フルーツ王国の福島県で特に収穫量が多い果物は?【福島県】

福島県はフルーツ王国として有名です。
筆者は福島県に在住した経験はありませんが、福島県出身の親族が複数おり、福島県産の果物には生涯を通じて大変お世話になっております。
今回は、そんな福島県で、特に多く収穫されている果物を紹介します。

なお、本記事は主に下記のサイトの情報を元に作成しています。


桃:27,700トン(2位)

福島県の果物と言えば桃、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
県庁所在地である福島市のWebサイトでも、福島市の楽しみ方の1つとして、桃がクローズアップされていたりします。

2022年における都道府県別の桃の収穫量は、山梨県が35,700トンでトップ。
福島県は27,700トンで2位につけています。
シェアでいえば23.7%です。
1位でこそないものの、大きなシェアを占めており、さすがとしか言いようがありません。
筆者にとっても、夏に親戚から送られてくる桃が、毎年の楽しみです。

福島県は東北地方とはいえども、県北の地域は盆地にあるので、夏は暑くなります。
強い日射しも降り注ぐことから、桃の樹の生育に適しており、甘さをたっぷり含んだおいしい桃ができるとのことです。

福島県内の桃の約半分の生産量を占める主力品種である「あかつき」は、全国でのシェアも約半分を占めており、当然シェアは1位です
桃の収穫量が1位である山梨県では「あかつき」は主な品種とはされておらず、また福島県で「あかつき」の果実を大きく育てることに成功したという事情もあるので、「あかつき」は、福島の桃と言っても過言ではない品種です。
7月下旬頃から8月中旬頃にかけて収穫されます。

ほかにも、福島県オリジナル品種で7月前半に収穫される「はつひめ」、オリジナル品種の「ふくあかり」、そして「まどか」、「川中島白桃」、9月中旬頃まで収穫される「ゆうぞら」など、幅広い品種が栽培されており、福島県産の桃は約2か月もの長きにわたって味わえます。

2021年に開催された東京オリンピックでは、ソフトボールの米国チームの監督が、福島県産の桃を6個も食べたことで話題を呼びました。

なお、本記事はあくまで、福島県で生産が盛んな果物の紹介記事です。
桃を食べたりして楽しむ方法については、他の記事をご覧くださいますと幸いです。


ナツハゼ:500キログラム(1位)

福島県におけるナツハゼの収穫量は500キログラムで、福島県のシェアが100%となっています。
ナツハゼとはツツジ科スノキ属の落葉低木で、日本各地の山に古来から自生しています。
昭和初期頃までは、実がおやつとして食べられていたようです。

果実は10月から11月にかけて熟し、ブルーベリーに似た黒褐色の実をつけます。
ジャムやジュース、ソースや果実酒などに加工されます。

目の疲労回復や血液浄化に効果があるとされるアントシアニンの含有量が、ベリー類の果実の中でも突出して多いことが研究によって明らかになっています。
ナツハゼは挿し木による増殖が従来は難しいとされていましたが、福島県内で実用的な挿し木の方法が開発されています
(全国に自生しているにもかかわらず福島県のシェアが100%なのは、こういった理由だと思います)。

樹が育つには20年ほどかかるため、その果実は貴重で「幻のブルーベリー」と呼ばれることも。
知名度は決して高くありませんが、福島県の名産品の1つと位置付けてよいでしょう。


ネクタリン:237トン(2位)

ネクタリンの収穫量は、長野県が603トンでトップ
福島県は237トンで2位につけています。
シェアでいえば20.9%です。

ネクタリンは桃の一種です。
形や香りも桃によく似ていますが、表面に産毛がないことが特徴。
桃よりも酸味が強く甘酸っぱい味わいです。
そのまま食べたり、ジャムやゼリーに加工したりするといった食べ方があります。
出荷の時期も桃と似ていて、おおよそ7月から9月頃です。


日本なし(梨):19,200トン(4位)

日本なし(以後、梨)の収穫量は千葉県が19,200トンでトップ(某ご当地キャラクターが思い起こされます)。
以下、茨城県が17,800トン、栃木県が17,000トンと続いて、福島県は15,200トンで4位です。
シェアでいえば7.74%。
トップの千葉県でも9.77%なので、福島県のシェアも十分に大きいと言えるでしょう。
これも筆者の夏の楽しみとなっている果物です。

福島県で梨の栽培面積の4割を占めている品種が、8月下旬頃から収穫される「幸水(こうすい)」です。
甘味が強く、みずみずしくシャリシャリした食感が特徴。

続く主力品種は9月中旬頃から収穫される「豊水(ほうすい)」。
二十世紀」「あきづき」そして10月下旬頃まで収穫される「新高(にいたか)」も栽培されているので、福島県産の梨を2か月以上にわたって楽しめます。


りんご:23,700トン(5位)

りんごの収穫量は、イメージ通りと言うべきでしょうか、青森県の439,000トンが圧倒的なトップです。
2位の長野県ですら132,600トンしかなく、岩手県の47,900トン、山形県の41,200トンと続き、福島県は23,700トンで5位です。
5位という順位自体は低くないとしても、シェアは3.22%に過ぎません。

しかし福島県では、栽培面積の7割を占める主力品種である「ふじ」の収穫期を迎える晩秋~初冬期の気候が、暖かすぎず寒すぎないことから「ふじ」の完熟に適しています。
かつてはそのおいしさから、福島県産の「ふじ」が「まぼろしのふじ」と呼ばれていたほどです。
「ふじ」の収穫量は17,200トンで、こちらも(1位が青森県なのは当然として)福島県が5位となっています。
他にも、8月下旬頃から出荷される「つがる」や、10月頃に出荷される「陽光」「王林」といった品種が栽培されています。


果物の種類の豊富さとおいしさがフルーツ王国福島県の魅力

ここまで見てきたように、福島県はナツハゼの収穫量こそ全国1位(というかシェア100%)でしたが、桃が意外にも2位であったように、収穫量の順位だけで見れば、ずば抜けて高いわけではありません
例えば山梨県はぶどう、桃、すももの収穫量が1位で、福島県のお隣の山形県は、西洋梨、さくらんぼの収穫量が1位です。

しかし、福島県では今回ご紹介した桃や梨、りんごなどに加えて、さくらんぼ、ぶどう、柿、いちごといった多様な果物が生産されています。
この種類の多さによって、年間を通じて旬の果物が出荷されることが大きな特徴で、これこそが福島県がフルーツ王国と呼ばれるゆえんなのです。

もちろん、桃の「あかつき」やりんごの「ふじ」のように、福島県の気候が生み出す果物のおいしさもまた、福島県産の果物の大きな魅力と言えるでしょう。


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