【福島県】福島のローカルグルメ「ソースかつ丼」実は3系統あるって知っていますか?

福島県には「ソースかつ丼」というローカルグルメがあることを知っていますか?甘辛いタレととんかつの最強コンビと、間に敷かれた千切りキャベツがアクセントとなり、ご飯がもりもりと進むご当地グルメです。

しかし広い面積を持つ福島県は、地域によって多様な食文化を持っています。それはソースかつ丼においても例外ではなく、一口に「ソースかつ丼」と言っても3つの系統があるのです。

今回は福島のソースかつ丼事情を掘り下げてご紹介します。


福島のソースかつ丼とは?

福島のソースかつ丼とは、一体どんな料理なのでしょうか。

かつ丼といえば、しょうゆベースのたれで煮込んだとんかつを玉子でとじて、ご飯にのせたものを想像する方が多いのではないでしょうか。そしてソースかつ丼と言われたら、とんかつにウスターソースや中濃ソースなどのソースをかけて、ご飯のお供にするようなイメージをするかもしれませんね。

しかし福島のソースかつ丼は、少し違います。ソースを直接とんかつにかけるのではなく、ソース味をベースにしたタレが調理に使われます。そしてご飯の上には必ず千切りキャベツが敷かれ、濃いめの甘辛タレで味付けされたとんかつを受け止めるかのように、盛り付けられています。

実は”ソースかつ丼”の名を持つローカルグルメは、福島だけではなく全国にあります。例えば、福井県のソースかつ丼は、薄めの豚肉に細かいパン粉でコーティングしてカラリと揚げ、ウスターソースをしっかりとしみ込ませたものをご飯の上にのせます。群馬県のソースかつ丼は、豚ヒレ肉を使った揚げたてのとんかつをソースにくぐらせてご飯の上にのせます。

他県のソースかつ丼と比べたときに、福島のソースかつ丼の特徴となるのが、ご飯ととんかつの間に千切りキャベツが敷かれていることです。一見、地味な違いだと思うかもしれません。しかし、ご飯+千切りキャベツのふんわりとしたクッションが敷かれていることは、それでも味がボケないくらいの”しっかりめ”の味付けがされていることを表しています。

そして福島のソースかつ丼の中でも、さらに系統がわかれており、それぞれに特徴をもっています。


実は3系統ある!福島のソースかつ丼

福島県のローカルグルメ、ソースかつ丼には3系統があります。

  • 会津ソースかつ丼
  • 会津柳津ソースかつ丼
  • 四倉ソースかつ丼

一番有名な会津ソースかつ丼を除く、他2系統は福島県に住んでいても知らない方もいるかもしれませんね。それぞれの特徴を紹介します。


会津ソースかつ丼

福島県のソースかつ丼として一番有名なのが、会津ソースかつ丼ではないでしょうか。揚げたてのとんかつをタレにくぐらせ、たっぷりとタレを含ませるのが特徴です。タレは甘みが強くこってりとしていますが、千切りキャベツとご飯との相性が抜群なので、最後までしつこさを感じずにいただけます。

「会津ソースかつ丼」を提供する店が多く集中しているのは、会津若松市です。ラーメンで有名な喜多方町と隣接していることから、ソースかつ丼と喜多方ラーメンを共に味わえる店舗もあるのが嬉しいですね。

そして会津ソースかつ丼のもう一つの特徴が、盛りのいい店が多いこと。特に”とんかつが大きい”店が多く、丼からはみ出すほどデカデカとしたものや、通常のとんかつの2倍近くはありそうなぶ厚さのものなど。食いしん坊にはたまりません。

一口に会津ソースかつ丼といっても、店ごとのキャラクターは豊かです。それぞれの店舗にファンがいて、推し店舗論争は白熱します。自分好みのソースかつ丼を求めて、食べ歩きも楽しいものです。ぜひ運命の店舗を探してくださいね。

会津ソースかつ丼を食べられる店舗については、「伝統会津ソースカツ丼の会」のWEBサイトを参照するとよいでしょう。

リンク:伝統会津ソースカツ丼の会公式HP


会津柳津ソースかつ丼

福島県の会津地方に位置する柳津町のソースかつ丼の特徴は、玉子が使われていることです。しかし全国的に有名なかつ丼、いわゆる「かつの玉子とじ」とも違います。

「会津柳津ソースかつ丼」は、ご飯の上に千切りキャベツを敷き、ふわとろの玉子焼きを乗せ、さらに揚げたてのとんかつを乗せ、ソース味のタレがかけられます。つまり、玉子でとじません。

とんかつはソースが浸りきっていないので、サクサクとした食感。さらに甘めのタレとふわとろ玉子焼きの組み合わせは、口の中でまろやかな味わいを生み出します。「目玉焼きはソース派」という方は、特に想像しやすいかもしれませんね。

ご飯・キャベツ・玉子焼き・とんかつ・タレ、どれもが欠くことのできない存在。各々が味のバランスをとって成り立っていることが、会津柳津ソースかつ丼の特徴なのです。


四倉ソースかつ丼

3つ目のソースかつ丼は、先の2つから遠く離れた太平洋沿いの、いわき市にあります。港町として海鮮料理が有名ないわき市ですが、併せてソースかつ丼が市民のソウルフードとして親しまれている地域があります。それが四倉地区です。

「四倉ソースかつ丼」の特徴は、タレに甘みと酸味があり、サッパリとしていることです。ヒレ肉やロース肉を使ったとんかつとキャベツが丼に盛られ、食感が残る程度にソースがかけられています。

特別感というよりは、昔懐かしさを感じる馴染みやすい味です。ガッツリとしたうま味に、ご飯がもりもりと進むこと必須です。ぜひいわき市に連泊の際は、海鮮料理と併せてソースかつ丼も楽しんでみてください。


家でも作れる!会津ソースかつ丼のレシピを紹介

福島のご当地グルメであるソースかつ丼ですが、実は近い味が家庭でも再現可能です。食べてみたいけれどもなかなか現地に行けない…。そんなときは、ぜひレシピをご活用ください!

会津ソースかつ丼のレシピ

材料(2人分)

  • とんかつ 2枚
  • キャベツ 100g
  • ごはん 2膳分

(タレ)

  • 中濃ソース 100ml
  • 砂糖 大さじ3
  • ケチャップ 大さじ1
  • めんつゆ 大さじ1
  • みりん 大さじ1

作り方

  1. タレの材料を鍋に入れてかき混ぜ、弱火でひと煮立ちさせる。
  2. キャベツを千切りにし、丼によそったご飯の上に盛り付ける。
  3. 食べやすい大きさにカットしたとんかつをソースにひたし、②の上に盛り付ける。

例えばスーパーマーケットの総菜や冷凍食品などでとんかつを入手できれば、とても手軽に楽しめます。いつものとんかつにマンネリを感じたときのアレンジレシピとして活用しても良いですね。ぜひ福島のソウルフードを気軽に楽しんでみてください。


まとめ

今回は福島のソースかつ丼を紹介しました。

一口にソースかつ丼といっても、福島県内にも3つの系統があります。甘辛くボリューム満点な会津ソースかつ丼、まろやかな口当たりの会津柳津ソースかつ丼、さっぱりめで懐かしい味わいの四倉ソースかつ丼。それぞれの良さがあるので、福島を訪れた際は、ぜひ自分好みのソースかつ丼を見つけてくださいね。


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