【福島県会津】郷土玩具「赤べこ」に願いを込めて、縁起物としての意味や絵付を学ぶ
福島県を代表する郷土玩具の1つに赤べこがあります。昔ながらの縁起物として、そして福島県を代表するキャラクターとして、赤べこは長年愛されていました。近年では赤べこをモチーフとした様々なグッズも販売されています。
この記事では赤べこの由来や縁起物としての意味から紐解いて解説していきます。懐かしくて新しい、赤べこの魅力をお伝えできたら嬉しいです。
福島県の郷土玩具「赤べこ」とは?
赤べことは福島県の会津地方に伝わる郷土玩具です。べことは東北地方で牛という意味。つまり赤べこは、その名の通り赤い牛をかたどった姿をしています。
古くから厄除けや縁起物とされてきた赤べこですが、現在では福島県を象徴する土産物としても有名です。
赤べこの特徴は、赤地を基調とした模様と、丸みを帯びたフォルム、そしてゆらゆらと揺れる首の作りです。指で首をつつくと、のんびりと頷くように、首を縦にゆらゆらと動かし続けます。
赤べこの由来は?
赤べこの由来は諸説ありますが、その1つに福島県柳津町に伝わる赤べこ伝説があげられます。
1611年に会津地方を襲った大地震で、柳津町の虚空藏堂というお寺も大きな被害を受けました。被災した本堂の再建のため、たくさんの牛が集められましたが、険しい崖の上での作業は難航します。
すると、どこからともなく赤毛のたくましい牛たちの群れが現れ、苦労していた牛たちを助けます。そして見事に本堂の再建を果たしたそうです。
その姿から、赤い牛は幸運を呼ぶ健康な象徴とされ、赤べこの呼び名で親しまれたと伝わっています。
赤べこに込められた願いとは
赤べこの特徴である体の模様は、魔除けや疫病除けの意味が込められています。
赤べこの赤は、古くから病魔を払う色とされてきました。そして、体に描かれた黒と白の模様は、疫病である疱瘡が治った痕を表しています。
昔は疱瘡(天然痘)と言えば死に至る病で、世界中で多くの死者が出ていました。会津地方も例外ではありません。この疱瘡から子どもを守るため、身代わりとして疫病を受け、病いを治す赤べこを各家庭に飾ったとされています。
つまり赤べこには、家族が健康に過ごせますようにとの願いが込められているのです。
赤べこはどこで買えるの?
赤べこは福島県内の工芸品を扱う店舗や道の駅などで購入することができます。特に西会津町には、赤べこ生産シェアの7割を担う野沢民芸があり、一大産地として有名です。野沢民芸店では、通常の赤べこの他にも様々な張り子の玩具を生産しています。色鮮やかなカラフルべこや、動物の形をした起き上がり小法師など。オンラインショップもありますので、是非覗いてみてはいかがでしょうか。
また、会津地方を中心に赤べこの絵付け体験ができる施設もあります。福島県を訪れる際には旅の記念としてオリジナル赤べこを作るのも良い思い出になるでしょう。
様々な赤べこグッズが販売中
近年赤べこは福島県を象徴するキャラクターとしても扱われ、様々なグッズが販売されています。Tシャツや帽子など、可愛らしくデフォルメされた赤べこが描かれているものが多いです。
そして近年話題となったのが、神獣ベコたちのガチャポンシリーズです。1回300円のガチャポンから、手のひらサイズのフィギアが手に入ります。ケルベロスやヤマタノオロチなど、古今東西の様々な神獣と赤べこがミッスクされた姿をしていて、ゆる可愛さとユーモアに溢れています。福島県民の間でも、ついつい揃えたくなってしまうと大人気です。ガチャ機は福島県内の道の駅などに設置されていますので、見掛けた際は是非手に入れてみてください。
まとめ
今回は福島県の赤べこについて紹介していきました。赤べこは疫病退散の縁起物として、古くから愛されてきました。その心は現代も生き続け、家族が健やかに過ごせますようにと願いを込めて家々に飾られています。そしてこれからも、赤べこは福島県を代表するキャラクターとしての活躍もしていくことでしょう。福島県を訪れた際には、赤べこグッズを是非チェックしてみてください。