【青森県大鰐町】温泉熱で作る伝統野菜「大鰐もやし」の魅力やおすすめレシピ、どこで買えるのか紹介
目次
青森県大鰐町で育てられる「大鰐もやし」をご存じでしょうか?細くて長い豆もやしなのですが、見た目もさることながら味も別格!一般的なもやししか知らない人には、衝撃的な味わいです。本記事では、そんな大鰐もやしの魅力やおすすめレシピ、どこで買えるのかをご紹介します。
大鰐もやしとは?
歴史
大鰐もやしは、青森県大鰐町で江戸時代から栽培される伝統的な野菜です。大鰐町は湯治町として有名で、江戸時代の初期から地元の温泉を活用してもやしを栽培する技術が発展しました。青森の冬は寒さが厳しく、温泉熱を利用して作られる大鰐もやしは貴重な栄養源でした。こうして始まった「温泉熱で育てるもやし作り」は今日まで続いており、地域の誇りとして今も変わらぬ製法で作られています。
細長く、独特な風味が魅力
一般的なもやしと比較すると、大鰐もやしは細く長いのが特徴です。上の写真で見ても分かる通り長い物では40㎝程にもなり、見た目にも全く違うことが分かります。特徴はなんといってもシャキシャキとした歯ごたえ。一般的に売られている豆もやしとは味も食感も全く異なり、加熱してもその食感は損なわれません。また、大鰐温泉もやしはビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、健康に良い食材としても注目されているんだとか。
ちなみに、青森在来のそばの品種「階上早生(はしかみわせ)」を使ったそばもやしもありますが、こちらも絶品!大豆もやしよりも細く、長さは大鰐温泉もやしより少し短め。そのせいか大鰐温泉もやしよりも歯触りが良く、そば本来の甘みが感じられます。
おすすめの食べ方は、「おひたし」や「しゃぶしゃぶ」です。、さっと火を通すことでシャキシャキ食感を損なうことがなく、もやし本来のうまみを味わうことができます。また、そばもやしは生で食べることができるので、半分くらいに切ってポン酢や生姜醤油で食べるサラダもおすすめです。
大鰐町内の飲食店では大鰐温泉もやしを使った「大鰐温泉もやしラーメン」や大鰐産青森シャモロック鶏肉と合わせた「特製うまか丼」が提供されているので、観光の際はぜひ食べてみてくださいね。
温泉熱を利用した独特な栽培方法
大鰐もやしの栽培方法は、温泉熱を利用した土耕栽培。普通の野菜のように土に直接種を蒔き、その上に藁を置いて光にあてずに1週間すると、真っ白で細く長い大鰐もやしが出来上がります。土の温度は温泉のおかげで常に30度前後に保たれており、収穫後の土を落とす作業でも温泉を使う贅沢っぷり。栽培にはとても手間がかかるため生産量は限られていますが、この栽培方法が大鰐もやしの特有の味と食感を生み出しています。
実は大鰐温泉もやしの栽培は一子相伝で受け継がれていましたが、一時期は生産者が4軒にまで減ったことが……しかし、地元の若者2人が先輩農家に弟子入りし、今でも伝統的な製法で大鰐もやしを作り続けています。
大鰐もやしを堪能できるレシピを紹介
1. 大鰐もやしのおひたし
大鰐もやしのおすすめの食べ方は、もやしの風味と食感を存分に味わうことができるおひたしです。作り方はとても簡単で、大鰐もやしをさっと茹でて軽く水気を切るだけ。「豆も食べるの?」「根っこは切り落とさないの?」という声が聞こえてきそうですが、大鰐もやしは豆から根っこまですべて食べられるので、躊躇せず丸ごと食べてください。
あとは醤油を少し垂らし、鰹節を振りかけるだけで、シャキシャキの食感と大鰐もやし本来の味を楽しめます。醤油以外にも、生姜醤油やポン酢なんかも合うので、大鰐もやしを手に入れた際は、まずはおひたしで食べてみてください。
2. 大鰐もやしの油いため
大鰐もやしを使った油いためは、忙しい日でもさっと作れる一品です。
作り方は簡単で、フライパンに油を熱し、半分に切った大鰐もやしを軽く炒めるだけ。地元で定番の具材は豚肉や油揚げ、ヘルシーにしらたきを入れるのも人気です。味付けは、塩コショウや少量の醤油でシンプルに仕上げたり、ゴマ油で風味を加えてもOK。炒めすぎると水分が出てべちゃっとなり大鰐もやしの良さが消えてしまうので、軽く火を通すだけにしてくださいね。
3. 大鰐もやしの子和え
青森の郷土料理の一つである「子和え」にも大鰐もやしを使います。たらこを和えたものに、シャキシャキとした大鰐もやしを加えることで、絶妙な食感と旨味のバランスが楽しめます。特にお正月や祝い事の席でよく見かける料理ですが、家庭でも手軽に作れるのが魅力です。大鰐もやしの豊かな食感が、たらこのプチプチとした食感と絶妙にマッチ。作り置きにも便利なので、お弁当のおかずや酒のおつまみにおすすめです。
大鰐もやしはどこで買える?販売場所を紹介
大鰐もやしは、大鰐町内のスーパーや温泉施設で販売されています。特に大鰐駅前から徒歩2分のところにある「鰐come」がアクセスがよく、購入しやすいでしょう。鰐comeでは大鰐もやしのほかに、地場野菜や特産品も扱っています。観光で訪れた際はぜひ立ち寄ってみてください。
ただし、大鰐もやしの栽培時期(11月~4月)以外には、大鰐もやしの販売はありません。5月や10月でしたら販売してる可能性はありますが、夏は販売がないのでご注意ください。
INFORMATION
- 施設名称:大鰐町地域交流センター鰐come
- 住所:〒038-0211 青森県南津軽郡大鰐町大字大鰐字川辺11-11
- 営業時間:9:00~22:00
- 電話番号:0172-49-1126
- 休業日:不定期
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大鰐近郊の道の駅や産直、スーパー
大鰐町まで行く時間がないという時は、大鰐町に近い道の駅や産直でも購入できます。おすすめは、大鰐弘前インターからほど近い「道の駅ひろさき サンフェスタいしかわ」。こちらでは大鰐や弘前、平川で育った新鮮な地場野菜を販売しており、秋にはリンゴやブドウ、カキやナシなどたくさんの果物が並びます。
また、弘前市内のスーパーでも取り扱いはありますが、購入制限があるところがほとんど。栽培時期でも毎日入荷されるわけではないので、「出会えたらラッキー」くらいの気持ちで気長に待ちましょう。とくにそばもやしは大鰐以外では見かけたことがないので、根気強く入荷されるのを待った方が良さそうです。
まとめ
大鰐町で温泉熱を利用して育てられる「大鰐もやし」は、シャキシャキ食感と風味豊かな味わいが魅力で多くの人から愛されています。ぜひ大鰐町を訪れた際には大鰐もやしを味わってみてください。