【山形県】おすすめの東北六県秋祭り「山形編」、山形の美味しい秋祭りを楽しもう!
目次
「山形県のお祭りで真っ先に思い浮かぶのは何?」と聞かれて、毎年8月5日から7日まで開催される「山形花笠まつり」と答える方が多いのではないでしょうか。
夏祭りが多いイメージの山形県では、8月末から9月にかけての秋祭りも県内各地で催されていて、収穫の秋を味わうB級グルメとともに楽しめます。
そんな山形県の秋祭りの中から、おすすめのお祭りをピックアップしてご紹介します。
「秋祭り」とはいつからいつまで?
暦では、二十四節気の「立秋」は8月7日から「立冬」の11月7日の前日まで、それを東北にあてはめれば、8月上旬に各地で開催される夏祭りの終わりからが秋です。
この記事では暦に従い、8月7日から11月までに開催される祭りを「秋祭り」としてご紹介しています。
祭りの定義とは?
ウィキペディアに掲載されている「祭り」の定義は、「感謝や祈り、慰霊のために神仏および祖先をまつる行為(儀式)」です。
その一方、歴史と伝統のある神社などの祭礼と違う「音楽祭」や「収穫祭」などがあり、これら音楽や味覚を楽しむイベントもまた、広い意味で祭りとされています。
この記事では祭礼だけでなく、音楽フェスやグルメ祭りなど訪れて楽しめる秋祭りもピックアップしてご紹介します。
むらやま徳内まつり(村山市:8月23日~25日)
江戸時代末期に、村山の貧しい農家出身ながら蝦夷地探検家として幕府に取りたてられ、北海道・樺太へ何度も渡航した最上徳内(もがみとくない)という探検家がいました。
徳内は、蝦夷地の先住民族であるアイヌの人々と友好を深めるためさまざまな仕事を行い、その一つとして道東の厚岸(あっけし)に現在まで厚岸神社として残る「神明宮」を建立します。
その厚岸神社に伝わる「厚岸囃子」が1995年(平成7年)に徳内の故郷である村山に伝わり、「徳内ばやし」として奏でられるようになったのが祭りの始まりです。
徳内ばやしの誕生について
徳内ばやしが誕生したのは1994年(平成6年)の「村山まつり」に、友好都市となっていた厚岸町の厚岸囃子を招待したことがきっかけでした。
厚岸囃子は、山車の上から奏でるお囃子に合わせて踊る勇壮な獅子舞が特徴です。
その迫力に魅了された村山の若者たちが、軽快なお囃子に創作演舞を組み合わせて披露したのが徳内ばやしで、年を重ねるごとに次第に参加団体が増えて2024年は18団体が参加します。
初日の23日(金)の宵まつりではパレードがありませんが、本まつりの24日(土)と25日(日)では市内3ヶ所の会場で、特設ステージやパレードで徳内ばやしにのせた演舞を観ることができます。
手作りの山車と創作演舞
囃子手が乗る山車は毎年各団体による手作りで整えられています。
団体ごとに繰り広げられる創作演舞は個性たっぷりで見応えがありますが、共通しているのは片手によさこい祭りに使われる鳴子を持って鳴らしながら踊ることです。
むらやま徳内まつり<Information>
- 開催場所:市内・ふれあい広場特設ステージ、商店街、ふれあい通り、西浦通りほか
- 開催期間:2024年(令和6年)8月24日(土)~8月25日(日)
- 問い合わせ先:むらやま徳内まつり振興会(村山市商工観光課内)
- 所在地: 山形県村山市中央1丁目3番6号
- 電話番号:0237-55-2111
- URL:むらやま徳内まつり振興会公式サイト
村山地方は冬でも「冷たい肉そば」
村山地方の河北町が発祥とされていますが村山市内にも人気店が多くあって、地元では雪が降り積もる寒い冬でも好んで食べられている郷土料理です。
コシの強い田舎そばに鶏ダシのあっさり醤油味の冷たいスープがかけられ、鶏肉と小口切りのネギがのせられています。
冷たい肉そば<Information>
- 問い合わせ先:谷地の肉そば会(河北町商工会内)ほか
- 電話番号:0237-73-2122
- URL:山形県公式観光サイト「やまがたへの旅」
新庄まつり(新庄市:8月24日~26日)
市内の新庄天満神社の例大祭で、江戸時代中期以来270年近い歴史があり、ユネスコ無形文化遺産と国の重用無形民俗文化財に指定されています。
豪華賢覧な20台の山車(やたい)パレードや総勢200人からなる神輿の渡御行列に、萩野鹿子踊や仁田山鹿子踊などの伝統芸能を鑑賞できて見どころ満載のお祭りです。
1756年(宝暦6年)、当時の新庄藩主・戸沢正諶(とざわまさのぶ)が、凶作に苦しむ領民のために氏神の天満神社の祭礼を、領内をあげて行ったのが起源と伝わっています。
新庄城跡(最上公園)にある3つの神社の例大祭
新庄城跡には3つの神社があって、24日の宵まつりは戸澤神社、25日の本まつりは天満宮、26日の後まつりは護国神社の例大祭とされています。
毎日20台の山車が繰り出し、街中のあちらこちらでお囃子が奏でられてお祭り気分が盛り上がります。
山車運行のほかの見どころは、宵まつりでは駅前ふれあい広場での新庄囃子の合同演奏会、本まつりでは神輿渡御行列、後まつりでは最上公園や街中で奉納される鹿子踊り(ししおどり)などです。
新庄まつり<Information>
- 開催場所:JR新庄駅西口前広場ほか市内各所
- 開催期間:2024年(令和6年)8月24日(土)~8月26日(月)
- 問い合わせ先:新庄まつり実行委員会
- 所在地: 山形県新庄市住吉町3番8号 新庄商工会議所内
- 電話番号:0233-22-6855
- URL:新庄まつり実行委員会公式サイト
新庄で味わいたいのは「とりもつラーメン」
新庄で愛されているB級グルメに「とりもつラーメン」があります。
山間の農村で貴重なタンパク源とされてきた鶏モツの煮込み、それをラーメンと合わせた比較的新しい郷土料理です。
鶏ガラスープがベースのあっさり醤油味が基本ですが、自家製麺にそれぞれ工夫が凝らされていて、その麺にのせる鶏モツ煮の味付けや使う部位に違いがあり、食べ歩きを楽しめます。
とりもつラーメン<Information>
- 問い合わせ先:新庄市役所商工観光課
- 電話番号:0233-29-5848(観光振興係)、0233-29-5849(交流企画係)、0233-29-2122(エコロジーガーデン)
- URL:新庄市役所公式サイト
荘内大祭(鶴岡市:10月6日)
1877年(明治10年)に、庄内藩主・酒井氏の居城だった鶴ヶ岡城跡に創建された荘内神社の例大祭です。
ご祭神は4人の酒井家藩主で、徳川四天王の1人とされた初代・忠次(ただつぐ)公、二代・家次(いえつぐ)公、三代・忠勝(ただかつ)公、そして九代・忠徳(ただあり)公です。
初代から三代までの3人の藩主は藩の基礎を築き、忠徳公は傾いた藩の財政を立て直した名君として祀られています。
また、城跡には酒井家藩主が鎮守として建立した御城稲荷神社と鶴岡護国神社とも鎮座しています。
かつて例大祭は8月15日に実施されていましたが、2021年(令和3年)に熱中症対策を理由として、10月に開催されることになりました。
壮大な歴史絵巻「荘内藩伝承大名行列」
鶴岡市民によってかつての大名行列が再現され、独特な歩き方を披露する奴振りや甲冑を着込んだ鎧武者行列など、総勢約500名にもなる大名行列が街中を練り歩きます。
また、荘内神社で奉納される国の指定重要民俗文化財「黒川能」の上演と、鶴ヶ岡城跡の外堀だった内川で夜に実施される灯籠流しもたくさんの見どころのうちの一つです。
荘内大祭<Information>
- 開催場所:鶴ヶ城跡ほか市内各所
- 開催期間:2024年(令和6年)10月6日(日)
- 問い合わせ先:荘内神社
- 所在地: 山形県鶴岡市馬場町4番1号 鶴ヶ岡城址鎮座
- 電話番号:0235-22-8100
- URL:荘内神社公式サイト
庄内地方で人気のグルメ「あとがけソース焼きそば」
火を通すと風味が変化してしまうソースを美味しく味わいたいからと、焼いてからソースをかけて欲しいとの客の希望から生まれたグルメで、庄内地方の鶴岡市・酒田市・庄内町などにそれぞれ名店と呼ばれる店があります。
スープで蒸した麺に別鍋で炒めた肉野菜がのせられ、お好みの量のソースをかけて味わいます。
ソースを絡めながら炒める焼きそばよりさっぱりした味わいで、夏バテしていても食べやすい焼きそばです。
あとがけソース焼きそば<Information>
まとめ
山形県は冬に深い雪に閉ざされる地域が多くあり、そのため雪がない季節に開催されるお祭りは盛大に行われます。
また、この記事でご紹介した歴史ある伝統のお祭りのほかに「日本一の芋煮会フェスティバル」といった郷土料理を味わうお祭りもあり、観るだけでなく食べる楽しみもあります。