【秋田】有名学者が生み出した陶器?《阿仁焼》
秋田県内には神秘的な青い色をした焼き物である「楢岡焼」など色々な陶器が存在しています。どの陶器にも特有の歴史があり、現在はお土産品・伝統工芸として県内外の人に愛されています。秋田県の陶器の特徴は、青や白といった色彩の焼き物が多いところです。これは白や青の色彩が出る釉薬を利用するからだと言われます。秋田県の山々や海、川、湖はまさに「神秘的な青」「青がかった緑」という色彩ですから、焼き物を見るだけでも秋田の自然を感じていただけるはずです。
しかし、秋田の焼き物には他の特徴的な色彩をしたものもあるのです。「阿仁焼」という、ある有名学者がきっかけになって誕生した秋田県の伝統工芸をご紹介します。こちらの色彩は黒と白!その色彩と歴史に迫ります。
平賀源内がきっかけを作った?黒と白の阿仁焼
秋田の伝統工芸の一つである阿仁焼は黒い地に白い色彩が特徴的な陶器です。画像がこの阿仁焼の陶器なのですが、漆黒に独特な白い文様が入っているのがおわかりいただけると思います。
この阿仁焼は230年ほど前に平賀源内がきっかけで生み出されたといわれています。阿仁銅山増産のために日本では有名な歴史上の人物である平賀源内が阿仁銅山に招かれた折、良質な陶芸用の土地を発見して焼かせてみたのがはじまりだったと伝わっています。
平賀源内といえば日本の夏の風物詩でもある土曜の丑の日にウナギを食べるようになったきっかけを作った学者としても知られています。黒と白の阿仁焼の器にたれをたっぷりつけたウナギと白米をよそうと・・・まさに和食という色彩になりますね。
すべて手作り!色も模様もオンリーワン
阿仁焼は明治に一度廃窯となりましたが、1970年代に復活した焼き物です。秋田県に住んでいても近年まで「お店に並んでいるところを見たことがないぞ?」という人もいます。それは、明治に一度作られなくなって、昭和になってから復活した焼き物だからという理由があるからなのです。
現在、この阿仁焼を作っているのは秋田県内の阿仁焼窯元・源山窯の矢旗充さんお一人だけです。地元・阿仁荒瀬の土を使用し、一つ一つ手作りで作成しています。全て手作りだからこそ、一つとして同じ文様の陶器はありません。
阿仁焼は秋田県内のお土産屋で購入できる他、インターネットでも購入可能です。一人の方が手作りしているからこそ、一つ一つに個性が出ます。和食との組み合わせも美しいため、お土産品としても高い人気を誇っています。
お土産屋で選ぶ際は、「一つ一つ文様が違う」ことを頭に入れて、自分がこれぞと思うオンリーワンを探すことがポイントです。
最後に
阿仁焼は平賀源内により生み出されたともいえる伝統品ですが、昭和に復活した新たな秋田県の伝統民芸品ともいうべき陶器です。一つ一つ手作りのため柄は異なりますが、和食に映える黒と目を惹く白が特徴です。
秋田県内にお越しの際は、あなたのオンリーワンを選んでみてください。県内のお土産屋さんでは取り扱いをしているところも多く、眺めるだけで伝統を感じることができることでしょう。