【青森県】秘湯や名湯、ユニークな泉質で選ぶ青森県のおススメ温泉3選!

青森県には八甲田山や岩木山に恐山など火山が多くあり、県内のほぼ全域に温泉が点在しています。

泉質も多種にわたり、火山に近い温泉では硫黄の匂いの強いものや、海沿いの温泉では潮の香が漂うものなどさまざまです。

この記事ではそんな青森県の秘湯や名湯と呼ばれている温泉の中から、とくにおススメしたい泉質の温泉3ヶ所をご紹介します。

八甲田山の恵み「酸ヶ湯(すかゆ)」(青森市)

酸ヶ湯温泉全景 Wikipediaより

酸ヶ湯は八甲田山中にある一軒宿ですが、所在地の住所は面積の広い県都・青森市の南部です。

その歴史は江戸時代前期の1684年とされ、人里から離れた山間にあるにもかかわらず、その昔から湯治客が多く訪れていて、1954年(昭和29年)に「国民保養温泉地第1号」に指定されました。

湯もみ 酸ヶ湯 公式サイトより

泉質は、「酸性硫黄泉(含石膏・酸性硫化水素泉)」、「酸性・含鉄・アルミニウム・硫酸塩塩化物泉」など5つの源泉全が強酸性で、皮膚炎や傷の治療のほか筋肉痛・関節痛・疲労回復・冷え性など、幅広い効能があります。

160畳の大浴場「酸ヶ湯温泉旅館」

雪の酸ヶ湯 青森県観光情報サイトより

八甲田山の標高900mほどの高地にあり、4つの源泉を楽しめる300年以上の歴史を持つ温泉宿です。

160畳の大浴場の天井は5mの高さがあるのに柱が一本もないため見とおしが良く、天井裏にはイワツバメが巣を作っていて雪がない季節には飛び交う姿が見られます。

ヒバ千人風呂 酸ヶ湯 公式サイトより

大浴場には5つの浴槽があり、その中で最大なのは総ヒバ造りの「ヒバ千人風呂」と呼ばれるもので、伝統的に混浴ですが、女性専用時間帯(午前8時〜9時、午後8時〜9時)が設定されているので安心です。

また、女性用の湯あみ着が売店で販売されているので、混浴時間帯にはその利用をおすすめします。

旅館棟の和室 酸ヶ湯 公式サイトより

客室は139室あって、旅館棟はトイレ付でベッドの洋室や和室が用意されていて、湯治棟にトイレ共用の長期滞在用のリーズナブルな和室もあり、目的に合わせて選べます。

旅館食の夕食 酸ヶ湯 公式サイトより

食事はちょっとぜいたくな旅館食と日替わりの湯治食があり、食事処には小広間や個室などもあります。


酸ヶ湯温泉旅館<Information>

  • 施設名:酸ヶ湯温泉旅館
  • 所在地:青森県青森市荒川南荒川山 国有林酸湯沢50番地
  • 電話番号:017-738-6400
  • URL:酸ヶ湯 公式サイト

Google Map


下北半島に湧く3種の源泉「下風呂温泉郷」(下北郡風間浦村)

下風呂温泉の全景 青森県観光情報サイトより

これらの源泉の効能は文豪の井上靖氏が感激して、この地で入浴しながら執筆した小説「海峡」の中で「ああ、湯が滲みて来る。」と書き表したほど強く、3源泉の泉質は次の通りです。

  • 大湯系:「酸性・含硫酸-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉」、白濁した濁り湯
  • 新湯:「含硫黄-ナトリウム-塩化物泉」、ほぼ無色透明
  • 浜湯系:「ホウ酸-含硫黄-ナトリウム・カルシウ-塩化物泉」ミルキーブルーでトロトロ
青森県観光情報サイトより

大湯はさらに3つ、浜湯も2つの源泉があり、それぞれ微妙に泉質が違うため正確には6つの源泉があると言えますが、いずれも酸性の硫化水素型で硫黄臭が強いお湯です。
効能は慢性皮膚病・切り傷・やけど・慢性婦人病・糖尿病・動脈硬化症・筋肉痛・関節痛・消化器疾患などがあります。

全室オーシャンビューで津軽海峡の絶景が広がる「下風呂観光ホテル 三浦屋」

三浦屋 公式サイトより

湯治場としての歴史が室町時代までさかのぼる、由緒あるこちらの宿では浜湯系の源泉が2つの露天風呂にかけ流されています。

露天風呂 三浦屋 公式サイトより

同じく2つある内風呂は放射元素を含む天然鉱石の光明石が使われた人工温泉ですが、露天風呂の強い源泉の刺激を受けた身体を休めるのにちょうど良いお湯です。

和室 青森県下北半島・風間浦村観光ポータルサイトより

窓の外に津軽海峡と遠くに北海道を望むお部屋は、落ち着いた和室とベッドのある和洋室があり、全室に温水洗浄機便座のトイレとバスが付いています。

大間鮪膳プラン 三浦屋 公式サイトより

食事は旬に合わせてアンコウ・大間のマグロ・黒アワビなど地元の新鮮な魚介を中心に献立が組まれ、朝食にも活イカ刺しやホタテの味噌貝焼きなどが用意され、朝から一杯飲みたくなってしまいます。


下風呂観光ホテル 三浦屋<Information>

Google Map


全国的人気の山間の秘湯「古遠部(ふるとうべ)温泉」(平川市)

古遠部温泉旅館の内湯 Wikipediaより

青森の碇ケ関温泉からさらに秋田よりの県境の山間にあるこの温泉は、地元で愛されて来た湯治場で温泉マニアの間では以前から人気が高く、全国から秘湯ファンが訪れます。

1975年に黒鉱(亜鉛鉱や黄銅鉱など)採掘のためのボーリングによって自噴した源泉は、毎分500リットルと湧出量が豊富で、加水と加温なしの源泉かけ流しです。

平川市観光協会 公式サイトより

飲泉も可能な自噴源泉はやや緑がかった透明で金属臭があり、その泉質は「ナトリウム・カルシウム塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉」とされ、炭酸成分が強く肌にじわじわと染みる感じがあります。

湯温は42℃と、熱すぎずぬるすぎずの適温です。

「トド寝」が気持ち良い「古遠部温泉旅館」

古遠部温泉旅館 平川市観光協会 公式サイトより

携帯電話の電波が届かない宿内には男女別の小さ目の内風呂が一つずつしかありませんが、どちらの湯船にも豊富な源泉が盛大にかけ流されていて、浴槽の外の床でも深さが3cmあって波立つほどです。

古遠部温泉の堆積物 Wikipediaより(File:Furutoube.spadome.jpg 撮影者:ブルーノ・プラス)

また、宿の裏側にかけ流された源泉が排水されていますが、そこには湯の花が固まった黄土色の巨大な析出岩があり、この源泉の成分の濃さを物語っています。

トド寝ができる浴室の床 平川市観光協会 公式サイトより

トド寝とは浴槽周りの床に寝転がって、このあふれ出したお湯に浸かることで、お湯の流れる音を聴きながらリラックスできますが、入浴客が多い時はできないのでご注意ください。

実はこちらの宿は、前の社長さんが高齢などの理由で廃業を決意したのですが、それを惜しんだ常連客が2023年8月に事業を継承して10月から宿泊ができるようになり、現在は食事も提供しています。

なお、客室が8室の宿の周囲にはほかに何もないため、宿泊の際は予約必須です。

古遠部温泉<Information>

Google Map


まとめ

青森県は環境省の令和3年度(2021年度)の調査で温泉地数124と全国5位(東北2位)の温泉県です。

それら数ある温泉地の中から、他県ではあまり類をみない泉質の源泉を3つ選んでみました。

いずれも成分が濃く効能効果が高い源泉ですが、それだけ成分が濃く強いお湯なので、身体に良いからと長時間入浴し続けるとかえって体調を崩すことになりかねません。

入浴の際はあまり長湯せず、こまめに上って休憩してからまた入るようにして、無理なく楽しみましょう。


関連記事:その他地域の温泉


その他の記事