【青森県】自然と向き合いながら学ぶ、大雪にまつわる言い伝えをご紹介!
昨年から今年にかけ、青森県は例年を上回る大雪に見舞われています。実は去年の秋ごろから「カメムシが多いから大雪になるかもな」と言われていたのですが、見事予想が的中!ほかにも東北では大雪にまつわる言い伝えがあるので、その中でも興味深い言い伝えをご紹介します。どのようにして人々が自然と向き合いながら、大雪を予測してきたのか、その背景にも迫ります。
カメムシが多いと大雪になる
秋から冬にかけて、暖かい場所を求めて家の中や窓際に現れるカメムシ。その数が多いと「今年の冬は大雪になる」と言い伝えられています。
この現象には、カメムシの習性が深く関係しています。カメムシは気温の変化に敏感で、寒い冬が来る前に暖かい場所に集まる習性があります。ストーブや窓のサッシにカメムシがたくさん集まっているのを見たことがある人も多いはず。したがって、カメムシが大量発生する年は大雪になるといわれています。その証拠に2024年は全国的にカメムシが多く発生し、大雪が心配されていましたが、実際に日本列島全体が大寒波に見舞われました。
青森でも、カメムシが多かった年に大雪が降ったというエピソードがいくつかあります。「今年はカメムシが多いから、きっと大雪になるよ」と語り合う光景は、雪国ならではの冬の風物詩と言えるかもしれません。もちろん、科学的な根拠がすべて明らかになっているわけではありませんが、自然界のサインとして興味深い観察ポイントの一つです。
カマキリの卵が産みつけられた位置まで雪が積もる
「カマキリの卵が産みつけられた高さまで雪が積もる」という言い伝えも広く知られています。カマキリは冬の厳しい寒さを乗り越えるために、安全な高さに卵を産みつける習性があります。そのため、卵の位置が高いと「雪が多く積もる厳しい冬になる」と言われているのです。
青森では、雪が降る前に庭や野山でカマキリの卵を見つけて「今年の雪はこのくらいかな」と冬支度をする人もいます。実際に、卵が高い位置にある年に大雪が降ることが多いとされており、この言い伝えは昔から地域の知恵として受け継がれてきました。自然が持つ予知能力に驚かされるとともに、冬の暮らしの準備に役立てられる実用的な言い伝えです。
白鳥が早く来ると大雪になる
白鳥をはじめとする渡り鳥の行動も、大雪を予測するサインとされています。白鳥が例年より早く南下してくる年は、寒さが厳しくなり、大雪になると言われています。これは、渡り鳥が気温や環境の変化に非常に敏感であるためです。
青森には冬になると白鳥が飛来する地域がいくつもあります。特に、白鳥の飛来が早かった年に大雪が降った例は少なくありません。実際、地元の人々は「白鳥が早いと雪も早い」と語り合いながら冬の訪れを感じます。実際に、鳥たちの行動が自然環境の変化を反映していることを思うと、彼らの動きに注目するのも冬の楽しみの一つです。
鳥が高い位置に巣を作ると大雪になる
「鳥が高い位置に巣を作る年は大雪になる」という言い伝えも、昔から東北の広い地域で語り継がれています。鳥は天候を予測する能力があるとされており、積雪を見越して高い位置に巣を作ることで安全を確保しているのだそう。青森でも、雪の多い冬に鳥の巣が高い位置で見つかることが多く、地元の人々は自然界のこうした現象を頼りにしてきました。この言い伝えは、雪の多い地域で生活する人々が鳥たちの行動を観察しながら生きてきた証とも言えるでしょう。
雨が降った次の日は大雪になる
冬場の雨が降った翌日は、吹雪や大雪になるという言い伝えもあります。特に寒気が入るタイミングで雨が降ると、翌日に気温が急激に下がり、雪や吹雪に変わることが多いからです。この現象は青森では「雨返し」と呼ばれ、「雨の翌日は雪になるから注意して」と家族や近所の人々が声を掛け合う光景が見られます。
この言い伝えは、気象現象と密接に結びついているため、単なる迷信とは言えません。天気予報が普及する前の時代、こうした自然の兆候を頼りにしていた人々の知恵には驚かされます。
まとめ
カメムシやカマキリの卵、渡り鳥、鳥の巣、そして雨にまつわる大雪の言い伝えは、東北各地に広く伝わる自然観察の知恵です。これらのサインを観察することで、昔の人々は厳しい冬に備えてきました。
現代はスマートフォンですぐに天気が確認できる時代になりましたが、こうした自然現象の予測には先人たちの知恵が詰まっています。青森の大雪とともに、ぜひ自然界の不思議なサインを楽しみながら観察してみてはいかがでしょうか。