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【秋田県由利本荘市】こんな所に日本三大長谷観音像が!御利益いっぱい赤田の大仏

秋田県の日本海側南部に位置する由利本荘市に日本三大長谷観音があります。日本三大長谷観音は、奈良桜井市の長谷寺、神奈川県鎌倉市の長谷寺、秋田県由利本荘市の長谷寺の観音様のことです。

 由利本荘市の長谷寺(ちょうこくじ)観音様は、赤田の大仏と呼ばれ、地域の人々に広く親しまれています。国道105号線から赤田方面に車を走らせること20分ほどで長谷寺に到着します。

初めて行く人にとっては「こんな所(へんぴ)にあるの」、と感じさせるほどの田舎にあります。ところが、大仏殿の扉の大観音を見た瞬間誰もがその荘厳さに心を奪われてしまうのです。

今回は、その由利本荘市の長谷寺、赤田の大仏を紹介します。

長谷寺と是山和尚

 由利本荘市の正法山長谷寺は、1775年(安永4年)に亀田藩の僧である是山泰覚により創建された寺院です。

是山は赤田村百姓、長三郎の長男として生まれました。幼名を大助といいます。是山は、禅僧でありながら、まるで修験者のように山岳に籠り、修行をした姿が伝えられています。彼は、荒廃した同地区にある松ヶ崎光善寺を再興して、病人に薬を与え、竜を使って慈雨を降らせるなど、数々の奇跡を現し、藩主の深い帰依を受けました。

また、度重なる凶作と貧困にあえぐ農民たちの精神的な支えとなった大和尚でもあったのです。

 1784年(天明4年)には、鎌倉の長谷寺の本尊と同木から彫り出されたという小仏を胎内仏として十一面観音立像の製作が始まりました。2年後には大観音が完成したのです。しかし、1888年(明治21年)に堂塔伽藍のすべてが火事により焼失しました。

しかし民衆の信仰の厚さから4年後に観音像が再建して、9年後には現在の本堂が再建されたのです。

  現在の大仏(像高二丈六尺〈7.878m〉)は、当時本荘大町の呉服商であった佐々木藤吉翁より寄進を受け、明治 25 年(1892)に復元され、明治 29 年(1896)に大仏開眼落慶法要が行われたものです。

明治 26 年(1893)に再建された大仏殿も、当初の様式や規模を忠実に復元したとされ、棟札から建築年などが確認できます。

大仏殿は 、総高 七丈 と言われる約21.2mの高さを持つ上下二層の建造物で、上下層ともに四面に擬宝珠高欄(ぎぼしこうらん)が巡り、上層南面にあたる正面側には、奈良の東大寺大仏殿同様の観相窓(かんそうまど)があります。

外側には切目縁が廻り、18 本の八角の側柱が建物を支える構造です。また、屋根の垂木部は扇垂木で、内部は大仏を安置するため吹き抜けになっており、大仏周囲の円柱の入側柱 4本が、下層から上層へ一本通しで大仏殿全体を支えています。

なお、屋根は再建当初木端(こっぱ)葺きでしたが、昭和 20 年代に銅板に葺き替えられました。

赤田の大仏の建立

観音像建立当時は、二丈六尺の観音像は大和・鎌倉・会津と、日本に3体存在したそうです。これに加え赤田に観音像を造り、四天王として国家を安全にしたいという想いから、是山和尚は十一面観音像の建立を決意したといいます。

寛政期に亀田藩の武運長久と領内の五穀豊穣の祈願所となり、その後も永く地域の人びとの厚い信仰の対象となってきました。

金色に輝く十一面観世音菩薩は、頭部に11の顔を持ち、あらゆる方角に顔が向いていることから、すべての方面にわたる救済者を表しています。約9mという高さのため超迫力があります。

上からを見下ろす目力には、最初は怖さを感じるかもしれませんが、段々と私たちを見守る優しい表情に見えてくるのです。

左手には、8種類の優れて効能をもつ功徳水が入った水瓶に智清・慈悲を表す未開蓮を持っていて、右手は衆生の願いを成就させる意をもつ与願印に約10mの錫杖を持っています。

芸術あふれる大仏殿

門前には数々の草花が色鮮やかな花を咲かせ、参道をのぼると、静寂が広がる境内に出ます。手水舎や舎利殿などが置かれていて、正面に、目を引く二重屋根の大仏殿が建っています。

大仏殿の外観をよく見てみると、柱や梁に非常に繊細な彫刻が数多く施されています。明治期にこの地方で最も著名であった宮大工の小川松四郎によって施されたもので、龍や獅子、獏などの生き物や菊や蓮などの花が彫られています。

大仏殿の正面の扉を開けると、大迫力の観音像があります。観音像とともに金色に輝く幢幡や常花が豪華絢爛さを増長させています。観音像の脇には不動明王像や蔵王権現像が、後背には無数の千体仏が立ち並んでいて、その荘厳に心を奪われます。

 さらに、大仏殿内は美術品があふれていて、大仏上部格天井の「三十六禽之図」は、谷文晁に師事し、本荘藩の御用絵師になった増田象江によって描かれたものです。さらに板扉絵の「三十六歌仙」は、明治の名工と言われた大内地域の堀藤兵衛の作品です。

また、寛政7年(1795)に亀田藩主より山号寺号を受けた際の揮毫は、再建時に下層の寺号額、上層の山号額に復元されました。

 このように長谷寺大仏殿は、秋田県下にあって唯一の大規模な仏殿で、棟札により建立年代も明確なので、秋田の近代寺院の構造、装飾等の様式を知る上で貴重な遺構の一つになっています。

また、堂内の十一面観世音菩薩立像は昭和 61 年(1986)に由利本荘市指定有形文化財になり、長谷寺の祭典である赤田大仏祭りは、平成9年(1997)に秋田県指定無形民俗文化財になっています。

赤田の大仏の御利益

 観音様は、仏様の中でも最も慈悲深い仏様で、温かい心で人々の苦しみを取り除き、楽しみを与えてくれます。ご仏前で合掌して、観音様のお題目「南無観世音菩薩」(なむかんぜおんぼさつ)を唱えるとよいでしょう。

観音様のお題目は、「観音様の教えに帰依します」を表し、人の内面から仏の性質を引き出すことで、不安を取り除き危機を遠ざけ、安心へ導いてくれる効果があります。

つまり、私たちの願い事をすべて受け入れてくれるのです。不安なときやすがることが何も無いとき、お参りして願い事を叶えてもらいましょう。つまり、それぞれの悩みを解決してくれる万能のご利益があるのです。

是非一度訪れて見てください。

INFORMATION


  • 名称 : 正法山長谷寺
  • 所在地 : 秋田県由利本荘市赤田上田表115
  • 文化財 : 大仏殿(国の登録有形文化財)、法隆寺一切経(県の有形文化財)

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Editor-SK

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NEFT編集部の人間です。
酒、音楽、旅行が好きで平日は仕事終わりに酒に溺れ、休日は空きあれば近隣へ旅行に出かけています。いづれはNEFT取材で東北の縁を探しに海外へ!を目標に日々勤しんでおります。

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