【山形県】始まりは気付け薬?山形名物の和スイーツ「のし梅」
山形銘菓の「のし梅」をご存じですか?ゼリーのような見た目で一見子供の駄菓子のようですが、その歴史は古く由緒ある和スイーツなんです。今回はそんな山形銘菓「のし梅」の紹介です。
のし梅とは?
のし梅とは山形に古くから伝わる和菓子の一種で、梅をすり潰して寒天に練りこんだものを、薄くのして乾燥させ、竹皮で挟みこんだものです。
ゼリーのような涼しい見た目に、ほどよい甘酸っぱさと上品な味で、長年に渡って愛され続けています。
始まりは中国人秘伝の薬のレシピだった?
時は山形藩主「最上義光(もがみよしあき)」の時代まで遡ります。当時山形藩主の典医だった小林玄端が長崎に遊学した際、中国人から梅を原料とする秘薬の製法を伝授され、それをもとに気付け薬として作ったのが現在の『のし梅』の原型であるといわれています。
その後山形藩の動乱に巻き込まれ、街場へと下り医師や薬屋を生業とした玄端の子孫によって製法は受け継がれ、民間薬の胃薬・気付け薬として各家庭でつくられるようになったそうです。
当初の薬の形では、煮詰めた梅に黒砂糖を加えた水あめ状のものであったとされています。
現在の形の「のし梅」の元祖とされているのは、乃し梅本舗佐藤屋さんで、創業文政四年(1821年)の老舗です。江戸時代に流行った「出羽三山詣」の参拝客に菓子として「のし梅」を売り出したところ評判になったそうです。当時の佐藤屋さんの記録には、朝鮮半島や満州への輸出記録も残っているそうです。すごいですね!
実際に食べてみました。
今回はJR駅のお土産屋さん等でよく見かける玉屋総本店さんの「のし梅」を購入してきました。玉屋総本店さんも宝暦4年(1754年)創業の「のし梅」を中心としたお菓子を製造・販売する老舗企業です。
仙台駅ではこのパッケージをよく見る印象です。
竹皮に挟まっている「のし梅」が4つ入っていました。手で押すとムニムニとクッションみたいな感触です。
竹皮をめくるとのし梅が登場。梅のさわやかな香りが一気に広がります。一枚で結構な大きさです。
4つともめくってみました。直接触るとべたべたしてます。竹皮に挟んだまま上手に食べるのがよさげです。
食感はモチモチといった感じで、味の方は…想像よりもかなり酸っぱい!思わず顔がクシャっとなる感じでした。しばらくすると段々を甘みが押し寄せてきます。最初はびっくりしますが、慣れてくると酸味と甘みのバランスが絶妙で飽きのこない味です。大人のデザートといった感じ。お茶請けとしてもいいですね。
まとめ
山形県は昔から紅花が特産物で、その産品は上方を中心に高値で取引されていました。その紅花から赤い染料を取るのに梅の酸が使われていた為、梅の栽培も盛んに行われていたそうです。そんな山形で「のし梅」が誕生するのも自然な流れだったんでしょうね。
常温で2か月ほど持ち、値段も手頃なので、山形のお土産候補にもいいのではないでしょうか。
INFORMATION
乃し梅本舗 佐藤屋 本店
- 住所:〒990-0031 山形県山形市十日町3丁目10−36
- 電話:023-622-3108
- URL:https://satoya-matsubei.com/
玉屋総本店
- 住所:〒990-2492 山形県山形市鉄砲町3丁目2−16
- 電話:023-623-0558
- URL:http://www.noshiume.com/
TikTok動画
@neft_tohoku 山形県で創業1754年の老舗、玉屋総本店の「のし梅」を食べてみました! のし梅はすりつぶした梅を寒天で固めた和風スイーツ。 山形発祥だということは初めて知りました! #山形県 #山形名物 #玉屋総本店 #のし梅 ♬ Lovingcall