奥州三名湯の一角をなすのが、福島県の飯坂温泉です。この地には、9つの共同浴場があります。

歴史上の偉人の多くが、この湯を楽しんだことで知られています。たとえば、松尾芭蕉は奥の細道のなかで、この温泉地に泊まったことを記しています。

他にも、与謝野晶子や正岡子規、ヘレンケラーといった人物も、ここを訪問しています。

今回は、そんな飯坂温泉のなかでも、特におすすめの浴場や旅館を紹介していきます。

1つにつき200円ではしごできる

いくつも浴場があるので、地元の方も観光の人も、はしごして楽しむのが普通です。どこの湯も、基本的に200円で楽しめるので、はしごしても財布の負担は少ないです。

趣深い木造の建物が並んでいるので、歩いているだけでもノスタルジックな気分になって楽しいです。道の途中には、「あ~しあわせの湯」という足湯があります。

少し歩きつかれたら、こちらで座って足湯を楽しむのも良いです。

飯坂温泉の代表格「鯖湖湯」

数ある共同浴場のなかでも、特に人気を集めているのが、鯖湖湯です。ヒバ造りの建物が悠久の美しさを感じさせ、御影石の浴槽がシンボリックです。

そしてなんといっても、飯坂温泉の最大の特徴である湯の熱さを見事に体感できます。

掲げてある看板には、「浴槽温度47度」となっています。泉温は51度なので、加水しない状態が続いていると、実際には湯温が50度ほどになります。

40度前半で湯を楽しめる人は多いですが、50度付近になると、さすがに激しい熱さを感じます。

いざ中へ

建物の入口から、男湯と女湯で分かれています。中は、脱衣所と浴槽が同じ空間にあります。脱衣所から一段降りると、浴槽のあるスペースになります。

脱衣棚は1つひとつ分かれていて、鍵もかかるので安心です。

シャワーやカランはなし

シャワーなどはないので、湯を汲んでかけていきます。ここで熱さに衝撃を受けます。

汚れを落とすだけではなくて、熱さに慣れる意味でも、かけ湯は大事です。多くの人がたくさんの回数を、念入りにかけます。

 熱かったら加水OK

実際に湯船に入ると、それでも熱さを感じます。ふと壁を見ると、『観光客のみなさまで、公衆浴場めぐりを楽しむことが多くなっています。一般の方は熱い湯が苦手なので、湯の温度を適温(43度ほど)にするようお願いいたします』といった内容の張り紙がなされています。

これは、地元の方に向けた注意書きです。つまり、熱ければ、加水してかまわないということです。

他のお客に一声を忘れずに

もちろん、他に入っている人がいるのに、無言で水を入れ始めては、配慮に欠けます。一言、「加水してもいいですか?」と尋ねてから、入れるようにしましょう。

とはいえ、この熱さこそ、飯坂温泉の魅力でもありますから、あまり埋めすぎず、我慢できる程度まででやめておくのがおすすめです。

INFORMATION

名称 鯖湖湯
所在地 福島県福島市飯坂町湯沢32
電話番号 024-542-5223
公式URL http://www.fckk.co.jp/onsen/?page_id=5
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江戸時代から続く老舗「なかむらや旅館」

せっかく飯坂温泉に行くのなら、泊まりで楽しみたい、という人も大勢います。そんな方におすすめなのが、「なかむらや旅館」です。

温泉地のほぼ中心に位置するのがこの旅館で、国の「登録有形文化財」になっています。

というのも、江戸時代に建てられた現代では再現困難な建築様式が採用されているためです。赤みがかった瓦屋根に白壁の今トラストが美しい外観は見事です。

 客室は三間続きで広々

江戸時代の建物と、その後、明治時代に増築されたものが、館内でつながっています。

両方に客室がありますが、部屋の内装などはほぼ同じです。特徴は、三間続きの広い空間です。

仕切りになっている障子を開ければ、見通しが良くなって広さを実感できます。

一組でこのような広い部屋を使うので、1日の宿泊はわずか4組までです。旅行の日程が決まったら、早めの予約が必要です。

館内はどこもフォトジェニック

日本の美を感じさせる館内は、歩いているだけで楽しいです。どこを撮ってもインスタ映えします。

階段は、総ヒノキ造りで、職人の手作業で彫られたものです。折り上げ天井という、一段高くして板を格子状に組んだものなど、こだわりを感じさせます。

2つの貸切風呂

お風呂は、貸切で利用可能です。2つ用意されています。

寛ぎの湯

1つは、「寛ぎの湯」で、普通の旅館にあるお風呂といった見た目です。しかし湯は飯坂温泉の特徴を出していて、アルカリ性でしっとりと肌が潤います。

與右衛門の湯

もう1つは、この旅館の初代の名を冠した「與右衛門(よえもん)の湯」です。こちらは、まさに飯坂温泉そのものです。というのも、シャワーもカランもありません。

先に紹介した「鯖湖湯」は平成5年に建て替えられたのですが、そのときに、御影石や寒水石が譲られました。それを利用して作られています。

源泉掛け流しなので、とても熱いです。しかし、ここでは貸切なので、地元の常連さんに気を遣うこともなく、好きに適温に加水できます。

INFORMATION

名称 なかむらや旅館
所在地 福島県福島市飯坂町湯沢18
電話番号 024-542-4050
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川沿いに建つ「波来湯」

日帰りで飯坂温泉を楽しみたい、けれど鯖湖湯のように、いちいち加水のたびに常連に聞くのも嫌だ、という人は多いです。そんな人におすすめなのが、新しい建物で、楼閣が載っているのが特徴的な「波来湯」です。

ぬるめの浴槽を設置

波来湯は、鯖湖湯から歩いて3分ほどの距離にあって、最近では、観光客からの人気が高くなっています。というのも、浴槽が2つあって、ひとつはあらかじめぬるめに設定してあるからです。

加水する必要がないのが、気軽で良いと評判です。ぬるめといっても、飯坂温泉でのそれですから、普通には適温か、少し熱いぐらいです。

川沿いの旅館群が良い眺め

波来湯は摺上川沿いに建っていて、同じように川に沿って建つ旅館群を眺められます。バルコニーにベンチが据えられていて、ここでのんびりと休憩する人がよくいます。

こういった事情もあって、飯坂温泉の共同浴場は基本200円ですが、ここは300円となっています。

INFORMATION

名称 波来湯
所在地 福島県福島市飯坂町字十綱町30
電話番号 024-542-5223
公式URL http://www.fckk.co.jp/onsen/?page_id=2
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飯坂温泉についてまとめ

今回は、温泉好きなら何度でも足を運びたいスポット、飯坂温泉を紹介してきました。

特に鯖湖湯は、歴史的にもこの地を代表する浴場なので、熱かったり、加水したりする不安があっても、思い切って行ってみるのがおすすめです。

常連さんに親しまれているので、地元の方と一緒になる可能性は高いです。しかし、観光客にとって湯が熱いことは百も承知なので、一声かければ気軽に応じてくれます。

短い時間で極めて安く楽しめるので、福島観光の際には、ぜひルートに入れてみましょう。もちろん、「なかむらや旅館」に泊まって、がっつり飯坂温泉の魅力を満喫するのもアリです。