外なほどスープとよく馴染みます。ボリューム感と発酵食品同士の相乗効果で、クセになる一杯に仕上がっています。


まとめ

東北地方は、納豆の魅力を最大限に引き出す独自の食文化を持っています。ちくわや筋子、漬物と組み合わせたり、汁物やラーメンに取り入れたりと、そのバリエーションは驚くほど豊富。さらに、“ひきわり納豆”に代表される地域特有の納豆スタイルも注目に値します。

納豆好きなら、一度は訪れてみたい東北。きっと、新たな納豆の楽しみ方が見つかるはずです。


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