【山形県鶴岡市】北前船の寄港地鶴岡に残る歴史遺産
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江戸時代の中頃から明治30年代にかけて、日本海を通って大阪と東北・北海道との間を行き来して、多くの物資を運んだ北前船(きたまえぶね)。東北地方最大の港は酒田(さかた/山形県酒田市)でしたが、庄内藩の居城があった鶴岡の港にも寄港して、米をはじめとする庄内平野の幸や絹製品(日本遺産「サムライゆかりのシルク」)などを大阪方面へ運んでいました。その中で最も賑わったのが、城下町の近くにあって自然の良港だった加茂(かも/鶴岡市加茂)です。
大正時代には鉄道が開通し、北前船はその役割を終えてしまい、鉄道とは縁のなかった加茂の港は当然ながら寂しくなってしまいます。現在の加茂は、くらげの「加茂水族館」があることで知られる漁港です。町には北前船全盛時にできた豪商の館や蔵などが残っていて庄内景観回廊の指定を受けています。
加茂港の岸壁には明治時代に造られた石垣が残り、町内の古い蔵には北前船の旗マークが描かれています。ひときわ目立つのが庄内地域では酒田(山形県酒田市)の本間家に続く大地主といわれた秋野邸や北前船船主の石名坂家(いしなざかけ)の住宅と蔵(国の登録有形文化財)で、北前船で賑わっていた時代の雰囲気がよく残っています。
INFORMATION
- 名称:鶴岡市加茂地区
- 所在地:鶴岡市加茂
- 電話番号:0235-33-3023(鶴岡市加茂地区自治振興会)
- URL:鶴岡市加茂地区
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北前船の船主たちが崇拝した「龍王尊 善寳寺」
『龍王尊善寳寺(りゅうおうそんぜんぽうじ)』は、海の神様龍神を祀る寺として海洋関係者によく知られています。951年に妙達上人(みょうたつしょうにん)によって開かれたといわれる古刹で、豊川稲荷(とよかわいなり/愛知県豊川市)、最乗寺(さいじょうじ/神奈川県南足柄市)と並ぶ曹洞宗(そうとうしゅう)の三大祈祷所です。
境内裏手の貝喰池(かいばみいけ)の畔には「龍神堂」があり龍神が祀られています。
「五百羅漢堂(ごひゃくらかんどう)」は北前船で財をなした商人たちの寄進によって建てられたお堂です。安置されている531体の羅漢像も同じく寄進により作られました。
五百羅漢堂、総門、五重塔など6つの建物は国の登録有形文化財です。
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- 名称:龍王尊善寳寺
- 所在地:山形県鶴岡市下川字関根100
- 電話番号:0235-33-3303
- 参拝無料
- URL:善寶寺
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船主より奉納された北前船模型や船箪笥などが所蔵される「致道博物館」
鶴岡市内の『致道博物館』には、北前船船主により奉納された船舶模型や船絵馬、四爪錨(よつつめいかり)、出船手形、船鑑札、船箪笥(ふなだんす)等が所蔵され、公開されています。
『致道博物館』は、北前船の交易に力を入れていた庄内藩主酒井家の庭園や旧庄内藩主御隠殿、田麦俣の元養蚕農家家屋、鶴岡が栄えていた明治時代に建てられた旧西田川郡役所や旧鶴岡警察署庁舎、庄内地方の重要有形民俗文化財など貴重な歴史的遺産が移築、展示されています。
INFORMATON
- 名称:致道博物館
- 所在地:山形県鶴岡市家中新町10-18
- 電話番号:0235-22-1199(致道博物館)
- 開館時間:
- 3月~11月/9:00~17:00(入館は16:30まで)
- 12月~2月/9:00~16:30(入館は16:00まで)
- 休館日:12月28日~1月4日、水曜日(12月~2月)
- 入館料:一般 800円、高大生 700円、小中学生 300円
- URL:致道博物館
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庄内藩主の居城跡地は、市民憩いの公園に。「鶴ヶ岡城址鶴岡公園」
「鶴ヶ岡城址鶴岡公園」は、庄内藩主酒井家の居城だった鶴ヶ岡城の跡地を公園として整備したものです。鶴ヶ岡城は明治時代になって取り壊されてしまいましたが、城跡には「荘内神社(しょうないじんじゃ)」が建立されました。「荘内神社」本殿の瓦には鶴ヶ岡城の瓦が使用されています。
「鶴岡公園」内には堀や石垣、樹齢数百年の杉など、城郭時代の遺跡も多く残っています。敷地内に建つ「『大寶館(たいほうかん)』は、1915年(大正4年)、大正天皇の即位を記念して建てられたもので、第2次大戦後市立図書館として使われていました。現在は明治時代の文学者高山樗牛(たかやまちょぎゅう/1871年~1902年)ら鶴岡が生んだ偉人たちの資料が展示されています。
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- 名称:鶴岡公園
- 所在地:鶴岡市馬場町4-7
- 電話番号:0235-25-7678(鶴岡観光ナビ)
- 開場時間:24時間
- 料金:無料
- 名称:大寶館
- 所在地:鶴岡公園内
- 電話番号:0235-24-3266
- 開館時:9:00~16:30
- 休館日:水曜日(祝日の場合は次の平日)年末年始(12月29日~1月3日)
- 入館料:無料
- URL:鶴岡公園大寶館
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解体され江戸から北前船で運ばれた「旧庄内藩主御隠殿」
「旧庄内藩主御隠殿(ごいんでん)」は、庄内藩11代藩主酒井忠発(さかいただあき/1812年~1876年)の隠居屋敷で、江戸中屋敷だった建物を北前船で運んで鶴岡に移築したものです。庄内領内の材木を多く使って建てられたという記録も残っています。 現在は致道博物館内に再移築されて常設展示されています。
鶴岡の隆盛ぶりが分かる明治時代の役所「旧西田川郡役所」
「旧西田川郡役所」は、1881年(明治14年)に建てられた旧西田川郡の役場です。旧西田川郡は,、江戸時代の庄内藩の領域で、鶴岡市の西側と酒田市の西側を合わせた日本海に面したエリアとなっていました。
「旧西田川郡役所」は、基本的に西洋風建築なのですが、日本建築の要素も入る疑似洋風建築といわれる建物です。現在は致道博物館内に移築され、庄内出土の考古学資料や幕末の戊辰戦争から明治文明開化期の資料などが展示されています。「旧西田川郡役所」は国の重要文化財です。
人の多い鶴岡を取り締まった「旧鶴岡警察署庁舎」
「旧鶴岡警察署庁舎」は、1884年(明治17年)に建てられたもので、木造2階建ての代表的な疑似洋風建築です。「旧西田川郡役所」や「荘内神社」などを手がけた鶴岡出身の建築家高橋兼吉(たかはしかねきち)が手がけた傑作といわれています。現在は致道博物館内に移築され、致道博物館事務所棟として使用されています。「旧鶴岡警察署」は国の重要文化財です。
鶴岡市は日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に認定されています。
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鶴岡観光ナビ
- 問い合わせ先:DEGAM鶴岡ツーリズムビューロー
- 電話番号:0235-25-7678
- URL:鶴岡観光ナビ