【宮城県】仙台の縁起物「松川だるま」はなぜ青い?その由来を探る
仙台の伝統工芸品、仙台張子を代表する縁起物として作られている「松川だるま」。よく見かけるだるまと比べて特徴的な青色の姿を不思議に思う方もいるかも知れません。
松川だるまはなぜ青いのか知っている人は少ないはずです。そこで今回は仙台で有名な松川だるまを由来も含めて解説していきます。
松川だるまの特徴
松川だるまは昔から庶民の寄りどころとして親しまれていました。その特徴は青い姿と両目の瞳があらかじめ描かれているところです。
大きく見開いた瞳が両目に書かれているのは四方八方を見守る神の意味や、伊達政宗公の独眼に配慮した為と伝えられています。
体は青色で伊達武将が好んだとされている縁起の良い七福神の大黒様、宝船・梅の花そして金粉もあしらわれて、福を授ける豪華な飾りが施されているのも特徴です。
大きさは小さいものから8種類あります。毎年一回り大きなものを迎え、松川だるまを8体そろえることによって七転び八起きの意味とする風習もあります。
仙台の大崎八幡宮には無病息災を祈願して、およそ1メートルの松川だるまが奉納されています。
松川だるまが青い色の由来
他で見かける赤いだるまの始まりは、昔に疫病が流行し願かけを行っていました。赤い色は邪気を払うと信じられていたため赤く塗られただるまを厄除けとして利用していたと言われています。
では松川だるまはなぜ青い色なのでしょうか。
松川だるまは大飢饉のときに伊達藩士の松川豊之進によって作り始められ、人々がだるまに願いを託し苦しい飢饉を乗り越えたと伝えられています。青色は群青色であり武士が好んだ高貴な色とされていました。その群青は空と海を表現し仙台の自然風景を映し出しているといわれています。
言い伝えとしては赤いだるまと似ていますが、赤いだるまは魔除け、青い松川だるまは無病息災として願われているのですね。
松川だるまが購入できるところ
松川だるまは作成されているところが1ヶ所な為、販売されているところが限られておりますが、オンラインショップでも購入できます。
また宮城県内では初詣やどんと祭で出店に松川だるまが並び販売されています。
どんと祭とは毎年1月14日に松飾りをお炊き上げする行事で、お役目を終えた松川だるまもお炊き上げし、また新しい松川だるまをお迎えして1年の無病息災を願います。
大崎八幡宮
松川だるまは初詣やどんと祭のとき露店に並びますが、大崎八幡宮では技術を絶やさない意味も込めて通年販売しています。
大崎八幡宮にはおよそ1メートルサイズの松川だるまが奉納されています。
INFORMATION
- 名称:大崎八幡宮
- 所在地:宮城県仙台市青葉区八幡4丁目6-1
- 電話番号:022-234-3606
- URL:大崎八幡宮ホームページ
- 営業時間:9:00~17:00
- 休業日:なし
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本郷だるま屋
本郷だるま屋についてはこのように語られています。
”古くから仙台庶民の信仰の中に親しまれてきた「仙台張子」は、天保年間に伊達藩の藩士、松川豊之進が創始したものと言われております。松川氏の弟子となった初代の本郷久三郎は、独特な技術と構造形成の全てを受け継ぎ、現在十代目久方・尚子夫婦がそれを継承しております”
引用元:せんだい旅日和
本郷だるま屋は伝統を受け継ぎ現代も作り続けています。技術を絶やさず後世まで伝えていって欲しい工芸品です。
INFORMATION
- 名称:本郷だるま屋
- 所在地:宮城県仙台市青葉区川平4丁目32-12
- 電話番号:022-347-4837
- URL:本郷だるま屋ホームページ
- 営業時間:9:00~18:00
- 休業日:不定休
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こけしのしまぬき
こけしのしまぬきは仙台に古くからある工芸品を取り扱うお店です。
松川だるまの他にもこけしや宮城県の伝統工芸品を多く取り扱っており、オンラインショップでも購入することができます。
INFORMATION
- 名称:こけしのしまぬき本店
- 所在地:宮城県仙台市青葉区一番町3丁目1-17
- 電話番号:022-223-2370
- URL:こけしのしまぬき本店ホームページ
- 営業時間:10:30~19:00
- 休業日:毎月第3水曜日(8月を除く)/ 元日
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松川だるまは現代にも生きる守り神
宮城県仙台の松川だるまをご紹介しました。青い松川だるまに込められた想いは現代の無病息災を願う気持ちにも寄り添っています。
松川だるまの大きく見開いた瞳の力強い姿が頼もしく感じます。1年の無病息災・家内安全を願いお迎えしてみてはいかがでしょうか。