【福島県】秘湯や名湯、ユニークな泉質で選ぶ福島県中通りと浜通りのおススメ温泉3選!

温泉地の数が東北一多い福島県は、東北新幹線が通る中通り、太平洋岸の浜通り、そして会津の3つの地方それぞれに、個性的な泉質の温泉が点在しています。

全国に有名な名湯から山間の秘湯まで、バラエティに富んだ泉質の源泉が数多くある中で、この記事では中通りにあるユニークな泉質の3つの温泉をご紹介します。

源義家も感動のラドン源泉「母畑(ぼばた)温泉」(石川郡石川町)

母畑温泉 八幡屋 公式サイトより

900年ほど昔の「前九年の役」で、雪中の行軍に苦しむ源義家(みなもとのよしいえ)が、この地で傷ついた愛馬の足を温泉混じりの谷間の水に浸したところ傷が治ったと伝わっています。

泉質は「アルカリ性単純弱放射能泉」で、見た目は無色透明で肌触りの良いごく普通の源泉ですが、放射性鉱物のラジウムから生じるラドンを含む「弱放射能泉」であることが特徴です。

母畑温泉の元湯 Wikipediaより (ファイル名:母畑温泉_元湯.JPG 著者:スズピー)

ラジウムが壊れる際に発生するラドンを含む放射能泉は、身体を適度に刺激して良い効果をもたらすとされています。

放射能泉は数が少なく希少で、その中でも母畑温泉は東北一のラドン含有量があることから人気が高い温泉です。

泉質別適応症は痛風・動脈硬化症・高血圧症・慢性胆のう炎・胆石症・慢性皮膚病・慢性婦人病で、

飲泉でも痛風・慢性消化器病・慢性胆のう炎・胆石症・神経痛・筋肉痛・関節痛が挙げられています。

霊泉の湯元にたたずむ「八幡屋(やはたや)」

八幡屋 公式サイトより

源義家はこのお湯を霊泉として、湧く岩に母衣(背中からの矢を防ぐ布)を捧げて旗を立てて祀ったとされ、そのことを表した「母衣旗(ほろはた)」「母畑(ぼばた)」に転じたとされています。

そして、八幡太郎とも呼ばれる義家が祀った霊泉の上に建てられた宿であることから「八幡屋」と名付けられました。

大浴場 八幡屋 公式サイトより

宿のお風呂は庭園の眺めが美しい大浴場やその庭園に造られた露天風呂のほか、周囲を気にせずゆっくり入浴を楽しめる4つの貸切風呂があります。

麦飯石のサウナ 八幡屋 公式サイトより

また、癌治療にも使われているモンゴル産の麦飯石(ばくはんせき)が発する遠赤外線を利用した岩盤浴やサウナもあり、サウナにはラドンを含む源泉が利用されています。

特別室 八幡屋 公式Facebookより

客室は昔ながらの和室とベッドが置かれた和モダンの和洋室の2種で、和室と寝室にソファーが置かれたリビングのあるぜいたくな特別室が人気です。

八幡屋 公式サイトより

食事には旬の食材が使われた基本の会席料理のほかさまざまな追加料理が用意され、中でも天然水とはちみつで育てられた黒毛和牛「石川はちみつ牛」の牛タン料理は逸品です。

INFORMATION

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福島県で一番高所にある温泉地「鷲倉(わしくら)温泉」(福島市)

鷲倉温泉の源泉 鷲倉温泉高原旅館 公式サイトより 

標高1,230mの高地にあって、ブナの原生林が生い茂る樹海をわたるさわやかな空気の中に、2種類の泉質をもつ源泉が自然湧出しています。

鷲倉温泉高原旅館 公式サイトより

2つの源泉の泉質は「単純硫黄泉」「酸性-含鉄(Ⅱ、Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩泉」で、とくに後者の含鉄泉が湧出しているのはこの辺りではこの鷲倉温泉だけです。

効能には切り傷・慢性皮膚病・慢性胃腸病・神経痛などがありますが、源泉のひとつ「酸性緑礬泉(りょくばんせん)」は昔から眼病に効くとされ「目の鷲倉」との別称でも呼ばれています。

雄大な山の景観も楽しめる秘湯の宿「鷲倉温泉高原旅館」

鷲倉温泉高原旅館 公式サイトより

女将さんとそのご家族が管理されているこの秘湯の宿は、「日本秘湯を守る会」の会員宿で、2つの内湯と5つの露天風呂があり、それぞれに2種類の源泉のどちらかが引かれています。

含鉄泉の露天風呂 鷲倉温泉高原旅館 公式サイトより

内湯と貸切露天風呂に男女別4つの露天風呂の内の2つには硫黄泉が、残る2つの男女別の露天風呂には含鉄泉がかけ流されていて、いずれも源泉が高温のため加水され適温が保たれています。

鷲倉温泉高原旅館 公式サイトより

客室はゆったりと落ち着ける広い和室で、畳の上にツインベッドが置かれて和洋室の雰囲気のお部屋もあり、ウォシュレット付きのトイレと洗面台付きです。

夕食の献立例 鷲倉温泉高原旅館 公式サイトより

食事処での夕食は地元の山菜やアユなどの川魚に和牛などが使われた和風会席で、量が多いと評判で食欲旺盛な若者でも満足するでしょう。

なお、冬季は積雪による通行止めなどにより11月中旬から4月下旬ごろまで休業となります。

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殿様の奥方の夢に現れた「玉山温泉」(いわき市四倉町)

太平洋側の浜通りからも個性的な泉質の源泉を一つご紹介します。

いわき市の中心部から車で常磐自動車道四倉IC方面に30分ほどの山間にあるこの源泉は、300年近く昔に磐城平藩の藩主奥方が夢で見たお告げによって発見されたと言われています。

それ以来、古い湯治場として利用されてきました。

泉質は「ナトリウム・鉄・炭酸水素塩化物泉」で、pH10というアルカリ性の源泉は肌に優しく身体が芯から温まり、飲泉も可能で胃腸病に良いとされています。

源泉が18℃と低温のため、加温されていますが、源泉100%かけ流しです。

泉質別適応症として、切り傷・抹消循環障害・冷え性・皮膚乾燥症が認められています。

築100年超を誇る日本建築の宿「藤屋(ふじや)旅館」

レトロな帳場 藤屋旅館 公式サイトより

1744年(延享元年)創業の歴史ある、木造2階建ての風情あふれる温泉旅館です。

立ち並ぶ古木に囲まれた旅館内には重厚な柱や梁があり、玄関すぐにあるタイムスリップしたかのようなレトロな帳場とともに、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

藤屋旅館 公式サイトより

浴場は全て源泉かけ流しで化粧水のような肌触りを楽しめお風呂上りはずっと温かさが保たれます。

また、男女別の浴場は18時から22時の間は貸切で利用することができ、50分単位で周囲に気がねすることなく天然温泉入浴を楽しめます。

旅籠客室 藤屋旅館 公式サイトより

6室の客室は全て落ち着きのある和室で、トイレ付の「旅籠(はたご)客室」のほかには昔ながらの「湯治客室」があり、湯治の雰囲気に浸りながらリーズナブルに宿泊できます。

夕食の献立例 藤屋旅館 公式サイトより

大広間での食事の献立は、山間にありながら太平洋にも近い場所がら、季節ごとに旬の海山の新鮮な食材がふんだんに使われた田舎料理です。 なお、この地は松茸の名産地で、季節には松茸料理を味わうことができます。

INFORMATION

  • 施設名:藤屋旅館
  • 所在地:福島県いわき市四倉町玉山湯ノ口8
  • 電話番号:0246-33-2313
  • URL:藤屋旅館 公式サイト

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まとめ

「温泉大県」とも言える福島県では、中通りと浜通りだけみても紹介しきれないほどの温泉地が存在していて、それぞれ特徴があります。

また、会津地方にもユニークな泉質をもつ温泉が多数あるのですが、この記事だけでは紹介しきれませんでした。

それらの秘湯や名湯については、また改めて別の記事でご紹介したいと思います。

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