郷土料理「だし」の季節到来!レシピからアレンジまで豊富にご紹介します。【山形県】

山形県に古くから伝わる郷土料理「だし」をご存じでしょうか?もう知っている!なんて方も多いですよね?

だしは、きゅうりやなすなどの野菜をふんだんに使った、滋味深い味わいの漬物です。食欲がわかないとき、胃腸が弱ったときでも不思議と食べやすく、あると重宝される食べ物です。

シンプルにご飯にかけてもおいしく食べられるだしですが、時にはアレンジして食べるのもおすすめです。野菜不足をおいしく解消してくれて、「かけるサラダ」とも呼べるだしを、ぜひ存分に楽しんでみてください。


山形県の郷土料理「だし」とは

だしとは、山形県の夏の定番といえる郷土料理です。刻んだ野菜に、粘りのある醤油ダレが絡んだ滋味深い味わいが特徴でしょう。

夏といえば、農業が盛りになる時期。忙しいときでもサッとつくれる一品として、家庭の知恵から生まれた料理といわれています。今では農業技術の向上で野菜が年中手に入る世の中になりましたので、夏に限らず年中作られるようになりました。

だしの基本の材料は、夏野菜と香味野菜、昆布です。きゅうりとなすは、水分を多く含む夏野菜。そこに青じそとミョウガを加え、うま味と粘りを出す昆布も仲間入りし、醤油で漬け込んで作ります。火を使わずに作れるのも、うれしいポイント。水分・ミネラル分・塩分をとれるので、夏バテ対策・熱中症予防にも期待できそうな一品です。

各家庭ごとに調味料の配分、具材のラインナップ、具材の切り方などに個性があります。正解がないというべきか、すべてが正解というべきか…家庭料理ならではの面白みがつまっています。

ちなみに「だし」という名前の由来にも諸説あります。ほかの食材を引き立てるのが「出汁」のようだからとする説や、野菜を細かく切り「出す」からとする説、サッと食卓に「出す」ことができるからとする説などがあるそうです。


ズボラでも料理苦手でも作れます!「だし」の簡単レシピを紹介

近年では、山形県外のスーパーマーケットでも製品化した「だし」を見かけるようになりました。しかし、だしはあくまでも家庭料理ですので、もちろんお家で手作りすることもできます。

「え、野菜を刻むのが大変そう…」と思うかもしれません。そんなときにおすすめしたいのが、みじん切り器、もしくはフードプロセッサーを使うこと。材料を準備してしまえさえすれば、あっという間につくれますよ。

材料と手順を解説します。

材料と調味料は、以下の通りです。

  • なす 2本
  • きゅうり 1本
  • みょうが 3個
  • 青じそ 5枚
  • 刻み昆布 一つまみ
  • めんつゆ 適量

上記の材料を、ぶつぶつと切って、みじん切り器に入れます。なすのアクが気になる方は、アク抜き後にみじん切り器にセットしてください。

みじん切りの状態にします。筆者はヒモを引くタイプの手動みじん切り器をつかって、画像の状態にしました。

めんつゆと絡ませ、味がなじめば完成です。

具材を細かめに刻んだ場合、漬かるスピードが速いです。15分程で食べることができるようになりますが、より味をなじませるには、一晩ほど寝かせるのがおすすめです。なお、粗めに刻んだ場合、味がなじむのに時間はかかりますが、食感がサクサクと楽しくなります。正解はありませんので、お好みで調節してください。

ちなみに、だしのオーソドックスな食べ方は、ご飯にかけていただくスタイル。あつあつご飯にしっとりと漬けダレがしみこみ、おかわりしたくなる爽やかな味わいです。「食べきれていないなすやきゅうりを消費したい」そんな時は、ぜひだしをつくってみてください。あっという間になすもきゅうりも無くなってしまいますよ。


野菜不足を解消!だしのアレンジレシピを紹介

ご飯のお供として優秀なだしですが、実は他にも多彩な食べ方があります。野菜をたっぷり食べられるだしを活用して、食卓の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。簡単なアレンジレシピを紹介します。

豆腐や納豆にトッピング

ご飯にのっけるスタイルの次に有名なのが、豆腐や納豆のトッピングに使うことです。爽やかな香味野菜の風味をたっぷり含んだ醤油ダレは、豆腐や納豆と相性バツグン。食欲がわかない時も、食べやすくなりますよ。

冷たい麺類に添える

そばやうどんに薬味を添えるように、だしを添えるのもオツなものです。筆者はそうめんに、だし・大根おろし・トビッコ(カネカシーフーズ「プッチンコッ子」)を乗せて、めんつゆをかけてみました。食感も楽しくなり、栄養価もアップ。マンネリしがちなシンプルな冷たい麺メニューに、一ひねりを加えてくれます。

冷しゃぶや鶏ハムなど、肉に添えるのもアリ

お肉は食べたい…けど、食欲がわかない。そんな時は、お肉にだしを添えてみてはいかがでしょうか。

肉に香味野菜が合うことは、想像しやすいかと思います。香味野菜のうま味がたっぷりとしみ込んだ「だし」は、肉との相性も◎です。おいしいだけではなく、「手が込んでいる感」も出るのがうれしいポイント。一度食べたら病みつき必須の好相性なので、お試しください。


まとめ

今回は山形県の郷土料理「だし」をテーマに、お手軽レシピと食べ方のアレンジを紹介しました。

食欲がない時でも食べやすく、常備すると便利な、だし。家庭の知恵がたっぷりと詰まった郷土料理だしは、さっと作れることも魅力です。野菜不足を解消するため、いつもと一味違う食卓を楽しむため、何かいいアイデアをお探しなら…ぜひ、だしを活用してください!だしの魅力に、きっとハマること間違いなしです。


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