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【秋田県男鹿市】初めての生「なまはげ」に興奮!第62回なまはげ柴灯まつり現地レポ
目次
日本一有名といっても過言ではない来訪神「なまはげ」の聖地である秋田県男鹿市。
2025年2月9日、この男鹿市の真山(しんざん)神社で毎年行われ、今年で62回目を迎える「なまはげ柴灯(せど)まつり」を見に行ってきました!
三日間の日程で開催された第62回なまはげ柴灯まつり
なまはげ柴灯(せど)まつりは、秋田県男鹿市北浦の真山神社で毎年行われる冬祭りで、今年で開催62回を迎える歴史あるお祭りです。
毎年2月の第二土曜を含む金・土・日の3日間開催されます。
なまはげ柴灯まつりの始まり
始まりは昭和39(1964)年、男鹿市北浦湯本の男鹿温泉郷の冬場の観光を盛り上げようと、900年以上前から真山神社で行われている神事「柴灯祭(さいとうさい)」と、民俗行事「なまはげ」を組み合わせた冬の観光行事として企画されました。
当初は男鹿温泉郷にある星辻神社で始まりましたが、年々来場者が増え会場が手狭になったため、舞台を真山神社に移し、発足から一度も中止になることなく現在に至っています。
【15:00~】現地到着
当日は駐車場の一般開放時間である15:00~に合わせて現地入り。
なまはげ柴灯まつりの開催に合わせて無料開放されている周辺施設「なまはげ館」と「男鹿真山伝承館」を見学しながら祭りの開催を待ちます。
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17:00過ぎ頃になると辺りも暗くなり、真山神社の参道に設置された提灯に明かりが灯ります。そろそろ会場を目指すことに。
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多くの人で賑わう山門付近。会場に向かう人の列が延々と続きます。
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山門を通過中にふと上を見上げると巨大な出刃包丁が奉納されていました!さすがなまはげに所縁のある神社です。
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当日の行事予定。神社境内のあらゆる場所で順を追って行事が開催されるので、それに合わせて境内を移動することになります。
一か所にとどまって観覧する形ではないので、すべての行事をベストポジションで観覧するのは至難の業です。
境内の中心部には観覧用の大型モニターが設置されているので、いい場所に陣取れなかった場合はそのモニターで行事の様子を見ることも可能です。
【18:00~】鎮釜祭・湯の舞
湯の舞(ゆのまい)は男鹿地方に伝わる祓い神楽を奉納し、鎮釜祭(ちんかまさい)は大釜に沸かしたお湯を神官が祓いの言葉を唱えながら藁ボウキでかき回すというもの。海の波や荒れを鎮める信仰があるといわれています。
初動から位置取りに失敗…全く見えずでした。境内のキャパシティに限界があり、一日の来場者数を2000人に制限しているというものの、会場は人が溢れかえっていて、ちょっと移動するのもなかなかに困難です。
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上の画像の左下部分、若竹がライトアップされている付近で行事が行われています。
【18:20~】なまはげ入魂
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「なまはげ入魂」は若者達が社殿脇の参道入口の石段付近にて、なまはげ面を授かり身につける行事。
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この儀式で若者達はなまはげと化し、奇声を上げながら参道を登り山の方へと姿を消していきます。
【18:35~】なまはげ行事再現
男鹿市内各地で大晦日に行われる民俗行事「男鹿のナマハゲ」の再現が神楽殿にて行われます。
普段は「男鹿真山伝承館」で見られるものですが、なまはげが家を訪れ訓示を残し帰っていく様子を見ることができます。
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神楽殿ではなく右側を見ている人が多いのは、観覧用大型モニターで「なまはげ行事再現」を見ているためです。
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神楽殿を個人宅に見立てて、実際にどのようになまはげが来訪してくるのか?を体験することができます。
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神妙すぎて逆になまはげが説教されているかのような写真ですが、なまはげが家の主人に訓示を示しているところです。笑
【18:55~】なまはげ踊り
次は境内中央の紫灯火前に舞台を移して「なまはげ踊り」が開催されます。
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もともとは男鹿温泉郷の湯治客を楽しませるために、秋田出身の現代舞踏家・石井漠氏とその息子の作曲家・石井歓氏の手によって完成した「なまはげ踊り」を赤と青二体のなまはげが披露します。
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巨大な焚火(紫灯火)の前で披露される踊りは幻想的ですらあり絶好のシャッターチャンスでもあります!
【19:05~】なまはげ太鼓
次は神楽殿に再度舞台を移し「なまはげ太鼓」の披露。
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なまはげと和太鼓を組み合わせた男鹿の郷土芸能で、1970年代に「なまはげ踊り」と同様に、男鹿温泉郷の湯治客に披露するための新たな芸能として考案されたのが起源とされています。
この日はなまはげに扮した「男鹿和太鼓愛好会」の方々の演奏が披露されました。
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次の行事のために早々に場所を移動していると…横にもバッチリ視線をくれるなまはげさんでした。
【19:25~】なまはげ下山・献餅(けんぺい)
なまはげ入魂で山へと消えていったなまはげが、松明をかざして雪山の闇の中から境内へと戻ってきます。
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真っ暗な山の中から突如現れるなまはげの集団の姿は「本当に山の中に存在するのではないか?」と思わせるリアリティもあり、恐ろしさも感じます。
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なまはげの登場に合わせるかのように雪が降りだし吹雪のような天候に代わり、幻想的な光景が演出されていました。
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なまはげが境内に侵入すると周りに人々が殺到します。まるで空港に降り立った芸能人のよう。
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しばらく境内を練り歩いたなまはげの集団は、続く「献餅(けんぺい)」の行事に移ります。
社殿脇の参道付近で、神官の捧げる柴灯火で焼かれた護摩餅を神の使者であるなまはげに進ずる儀式で、神力が宿り容易に触れることができない護摩餅を、なまはげが苦労しながら神の元へ持ち帰る様子が演じられます。
なまはげ入魂から始まる一連のストーリーはここで完結となります。
【20:00~】里のなまはげ乱入
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最後は男鹿市内各地区の個性的ななまはげが境内に乱入します。いわゆる「撮影タイム」で、お気に入りのなまはげに声をかけると写真撮影に応じてくれます。
怖い顔に泣き叫ぶ子供たちとは裏腹に、優しく声をかけて慰めるなまはげが印象的でした。
まとめ
知っているけど見たことはなかった「男鹿のなまはげ」。実際に目の当たりにするなまはげは恐ろしくも神々しく、迫力満点であっという間の二時間でした!
毎年2月の第二土曜を含む金・土・日の3日間開催と、開催日が固定されていることで「行く!」と決めてしまえばかなり前から準備ができるのもこの祭りのいいところなので、興味がある方は計画してみてはいかがでしょうか?
ただし一日の来場者上限が2000人に制限されているため、祭りの参加には事前申し込みが必要です。そちらも忘れずに申し込みをするようにしてください!
なまはげ柴灯まつり<Information>
- 名 称:なまはげ柴灯(せど)まつり
- 開催場所:真山神社(〒010-0685 秋田県男鹿市北浦真山水喰沢97)
- 日 程:毎年2月の第二土曜を含む金・土・日
- お問合せ:なまはげ柴灯まつり実行委員会(0185-24-9220)
- 公式URL:https://oganavi.com/sedo/