秋田名物ババヘラアイス

秋田の夏の風物詩「ババヘラアイス」って知ってる?レトロで可愛い手作りアイスの魅力を徹底解説!

ピンクと黄色のアイスが、まるでバラの花のように盛り付けられて手渡される—そんな光景を目にしたことはありますか?

それは秋田県の夏の名物「ババヘラアイス」。その素朴な味わいと懐かしい販売スタイルは地域の人々に長年愛され続け、今や観光客の間でも人気のご当地グルメとなっています。

今回はその誕生の背景から、どこで買えるのか、現代的な進化形まで、ババヘラアイスの魅力をたっぷりご紹介します!


「ババヘラアイス」とは?ユニークな名前の由来

ババヘラアイスを盛り付けている様子

「ババヘラ」という言葉は、方言を含む秋田独特の呼び名です。

「ババ」は秋田弁で「おばあさん」の意味。そして「ヘラ」はアイスをすくって盛る金属製のヘラを指します。つまり「ババヘラアイス」とは、

おばあさんがヘラですくって作ってくれるアイス

という意味なのです。

実際、ババヘラアイスの販売員は高齢の女性が多く、カラフルなパラソルの下でアイス缶を前に立ち、道行く人に笑顔でアイスを手渡してくれます。販売のスタイルは昔ながらで、冷凍庫ではなく保冷缶に入れた手作りアイスを、注文ごとにヘラで手際よく盛り付けるというものです。

どんな味?ババヘラアイスの特徴

ババヘラアイス

ババヘラアイスの魅力は、見た目の可愛さだけではありません。最大の特徴は、ピンク(いちご風味)と黄色(バナナ風味)の2色のアイスが美しいコントラストを成し、ヘラで器用に重ねられてバラの花のような形状に仕上がること。食べるのがもったいないほど美しく写真映えも抜群です。

また、アイス自体の味わいもあっさりしていて、シャーベットとアイスクリームの中間のような舌ざわり。甘さも控えめで、暑い夏の日でもペロリと食べられる軽やかさが魅力です。

カラフルに進化を遂げた最近のババヘラアイス事情!

青いババヘラアイス

最近の「ババヘラアイス」は、ピンク&黄色の定番だけでなく多彩な色と味が登場し進化を遂げています。以下のその主なバリエーションと味情報をご紹介します!

ブルー&ホワイト(ソーダ & ミルク)

  • ソーダ(青)とミルク(白)の組み合わせ。
  • 爽やかなソーダ味に、まろやかなミルクが加わり、シャーベット状の軽やかさでとてもスッキリ。
  • ブラウブリッツ秋田の試合会場など特別な場所で販売されている限定色でもあります。

メロン味(緑&白)

  • 秋田県産メロン果汁使用。緑がメロン味、白がミルク味。
  • メロンの自然な香りと爽やかな後味が特徴で、さっぱり感が人気。

ブドウ味(紫&白)

  • 横手市の大沢ブドウジュースを使った紫&白の組み合わせ。
  • ブドウシャーベットのような風味で、ミルクと交互に食べると味わい深い。

ソーダ&レモン(青&黄色)

  • ソーダ(青)とレモン(黄色)の爽快な組み合わせ。
  • ブラウブリッツ秋田のチームカラーにもマッチし、試合などで登場しています。

あじさいブルー(青&紫)

  • 男鹿市の雲昌寺であじさいシーズン限定販売。
  • 青がラムネ味、紫がブルーベリー味と、花の名前にちなんだカラー&フレーバー。

パイン&リンゴ(ピンク&黄色系)

  • ピンク=リンゴ味、黄色=パイナップル味の組み合わせ。
  • 児玉冷菓が2020年に開発した新味で、甘酸っぱくてジューシー。

黒蜜&きなこ(茶系)

  • 黄色がきなこ、薄茶色が黒蜜。
  • 和風のコクとさっぱり感が共存するシャーベット感覚の和テイスト。

販売されている場所とシーズン

ババヘラアイス売りのパラソル

販売は主に5月〜9月の夏季限定。暑い時期になると、秋田県内のさまざまな場所にパラソルが登場します。

どこで買える?

以下のような場所でよく見かけます:

  • 国道などの主要道路の路肩
  • 秋田県内の道の駅
  • 竿燈まつりや大曲の花火大会などの夏のイベント会場
  • 秋田駅前や空港周辺の観光拠点

販売員は「ここにいますよ」という合図として、色鮮やかなパラソルを立てていることが多いため、ドライブ中でもすぐに見つけられます。購入する際は以下のポイントも頭の隅に入れておきましょう!

  • 現金払いが基本(カード・電子マネーは基本的に非対応)
  • 天候によっては早めに撤収することもあるので、見かけたら即購入がオススメ!
  • バラ盛りは注文が集中すると対応が難しいこともあります。

ババヘラの製造元と歴史

ババヘラアイスの元祖として知られているのは、男鹿市に本社を置く「進藤冷菓」です。昭和30年代に登場し、当初は家庭で作られていた氷菓をバケツに入れて道端で販売したのが始まりとされています。

現在では複数の製造元が存在し、それぞれ微妙に味や色合いが異なります。

また、製造業者から販売員(多くはパートの年配女性)へアイス缶やパラソルが貸与され、夏の間だけ販売に出るという地域密着型のビジネスモデルも特徴のひとつです。

進藤冷菓<Information>

  • 名  称:有限会社進藤冷菓
  • 住  所:秋田県男鹿市角間崎字下屋長根12-1
  • 電話番号:0185-46-2066
  • 公式URL:http://babahera.net/

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おうちでも楽しめる!ババヘラアイスは通販でも購入可能

カップ入りのババヘラアイス

最近では、現地に行かなくてもババヘラアイスを楽しめるようになりました。

製造元や地域の特産品ショップなどから、オンラインで冷凍便による通販が可能で、リアルに再現されたコーン付きのものから、食べやすいカップ詰めのものまでさまざまなバリエーションがあります。


今は秋田を離れてしまった人でも、いつでも懐かしい「あの味」を自宅で体験できます。


秋田の夏を彩る手作りアイスをぜひ体験してみて

昭和から平成~令和と時代が変わっても、ババヘラアイスは変わらぬ姿で秋田の夏を彩り続けています。素朴な甘さと人の手のぬくもり、そして見た目の美しさ。それはまさに「食べる思い出」ともいえる体験です。

秋田に訪れた際は、ぜひあのパラソルを見つけて、心も体も涼しくなるババヘラ体験をしてみてください!


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