拝殿

【宮城県】仙台にある徳川家康を祀る神社「仙台東照宮」は重要文化財の宝庫!

JR仙台駅から仙山線で一駅の「東照宮駅」にはその名前の由来となった神社「仙台東照宮(せんだいとうしょうぐう)」があります。


仙台藩二代藩主伊達忠宗に創建された徳川家康を祀る神社

仙台東照宮は1654年に、仙台藩2代藩主・伊達忠宗により創建された東照大権現(徳川家康)を祀る神社で、開運厄除・家内安全・学業成就・商売繁盛・必勝祈願などの御神徳があるといわれています。

拝殿
仙台東照宮の拝殿

1591年に徳川家康が葛西大崎一揆鎮圧の視察を終えたあと、現在は仙台市宮城野区榴ヶ岡にあり、当時はこの地にあった天神社(現在の榴岡天満宮)の境内で伊達政宗と休息したと伝わることと、仙台城から正確に北東方面に位置することから、鬼門鎮守の役割を担う仙台藩の守護神とするためにこの地が選定されたといわれています。

仙台東照宮の創建は藩の総力をあげた一大プロジェクトだった

1649年5月に江戸幕府三代将軍・徳川家光に東照宮造営の勧請が許可され、1649年8月に普請を開始。現在も同地に存在する別当寺・仙岳院なども合わせて、5年後の1654年に竣工しました。

これは仙台藩総力をあげての一大プロジェクトで、当時の造営に携った総人数は80万人以上、総工費小判22,443両を要したといわれています。

あくまで参考ですが、現在のお米の価格を5kg約2,000円として米価で換算すると当時の1両は約60,000円なので、総工費は現在の貨幣価値で13億円以上となります。

仙台東照宮の門前町として発展した宮町商店街

現在のJR仙台駅の北部に位置する宮町商店街。仙台東照宮まで一本長い通りが続いていることから想像できる通り、ここはもともと「御宮町」と呼ばれ、東照宮造営にあたり門前町として地割りされた地域で、仙台駅の開通前は広瀬川まで続く仙台の南北に通る最長の道でした。

当時の住民は「東照宮御用」として東照宮に奉仕することが義務とされていて、「境内掃除役」や東照宮祭礼時には「神輿飾方」などの役割が課せられていましたが、その代わりに税金が一部免除されるなどの経済的恩恵を受けていたそうです。


現在も境内に残る数々の文化財

仙台東照宮は現在に至るまで火災や地震など数々の災害に見舞われましたが、それでも境内にはたくさんの重要文化財が残っています。

石鳥居

石鳥居(国の重要文化財)
仙台東照宮の石鳥居(国の重要文化財)

仙台東照宮の創建者である伊達忠宗によって奉納された石造の明神鳥居で、鳥居の柱に「承応三年(1654年)午甲四月十七日」の刻銘があり、宮城県内に現存する最古の鳥居です。

石灯篭

石灯籠と随身門(国の重要文化財)
仙台東照宮の石灯籠と随身門(国の重要文化財)

伊達家の一族や家臣より奉納されたもので、1666年頃に起きた有名な事件「伊達騒動」の後、事件に関係した家臣の石灯籠は撤去され、現在はその後奉献されたものをあわせて38基が境内に現存します。

表参道石段脇にはそのうち28基が並んでいます。

随身門(ずいじんもん)

随身門(国の重要文化財)
仙台東照宮の随身門(国の重要文化財)

仙台東照宮の山門にあたる門で、当時は銅瓦葺で要所に錺(かざり)金具が付けられていましたが、戊辰戦争の際に官軍により剥ぎ取られてしまったそうです。

本殿・唐門・透塀

本殿・唐門・透塀(国の重要文化財)
仙台東照宮の本殿・唐門・透塀(国の重要文化財)

内部には豪華絢爛に彩られた家形厨子が置かれ、主祭神である東照大権現(徳川家康)像が安置されています。本殿・唐門・透塀も当時は錺(かざり)金具で飾られていましたが、前述の随身門(ずいじんもん)と同様に戊辰戦争で官軍に剥ぎ取られてしまいました。

この他にも手水舎が宮城県指定有形文化財、表参道の石段が仙台市登録有形文化財に登録されています。

もっとも参拝者の目に留まる拝殿は、残念ながら昭和10年(1935年)に放火により炎上し、1964年に再建されたものです。


5年に一度しか行われない貴重なお祭り「東照宮御祭礼(仙台祭)」

東照宮祭礼は、創建の際に御神体を御神輿に乗せて江戸から仙台まで7日架けて渡御したことを記念して1655年に始まったお祭りで、当時のお祭りの行列は数千人に及び、遠方からも見物が訪れる仙台最大のお祭りで「仙台祭」とも呼ばれていました。

その歴史は明治時代に一度途切れましたが大正時代に再開し、現在では5年に一度だけ行われる貴重なお祭りとなっています。

リンク:仙台東照宮 – 東照宮御祭礼

仙台東照宮<Information>

  • 名  称:仙台東照宮
  • 住  所:〒981-0908 宮城県仙台市青葉区東照宮1丁目6−1
  • 電話番号:022-234-3247
  • 公式URL:http://s-toshogu.jp/

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