【秋田県】秘湯や名湯、ユニークな泉質で選ぶ秋田県のおススメ温泉3選!
目次
東北六県の中でも全国的に名高い温泉が多い秋田県はさまざまな泉質の温泉の宝庫です。
とくに岩手県との県境には八幡平などの活火山が南北に並んでいて、その周辺には効能豊かで昔から湯治場として知られる温泉がたくさんあります。
また、山形県との県境にある活火山・鳥海山の周辺にも点在していて、この記事ではそれらの温泉の中から、とくに泉質の良い源泉が涌く3つの温泉をご紹介します。
効能にあふれる強酸性の源泉「玉川温泉」(仙北市)
1680年(延宝8年)にマタギが発見したとの記録が残され、大噴(おおぶけ)と名付けられた湧出口から毎分9,000リットルの無色透明の源泉が湧き出ていて、これは単一の湧出口として日本一の湧出量です。
その泉質は「酸性-含二酸化炭素・鉄(II)・アルミニウム-塩化物泉」で、98℃もの高温泉であるだけでなくpH 1.5という強酸性で、強い刺激がありながら「万病に効く」とも言われています。
50年ほど前からは「癌が治る」との噂が広まり、全国から多くの湯治客が訪れるようになりましたが認められている適応症に癌は無く、癌(悪性腫瘍)には「禁忌」とされています。
それでも「自己責任」として、湯治を希望する癌患者が訪れて入浴や岩盤浴を行っており、「余命を越えて長生きした」との話が多数あることから、この温泉に何らかの効果があると期待する湯治客が絶えません。
ちなみにこの源泉の正式な効能は高血圧症、動脈硬化症、婦人病、神経痛、皮膚病、喘息などとされています。
なお、この温泉は酸性度が高いために時計や指輪などの貴金属類が化学反応で変色したり、スマホやパソコンなどの精密機械が故障したりすることがあります。
こういったものは持参しないか、お湯がかからないよう気を付けてくださいね。
湯治の長期滞在に特化した温泉宿「玉川温泉」
酸性泉に強い青森ヒバの浴槽が11種類あり、それぞれ源泉濃度や温度などが異なっていて、その日の体調や湯治の目的によって選べます。
宿には看護師さんが常駐していて湯治の相談ができますが、医師はおらず治療行為はできないため、強い源泉に長時間浸かり過ぎて湯あたりなどを起こさないように気を付けましょう。
客室は湯治用の「自炊部」と普通の温泉旅館のように食事付きの「旅館部」に分かれていて、「旅館部」は和室と洋室があって、お部屋にテレビ・冷蔵庫・トイレがあります(トイレが共同のお部屋もあります)。
食堂での夕食は「玉川温泉カフェテリアスタイル」として肉か魚のメイン料理を一品選び、そのほかの料理はビュッフェで提供されるスタイルで、朝食も和食中心のビュッフェスタイルです。
また、食堂では連泊客用の昼食メニューが種類豊富に用意されていて、食券を購入すれば宿泊客でなくとも利用できます。
なお、この源泉を引いた新玉川温泉が近くにあり、こちらは建物が新しく同じ成分ながら玉川温泉と比べるとややマイルドなお湯とされています。
玉川温泉<Information>
- 施設名:玉川温泉
- 所在地:秋田県仙北市田沢湖玉川渋黒沢
- 電話番号:0187-58-3000
- URL:玉川温泉 公式サイト
- 施設名:新玉川温泉
- 電話番号:(玉川温泉に同じ)
- URL:新玉川温泉 公式サイト
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肌を優しくやわらかく包む「日景温泉」(大館市)
青森県境の山間に湧く白濁して硫黄の香りが漂う温泉の泉質は「含硫黄(硫化水素型)-ナトリウム-塩化物温泉」で、pHは中性を表す6.3、源泉温度は38.4℃でややぬるめで、肌をやわらかく包み込むお湯です。
成分が多く含まれていることから効能が高く、3日入浴すれば治癒するとして「三日一廻りの名湯」とも、「東北の草津」とも称されて、とくに皮膚病の湯治に適しているとされています。
このような泉質は日本全国を見てもとても珍しく「奇跡の湯」とも呼ばれていて、傷や敏感肌だけでなく重症のアトピー性皮膚炎などでボロボロになった肌にも優しく染みわたります。
宿の創業者の名が付けられた「白神矢立 湯源郷の宿 日景温泉」
この宿の4本の源泉は、石造りの露天風呂と青森ヒバ造りの2つの内風呂や趣が異なる5つの無料貸切風呂にかけ流されていて、大きい内風呂は座って入浴ができて小さい内風呂は寝湯として入浴できます。
また、日景温泉の源泉石とオーストリアの温泉保養地で使われるバドガシュタイン鉱石による岩盤浴場があり、ホルミシス効果による自己免疫力の向上やデトックス効果があるとして人気です。
また、2部屋ある特別室に設置されている湯船にはとくに鉄分を含む源泉が引かれていて、この身体を芯から温めてくれる源泉は特別室に宿泊しないと入浴することができません。
料理は、秋田県の契約農家から仕入れたオーガニック食材がふんだんに使われ、料理長が工夫を凝らした逸品の数々が、秋田地酒の銘酒とともに用意されています。
また朝食は地元の採れたて野菜を中心におかゆやスムージーなどが用意された和朝食で、こちらも体に優しいと評判です。
白神矢立 湯源郷の宿 日景温泉<Information>
- 施設名:白神矢立 湯源郷の宿 日景温泉
- 所在地:秋田県大館市長走37
- 電話番号:0186-51-2011
- URL:日景温泉 公式サイト
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鳥海山と日本海に癒される「象潟(きさかた)温泉」(にかほ市)
かの俳人・松尾芭蕉が訪れその景観に感動して句を詠み、夏に岩ガキを味わえることなどで有名な象潟には、「硫黄泉」や「ナトリウム-塩化物温泉」を源泉とする天然温泉が点在しています。
とくに硫黄泉は肌に良いとされ「美肌の湯」として知られ、一般的な温泉の効能に加えてアトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・慢性湿疹・表皮化膿症といった慢性皮膚病が適応症として認められています。
硫黄の香りがする無色透明のお湯は、トロトロ感がたっぷりで肌触りが心地よいため長湯には注意してください。
なお、近くの「道の駅象潟」にも「ねむの丘」という日帰り展望温泉があって、こちらは海沿いということもありヨウ素を含む泉強塩泉で、独特の香りがする茶褐色のしょっぱいお湯を楽しめます。
山に昇る朝日と海に沈む夕日がきれいな温泉宿「象潟夕日の宿 さんねむ温泉」
こちらの宿には日本海が見える西館1階の大浴場と、鳥海山が見える東館3階の展望風呂の2つの浴場があり、男女入れ替え制で、どちらの浴場にも大きな窓があって眺望を楽しみながら入浴できます。
冷泉のため加温されたお湯はかけ流しではなく循環ろ過ですが、成分は保たれていてしっかり硫黄の香りが漂っています。
客室は日本海ビューの海側と鳥海山ビューの山側があって、どちらも眺望が良いので好みで選んでください。
食事は半個室風のレストランで、日本海の海の幸と鳥海山の山の幸など旬の食材の料理が提供され、季節によって岩ガキやアワビやズワイガニなどを味わえます。
象潟夕日の宿 さんねむ温泉<Information>
- 施設名:象潟夕日の宿 さんねむ温泉
- 所在地:秋田県にかほ市象潟町才ノ神31-1
- 電話番号:0184-43-4960
- URL:さんねむ温泉 公式サイト
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まとめ
この記事でご紹介した3つの温泉のほかにも、秋田県には泉質の異なる源泉が豊富な乳頭温泉など個性的な温泉が多くあります。
また、同じ泉質でも色や香りが異なるなど、まだまだご紹介したい源泉がたくさんあるので、いずれまたさまざまな切り口でユニークな温泉を数多くご紹介させていただきたいと考えています。