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【青森県】梅とあんず、どっちがどっち?|青森の美しくて美味しい郷土の味

青森県の特産物に「梅」と「あんず」があります。ふっくらと実るその姿は、風土の豊かさを感じる佇まいです。

しかし、実は青森県では「うめと呼ばれるあんず」があったり、「あんずと呼ばれない梅」があったり。地元民でもちょっと迷ってしまう、フクザツな梅・あんず事情があります。

今回の記事では、そんな青森の誇る「梅」と「あんず」、ちょっと面白い「梅・あんず事情」について取り上げていきます。郷土の味を知って頂くきっかけになったら嬉しいです。


梅とあんずの違いとは?

初めに、誰しもが分かりそうで分からない、梅とあんずの違いについて解説します。梅とあんずの違いを考える機会なんてそうそう無いので、ちょっとした雑学として参考にしてください。

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まず、梅とあんずは同じバラ科サクラ属の植物で、近縁種と呼ばれるとても近い種です。花が咲くときには葉がなく、丸みのある花びらをしています。見た目も性質も似ていますが、違いを表で表すと以下の通りです。

実の大きさ 実の甘さ 熟した実の色 種の外れやすさ 生食 英語表現
小さめ 甘くない 種が実から外れにく ×ume

もしくはJapanese apricot

あんず 大きめ 甘い 濃い黄色 種が実から外れやすい apricot

一番の違いは、実が生食に向いているかどうかです。

あんずは英語でアプリコットと呼ばれ、実を生で食べる「果実」として認識されています。一方で梅は、生食には向かない実をつけ、多くが観賞用もしくは実を加工する目的で使われます。


青森県で梅と呼ばれるあんず「八助梅」

青森県は全国有数のあんずの生産地。青森県の南部町で古くから栽培されているあんずが、「八助梅」です。あんずだけど、梅と呼ばれています。旬は7月上旬ほどです。

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八助は大ぶりな実が特徴のあんずです。全国的に生産されているあんず「平和」の重さは60gほどに対し、八助の実は80gほど。肉厚でパリパリとした歯切れのよい食感と、甘味と酸味がミックスされた濃い味わいが楽しめます。

八助は、古くから地元では「梅干し」として食べられてきました。この梅干は、一般的な梅干とは少し違うので、別の章で解説します。


青森県で生産されている梅「豊後」

青森県で梅と呼ばれているものの中にはあんずが含まれていることをご紹介しました。それでも全国でも有名な梅の産地であることは間違いないことです。

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青森県で有名な梅に「豊後(ぶんご)」という品種があります。青梅で7月上旬ほどから、完熟梅だと7月中旬頃からの出荷です。

梅は一般的には温暖な気候を好む植物ですが、豊後は冷涼な気候でも生育可能です。その理由は、豊後があんずとの自然交雑種だから。あんずは冷涼な気候を好むため、その血を引く豊後は寒さに強い梅となったと推測されます。

豊後の実は大粒で、40~50gもの大きさになります。一般的に大梅に分類される梅は25g以上なので、その粒の大きさが伝わるでしょうか。ぷっくりとした黄緑色の実は見た目も良く、梅酒などの加工品にも向いています。


八助梅(あんず)の梅干とは

青森県南部町では、生産された八助梅(あんず)を使った「八助の梅干し」が作られています。八助の梅干は、しそ巻きのことです。大ぶりな八助を一度塩漬けしてから天日干しし、1つ1つシソの葉で巻いてから本漬けをします。

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本漬けの味付けは家庭によって異なりますが、塩のみだったり、砂糖や酒などを加える場合も。漬け込み期間は3ヶ月ほどです。

パリパリの食感と、さわやかな甘味のある果肉とシソの香りが食欲をそそる八助の梅干し。ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。


まとめ

青森県で盛んに生産されている梅とあんず。今回の記事では、それぞれの違いや特徴、魅力についてご紹介してきました。

梅と呼ばれるあんず、あんずを親に持つ梅。はたから聞くと少しややこしい感じもしますが、それぞれが青森の食文化を育んできた欠かせない食材です。青森の厳しくも美しい自然に磨かれた美味しい味覚を、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。

八助(あんず)は梅干、豊後(梅)は梅酒がオススメです。お土産コーナーやお取り寄せで見かけた際は、ぜひ一度ご賞味ください。


motohal

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30代女性/福島県/地域・グルメ・女性ライフスタイル等の執筆を手がけるライター

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