歴史

【岩手県】東北6県の名水をご紹介!岩手県では街を流れる名水にアユやサケが遡上する!

岩手県には、東北一番の流域面積をもち豊かな水をたたえる北上川水系が流れ、さらに水源となる山林が多くあり水資源が豊富です。

とくに県庁所在地の盛岡市は、「名水」とされる中津川で鮎釣りや鮭の遡上を見ることができるほか、街中のあらゆるところに清涼な水が湧く「杜と水の都」として知られています。

「名水」とは?

日本には水質がよく豊富な水量の湧水・河川・地下水などがたくさんあり、飲用水・生活用水・農業用水として人々の命を支えています。

これらのなかでとくに清涼な水源が「名水」と呼ばれています。

そのはっきりとした定義や基準はありませんが、全ての名水に共通しているのは、きれいな水であり続けるよう地域で大切に守られているということです。

環境省が選定した「名水百選」と「平成の名水百選」

1985年(昭和60年)に当時の環境庁が、全国の河川や湧き水などからとくに優れた水環境を選び、それらを将来にわたって保全していくことを目的に「名水百選」が選定されました。

そして2008年(平成20年)には河川と湧水に加えて用水や地下水も含めた「平成の名水百選」が登場して、併せて200の名水が選ばれ、東北では12カ所ずつ計24カ所が名水とされています。

環境省制定 名水百選 公式サイト

環境省選定 平成の名水百選 公式サイト

「環境省選定 名水百選」に選ばれた岩手県の名水

県内有数の観光スポットの龍泉洞と八幡平から選ばれています。

龍泉洞地底湖の水(りゅうせんどうちていこのみず:下閉伊郡岩泉町)

龍泉洞事務所 公式サイトより

日本3大鍾乳洞の一つ龍泉洞は、総延長4km以上の長大な鍾乳洞で国の天然記念物です。

カルシウムがたっぷり含まれた弱アルカリ性の水が豊富に湧き、透明度が高く水深の深い神秘的な地底湖が数カ所にあり、現在は3つの地底湖が観光用に公開されています。

湧水は岩泉町の水道水として使われているほか、「龍泉洞の水」として販売されていて、この水でいれた缶コーヒー「龍泉洞珈琲」も岩手県内の販売店やオンラインショップなどで購入可能です。

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金沢清水(かなざわしみず:八幡平市松尾寄木)

岩手山のふもとにある八幡平市に湧き出ている7つの湧水群の総称です。

八幡平市の上水道の水源として守られている湧水は1年を通して水温が9℃~13℃に保たれ、ニジマス・ヤマメ・アユなどの養殖にも利用されています。

最近注目されているバナジウムを多く含むことから、「いわて八幡平の大湧水」の名でミネラルウォーターとしてオンラインショップ販売されています。

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「環境庁選定 平成の名水百選」に選ばれた岩手県の名水

県内に3か所あって盛岡市内では湧水と河川、一関市内で湧水1カ所が選ばれました。

大慈清水・青龍水(だいじしみず・せいりゅうすい:盛岡市)

盛岡市内の鉈屋町(なたやちょう)にある江戸時時代から使われている共同井戸で、どちらも原敬元首相の墓所で知られる大慈寺(だいじじ)と近くの祇陀寺(ぎだじ)の境内の湧水から引かれています。

井戸の造りはどちらも同じで、吐水井戸から順番に一番井戸は飲用、二番井戸は米とぎ用、三番井戸は洗い物用、四番井戸は足洗い用と使い方が決められています。

いずれの井戸もまれに水が涸れることがありますが、地元で定期的に掃除するなど管理されています。

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  • 施設名称:大慈清水
  • 所在地:岩手県盛岡市鉈屋町3-15
  • 施設名称:青龍水
  • 所在地:岩手県盛岡市大慈寺町1
  • 電話番号:019-604-3305(盛岡観光コンベンション協会)
  • URL:東北観光推進機構 公式サイト

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中津川綱取ダム下流(なかつがわつなとりだむかりゅう:盛岡市)

盛岡市 公式Facebookより

北上山地を源流とする中津川は北上川の支流で、盛岡市内の綱取ダムから北上川に合流するまでの約7kmの間が名水に選ばれています。

盛岡市の官公庁街や盛岡城跡など街の中心部を流れながらも、夏はアユ釣りの釣り人を、晩秋はサケが遡上する姿を眺められる清流です。

真夏には足場のよい浅瀬で子どもたちが水遊びを楽しむなど、盛岡市民の暮らしに欠かせない名水の川として愛されています。

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須川岳秘水ぶなの恵み(すかわだけひすいぶなのめぐみ:一関市)

須川岳(栗駒山)のふもとには300年以上前から湯治場があり、その昔湯治客の荷物かつぎの強力(ごうりき)たちが使っていた涌水「ひゃっこ水」が彼らのノドの渇きを癒していたそうです。

長い年月でその存在はいつしか伝説となっていましたが、ぶな林の開発をきっかけに地元で探したところ、2000年(平成12年)に水源が発見され、公募で「ぶなの恵み」と名付けられました。

2008年の「岩手・宮城内陸地震」では被害を受けましたが今の場所に整備され、水を汲む住民や観光客の姿が絶えない名水となっています。

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  • 施設名称:須川岳秘水ぶなの恵み
  • 所在地:岩手県一関市厳美町
  • 電話番号:0191-21-8413(一関市役所商工労働部観光物産課観光係)
  • URL:平成の名水百選 公式サイト

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盛岡市内は飲める「名水」の宝庫

北上川と中津川、雫石川(しずくいしがわ)などの支流が流れ、四方の山から伏流水が流れ込む盆地の盛岡市には、「清水」と呼ばれる涌水がたくさんあります。

そのなかには管理がされていないものや涸れてしまったものもありますが、次にご紹介する清水は今も飲むことができる美味しい涌水の名水です。

盛岡三清水(もりおかさんしみず)

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先にご紹介した「大慈清水」と「青龍水」のほか、もう一つは盛岡の繁華街・大通りの盛岡城跡公園近くにある「御田屋清水(おたやしみず)」で、地元では有名な「都会のオアシス」的な名水です。

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  • 施設名称:御田屋清水
  • 所在地:岩手県盛岡市大通1丁目3-4
  • 電話番号:019-651-4111(盛岡市役所)
  • URL:盛岡市 公式Facebook

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賢治清水(けんじしみず)

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中津川にかかる下ノ橋のたもとにあるこの名水は、かの宮沢賢治が学生時代に下宿が近くにありました。

賢治が使用していた井戸跡をボーリングして湧き出た名水なので、この名が付けられました。

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まとめ

2023年1月12日付けのニューヨークタイムズ紙で紹介された「2023年に行くべき52か所」の2番目に、盛岡市が選ばれ話題になっています。

その理由に挙げられた盛岡三大麺やコーヒーの美味しさの秘密には、よい水の存在があると言われていますが、盛岡市は名水だけでなく水道水も美味しい街です。

皆様は、水が美味しさの決め手となる豆腐の消費量日本一が、盛岡市であることをご存知でしょうか?

市内には美味しい豆腐を作るお店がありますが、これも良質の水があるおかげとされています。

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盛岡を愛し東北六県を愛し、歴史・グルメ・旅行・スポーツ・お酒・合唱大好きな元江戸っ子オヤジです。
東北の面白いもの、美味しいもの、良いところをご紹介します!

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