【福島県】自然のご馳走「あんぽ柿」肉厚で濃厚な甘味をご賞味あれ!

福島県の特産物の1つに、あんぽ柿が挙げられます。

北風が冷たく厳しくなると、あんぽ柿の季節がやってきます。県内の販売店には色鮮やかなオレンジ色が並ぶのが冬の風物詩です。

あんぽ柿とは干し柿の一種ですが、独自の製法を用いられて作られる、特別な一品です。あんぽ柿でしか味わえない、独特の美味しさがあります。

この記事では、あんぽ柿の紹介と、その魅力についてをお伝えしていきます。柿好きの方、福島県の食べ物に興味がある方は是非参考にしてみてください。


あんぽ柿とは?普通の干し柿とは違いはある?

福島県の北部に位置する伊達市梁川町では、あんぽ柿の生産が盛んに行われています。あんぽ柿とは、干し柿の一種です。

干されるあんぽ柿

11月上旬ごろから収獲された柿を、柿干し場で乾燥させて作ります。鮮やかな柿が連なって干されている姿は、晩秋の風物詩として季節を感じさせるものです。

鮮やかなオレンジ色の果肉はゼリー状でもっちりとした歯ごたえがあり、トロリとした濃密な甘みが楽しめます。通常の干し柿との食感の違いに驚く方も多いでしょう。

あんぽ柿は、糖度が30度以上まで濃縮されています。一般的なフルーツの糖度とは、りんごで15度、ぶどうで17度ほど。生の柿でも16~20度程度です。砂糖や甘味料は一切使わない、体に優しい自然のスイーツがあんぽ柿です。


あんぽ柿はどうやって作られるの?

あんぽ柿と通常の干し柿との違いは、その作り方にあります。

通常の干し柿は、皮を剥いた渋柿を天日で干して作ります。しかし、あんぽ柿の場合は、皮をむいた後に硫黄燻蒸という工程を行います。

あんぽ柿の硫黄燻蒸は、福島が発祥とされる技術です。皮を剥いた渋柿を硫黄で燻蒸することで、柿が酸化から守られるようになります。その結果、柿が黒く変色することなく、鮮やかなオレンジ色を保つことができるのです。

あんぽ柿

また、あんぽ柿は通常の干し柿よりも干す時間が長いことも特徴。あんぽ柿が約1か月もの間、ゆっくりと時間をかけて柿を乾燥させるのには理由があります。急に乾燥をさせてしまうと、柿の表面がカサついてしまい、果肉のトロリとした食感を出すことが出来ないのです。

そのため、あんぽ柿を干している間は、戻しという作業を行って湿気を含ませたり、乾燥させたりを繰り返します。

このように、あんぽ柿は膨大な時間と手間がかけられた一品です。変わらない美味しさを作り続けたいという職人の熱意が込められています。


あんぽ柿の歴史

あんぽ柿の歴史は、90年以上前から続き、発祥の地・伊達市梁川町五十沢の地に伝わっています。

時代は大正11年から始まります。江戸時代から行われていた干し柿作りに、当時は干しぶどうの製造に使われていた硫黄燻蒸の技術を取り入れ、確立させていきました。

ちなみに、あんぽ柿という名前の由来は、皮を剥いた柿を天日に干すという「天干し柿(あまぼしがき)」という呼び名から。明治時代になる頃には、今のあんぽ柿という呼び名になったとされます。


あんぽ柿はどこで買えるの?

あんぽ柿は手間暇をかけた高級感のある品物です。通常の干し柿よりも丁寧な包装をされ、折箱に詰められたものもありますので、品のよい贈答品やお土産としても使えます。

皿の上のあんぽ柿

県内の道の駅や駅構内、物産館などで購入可能です。季節になるとオンラインでの購入も可能ですので、手軽に手に入れたい時は検索して頂くと良いでしょう。


まとめ

この記事では、福島県伊達市梁川町で作られているあんぽ柿について紹介しました。

あんぽ柿の特徴は、鮮やかなオレンジ色、ねっとりもっちりと濃厚な食べ応え、そして自然が磨き上げた上質な甘味です。他では類を見ないほどに贅沢な柿の味わいが堪能できます。

あんぽ柿は季節になると、インターネットでも購入が可能ですので、興味を持っていただいた方は是非お求めになってみて下さい。


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