【福島県白河市】白河ってどんなところ?歴史・観光地・名物など”地域がわかる”雑学の玉手箱シリーズ

「○○○って、どんなところ?」と聞かれたときに、スラスラと説明できたらかっこいいですよね。そんなシーンで役立つ雑学を詰め込んだのが、“地域がわかる”雑学の玉手箱シリーズです。歴史や文化などのあらゆる角度から、その地域を特徴づける雑学を厳選してご紹介します。

今回は福島県白河市にまつわる雑学の玉手箱のフタを開いていこうと思います。はたして白河市とは、どんな地域なのでしょうか。


【白河市の成り立ち】名士が治めた交通・物流の要所

白河の関 参道
白河の関 参道

福島県白河市は、みちのくの玄関口として有名です。それは645年から始められた政治改革「大化の改新」により、陸奥国白河郡が置かれ、「白河関」が誕生したことに起因します。その後、多くの旅人たちを見送ってきた白河は、関所としての働きを終えた後も「旅情を表す歌枕」として文人たちのあこがれの地となりました。

物流や地領の要所であった白河の地の統治には、歴史の流れを背景にさまざまな名だたる武将が関わっています。まず鎌倉時代以降400年ほど当時していた結城家は、源頼朝のもとで活躍した結城朝光の子孫の一家です。しかし豊臣秀吉による奥羽仕置をうけ、白河の地は会津領とされます。江戸時代初めの1627年に初代白河藩主となった丹羽長重が現代の白河につながる市街地の基礎を作り上げ、それ以降は7家21代と藩主が変わりました。その中でも有名なのが、老中首座として「寛政の改革」を主導した松平定信です。天明の大飢饉の際に領民を救う食料援助を行い、白河藩から餓死者を出さなかった名君とされています。

その後、1868年の戊辰戦争白河口の戦いにて戦場となったことから、小峰城は主要な建物を消失して落城し、近代化の波に飲まれていきます。


【白河観光の見どころ】歴史ロマンを感じる史跡が多数

歴史の表舞台にたびたび登場する白河。雄大な歴史ロマンを感じたい方におすすめの観光スポットは、以下の3つです。

  • 白河小峰城
  • 南湖公園
  • 白河関跡

それぞれの見どころと併せてご紹介します。


白河小峰城

白河小峰城跡
白河小峰城跡

初代藩主・丹羽長重が完成させた小峰城は、戊辰戦争白河口の戦いで焼失しましたが、平成の世になってその一部が復元されました。現在復元されているのは、三重櫓(武器・食料の保管や物見に使用)と前御門(本丸の正門)です。そのほか、当時のなごりを残す石垣や太鼓櫓も残されています。

白河小峰城<Information>

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南湖公園

南湖公園
南湖公園

12代白河藩主・松平定信がつくりあげた公園とされています。当時の庭園といえば城やお屋敷などにつくられるものでしたが、身分に関係なく誰でも気軽に楽しめる場所としてつくられた南湖公園は、今も市民の憩いの場となっています。湖水周りの散策コースは約2kmほど。雄大な山々を背景に、季節にうつろぐ草花や木々の姿を楽しめます。敷地内には松平定信を祀った南湖神社や茶室などもありますので、足を休めつつ、ぐるりと見て回ると良いでしょう。

園内にある日本庭園「翠楽苑」では、紅葉の時期に園内のライトアップイベントを行うことも。幻想的な光と紅葉の共演は見ものです。こちらも気になったらチェックしてみてください。

南湖公園<Information>

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白河関跡

白河関跡
白河関跡

奥州三古関のひとつである白河関の跡を残す地です。人の往来や物流を取り締まる役を果たしていましたが、その機能を失ってからも、みちのく旅への思いを馳せる場として数々の文芸作品に登場。松尾芭蕉も『白河の関にかかりて旅ごころ定まりぬ』と、旅路につく喜びを表しています。敷地内には12代白河藩主・松平定信が「この場所が白河関跡に間違いない」と記した古関蹟碑や、白河神社などもあります。

白河関跡<Information>

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【白河グルメ】思わず「ぷはぁっ」と飲み干したくなる!至極の一杯「白河ラーメン」

白河ラーメン
白河ラーメン

白河市は、全国的にも有名な「白河ラーメン」を生んだ地であり、数えきれないほどのラーメン店が軒を連ねるラーメン激戦区です。白河ラーメンの特徴は、「手打ちのちぢれ麺」と「醬油ベースのあっさりとしたスープ」。さらにフチが赤いチャーシューを使う店が多く、このチャーシューが乗っていると「白河ラーメンらしさ」をより一層感じます。

ヒラヒラとちぢれた麺は、塩味のきいた醤油スープをたっぷりまとって、のど越しよくツルツルと流れ込んできます。スープは鶏ガラや豚骨といった動物系のダシが主流で、上品でありながら奥深い味わいです。一般的なラーメン店に比べて、メニュー数がしぼられている店が多いのも白河ラーメンの特徴の一つでしょう。ラーメン・チャーシューメン・ワンタンメンの組み合わせがポピュラーで、いさぎよいシンプルなメニュー構成には味への確固たる自信が表れているように感じます。

「白河に来てよかった~」と腹の底から感じられる、至極の一杯があなたを待っています。白河市においでの際は、ぜひ一杯…いや、二杯、三杯と、心行くまで腹におさめていってくださいね。

【白河の温泉】心も体もリラックスできる美人の湯「きつねうち温泉」

「東風の台公園」内にある「きつねうち温泉」は、アルカリ性の単純温泉で、お肌がつるつるになる美人の湯として知られています。

日帰り入浴も可能ですが、宿泊設備やキャンプ場も併設しており、合宿利用にも人気です。自然を感じながらのんびりと浸かれる露天風呂のほか、大浴場、サウナ、水風呂があります。気軽に訪れられるオープンな雰囲気もうれしいところ。旅の疲れを癒すため、ちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

きつねうち温泉<Information>

  • 名  称:きつねうち温泉
  • 住  所:〒961-0302 福島県白河市東釜子狐内47
  • 電話番号:024-834-1126
  • 公式URL:http://kitsune.life.coocan.jp/

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【白河の名産品】縁起のいい模様で福を呼ぶ!人気の白河だるま

白河市の民芸品といえば、白河だるまが有名です。作り始められたのは江戸時代後期ごろ。12代白河藩主・松平定信がお抱え絵師の谷文晁にだるまのデザインをさせ、産業として成長を図ったことが大きなきっかけとなったとされています。

白河だるまの特徴は、やさしめの顔つきと、縁起の良いデザイン。眉は鶴、ひげは亀、あごひげは松や竹、もみあげ部分のびんひげには梅や松といった縁起物を顔の模様として描いています。そんな縁起の良いだるまを求めて、例年2月11日に開催される「白河だるま市」には、たいへん多くの人が訪れ、賑わいをみせます。

スタンダードな赤いだるまのほか、近年ではバリエーション豊かな現代風のだるまも作られています。「白河らしいお土産」をお求めの際は、ぜひチェックしてみてくださいね。


福島県白河市は雑学がいっぱい!

今回は福島県白河市の雑学アレコレを紹介しました。

みちのくの玄関口として、人々の往来や物流を見守り、成長を遂げてきた白河。現代にも残る史跡や文化からは、当時の様子をうかがうことができます。白河を訪れた際は、タイムスリップ気分を楽しみつつ、特別なひと時をお過ごしくださいね。

追伸、白河ラーメンは本当においしいです。現地の空気感の中で食べる“旅先での一杯”は、より格別ですので、ぜひお忘れなく…!


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