【山形県】ジンギスカンは山形蔵王が発祥の地?全国から注目される蔵王のジンギスカンとは?
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蔵王連峰と言えば東北地方の中央を南北に連なる奥羽山脈の中にあり、宮城県と山形県の県境にある複合火山群とされています。両県の裾野には温泉やスキー場など多種多様なスポットが存在し、両県の主要観光地の一つとされています。
そんな両県民の大半の方なら一度は訪れたことがあるであろう蔵王連峰、通称「蔵王」宮城県側では牧場や農園に温泉などが盛んで食で言えば蔵王チーズなどが有名ではないでしょうか?
しかし、山形県側の蔵王ではジンギスカンが有名であったことはご存知ですか?しかも「ジンギスカン発祥」とまでされています。今回は山形蔵王まで実際に訪れ、ジンギスカン発祥のお店まで足を運びましたのでジンギスカン発祥とされる理由と実際に食したジンギスカンのご紹介をどうぞ。
ジンギスカン発祥?山形蔵王のジンギスカン?
全国には「○○発祥の地」が沢山あり、ジンギスカンも国内各地様々な地域が発祥の地として名乗りをあげています。同じ東北内では岩手県の遠野が発祥とされていたりなど、正確な史実はなく今現在も研究を続けている方がいるくらい解明されていないことが多々あります。山形のジンギスカンにも「ジンギスカン発祥」と名乗るべき理由があります。
山形蔵王の羊毛生産
そもそも山形蔵王で「ジンギスカン=日本独自の羊肉調理方法」が食べられるようになったのには大きな理由があります。それは昭和の初期頃、山形蔵王一帯で羊毛生産のため、各農家において緬羊が多数飼育されていたことです。
当時、山形蔵王一帯は羊毛生産で大いに盛り上がっていたとされています。ただし戦後になるとビニールなど化学繊維の普及に押されて羊毛が暴落し、羊毛生産、そして羊の飼育も難しい状況になります。
羊毛生産から食羊文化へ
そんな中、日本緬羊協会の会長を務めていた山形県の「斎藤忠右衛門」はモンゴルに渡り、緬羊飼育の技術交流の折、中央が盛り上がった円盤状の鉄兜に羊の肉をのせて焼いた料理を体験したそうです。
日本に帰国した際にはモンゴルの鉄兜で焼く羊料理を参考に、山形鋳物工場に鉄鍋の製作を依頼し蔵王温泉の名物料理に、とジンギスカンが考えられました。
その後、鉄鍋も改良に改良を重ね、蔵王温泉の各旅館の女将さんたちにタレの作り方を教えるなどして普及にあたり、広く食べられるようになりました。
そして山形で開催された昭和34年の国民体育大会冬季大会では献立メニューに入り、スキー選手から好評で選手の多くは肉と鍋を購入して帰り、これを機会に山形のジンギスカンが全国に一気に知られる様になりました。
山形蔵王ジンギスカン発祥の店、「ジンギスカン・シロー」
山形県山形市蔵王半郷にある「ジンギスカン・シロー」は山形蔵王ジンギスカン発祥のお店とされています。
日本緬羊協会の会長を務めていた山形県の「斎藤忠右衛門」が初代を務め、開店した年は1954年とされています。上でも記載していますが斎藤忠右衛門氏がモンゴルに渡り緬羊飼育の技術交流の際に体験した「円盤状の鉄兜に羊の肉をのせて焼いた料理」を再現すべく、帰国してから山形鋳物工場に鉄鍋の製作を依頼し何度も試食会を開いては試行錯誤を繰り返したそうです。
そうです。今となっては当たり前となったあのジンギスカン専用の鉄鍋、あれは鉄兜の形を模して山形鋳物で作成されたものがオリジナルとされているのです。
このことから「ジンギスカン」が山形蔵王発祥の地と言っても過言ではないでしょう。実際に「ジンギスカン・シロー」の店頭入口には歴代のジンギスカン鍋が飾られています。
開発当時は今と変わらず円盤状で表面が平たく隙間が有りましたが、焦げ付きやすく、油が炭火に当たり煙が多く発生したそうです。
初代の改良版であり、表面に凹凸を作り油を外側の溝に流すように改良し、焦げ付きの対策がされましたが煙の発生は止められなかったそうです。
試行錯誤を繰り返し、今現在も使われているのがこの三代目ジンギスカン鍋になります。二代目の凹凸はそのままに、隙間を無くすことにより煙問題は大幅に削減されたとされています。
鍋だけではない!蔵王ジンギスカンの魅力!
山形蔵王ジンギスカンの簡単な説明もしたのでここからは実食とさせていただきます。
初めての来店でしたので何を頼めば良いのか正直悩みました。ジンギスカンは大好きだけど食べなれた食材でもない。これはメニュー表の中から「おススメ」を信じて頼むしかない、と。
メニュー表にはセットメニューと単品メニュー、それに平日限定メニューで温麺やラム丼、それにラムそぼろ丼など多種多様なメニューが並んでいます。
メニュー表に目を通すと「ジンギスカン特上+定食」がおススメとの事。他にも「ジンギスカン並」や「牛焼肉」にも定食が付けれましたが「並」と「特上」では何が違うのかというと「並が冷凍」で「特上が生肉」とのこと。
もうここは「特上」でしょ!と思い上の写真の「ジンギスカン特上+定食」を頼むことにしました。
見てくださいよこの特上の生肉、赤身と油の見事なバランス、美味いに決まっているじゃないですか。
そして肉だけではない定食の副菜のセンスの良さ。
この日の定食にはご飯とみそ汁に副菜が3種、副菜のナスの漬物にオクラはもちろん美味ですが、個人的にはゴーヤと玉子を和えた副菜が甘苦く非常に美味しかった。ジンギスカンとの相性がバツグンに良かったと思います。後に「ジンギスカン・シロー」のホームページで確認しましたが米と野菜は自家農園での栽培とのこと、そりゃあ美味しいですよね。副菜が季節のものてのも嬉しいところです。
いよいよここでメインのジンギスカンと野菜をいただきます。慣れてないので焼き方が合っているかは不明ですが、まずは油を熱したジンギスカン鍋全体に塗り、火の通りにくい野菜を鍋のふちに置き、そしてお肉を溝の上で焼く、ただ焼きすぎには注意、個人的には半生くらいが丁度よいので色が変わるくらいにして食す。
そして特性の自家製タレにつけて食べる。うん、文句なしに美味い。今までそんなにジンギスカンを食べたことはありませんが間違いなく過去一番おいしい。もしかしたら牛や豚に鶏も超えたのではないか?と思うくらいにさっぱりしてて美味い。辛味も少量なのにピリッとくる辛さで癖になる。あぁビールが飲みたい。
野菜も羊肉の油が溝から流れて染みて最高に美味い。伝わらないし何度も言うけどもう美味いしか言えない。山形県民はこれが普通なのか?昔から知っていたのか?山形蕎麦もラーメンも大好きだがなぜ教えてくれなかった、、。
などと考えてるとアッという間に完食。羊肉はさっぱりしていて何枚でも食べれそうだけど今日は一人なのでこれぐらいに抑えときます。
ごちそうさまです。
次回は山形市の友達を誘って2~3人で来店して単品メニューも色々試したいところです。
Information(ジンギスカン・シロー)
- 所在地 : 〒990-2305 山形市蔵王半郷266-10
- 定休日 : 毎週木曜日、第2・4日曜日
- ※日曜日の営業はお昼のみ(11:00~14:00)
- 営業時間 : 昼/11:00~14:00 夜/17:00~20:00(ラストオーダー)
- URL : http://www10.plala.or.jp/jingisukanshiro/index.html
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まとめ
山形蔵王のジンギスカン、蔵王という土地柄を利用した緬羊飼育から発展した「ジンギスカン鍋」生活に根付いたその食はもはや「郷土料理」としても過言ではないのではないでしょうか?もちろん他県、他地域でもジンギスカン発祥と言われるところは複数あり「山形発祥は絶対です。」と私は言い切れませんがジンギスカン鍋の発祥とジンギスカン鍋の美味さは本物です。
元の歴史が「緬羊飼育から発展した」ということもあり、牧場が焼肉屋を経営しているため新鮮なお肉を食べれる、というのも山形蔵王ジンギスカンの魅力の一つです。
皆様も是非体感してみてください。
これを機に次は遠野へジンギスカンの謎を追いに行くのも良いなぁ、何て目論んでます。