【秋田県鹿角市】鹿角市に眠るピラミッド伝説、その名はクロマンタ!
青森県や岩手県と境を接する「鹿角市」、古くは鹿角ではなく「上津野」と表記していたこの街にピラミッドが実在していることは皆様ご存じでしょうか?
近隣には八幡平、五ノ宮嶽、秋田焼山、三ノ岳、三方高、四角岳、中岳、八森、山毛森、十和利山など多数の山々が存在し、山勝ちな地域でもあります。
そんな中に一つ、人工的に作られたのでは?と言っても過言ではない山があります。
それは「黒又山(くろまたやま)」、地元では「クロマンタ」または「クルマンタ山」とも呼ばれており、これはアイヌ語で「神々が集まる場所」という意味をもちます。ただ形がピラミッドに似ているだけの山なら世界中に見られます。ではなぜこの「黒又山」が世界的に注目をあびるのか、今回は実際に訪れ登山したので皆様にその不思議に触れてもらいたいと思います!
学術調査も入った「黒又山」
黒又山はその「円錐形に近い形をしていること」、「山頂部分が広く平らに削り取られていること」があまりにも人工的ではないか?ということから1992年~1994年にかけて同志社大学博物館研究室のメンバーを中心に結成された環太平洋学会「黒又山総合調査団」が地中レーダー・赤外線写真・航空写真などを用いて黒又山の考古学的調査を行っています。
調査時には黒又山から、石器や石造品、土器、土製品の遺物が見つかり、鉄釘や古銭なども出土しています。また、山頂部、斜面、山麓部からは16個もの石英安山岩からなる刻文石製品も見つかっています。
直線距離で2km内外には令和3年7月27日に世界遺産となった「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つ、「大湯環状列石」があることからこの黒又山も山岳宗教祭祀の場であったのではないか?と考えられますが「黒又山」の謎はこれだけにとどまりません。
2022年にテレビ番組(有吉の世界同時中継 世界と日本のピラミッドの謎に迫る!禁断大調査SP テレビ東京)で行われた企画で、東北大学の協力のもと行われた最新のレーダー機器での調査では山頂の地下10mの地点に何者かが埋葬されているであろう空洞と石棺のような物が発見されており、黒又山全体が石で造られた7段から10段のテラス構造になっている事が確認されています。
つまり、これは自然にできたとは言いづらく、何かしらの目的をもって作られた山なのでは?と考えられます。
近くの大湯環状列石は国内でも最大規模の環状列石であり、その目的は未だ解明されていませんが「集団墓」であり、「宗教祭祀遺跡」と考えられていることから黒又山は何か位の高い方?や特別な方を埋葬するためのお墓であり、「山岳宗教祭祀」の場であったのかもしれません。
いざ登山!黒又山!
訪れたのは2月も末頃、分かっていましたよ。雪です。そうです。今回は雪中登山です。
まず、登山入り口には本宮神社の立派な鳥居があります。山頂には本殿があるらしいのですが創立年代不詳となっており、社伝によれば、万治2年(1659年)に中通四ヶ村一同にて、大己貴命を祭神とする神社を建立したとされ、別伝によれば、阿倍貞任の一門の本宮徳次郎が、薬師堂を建立したのが創祀ともいわれています。ちなみに本宮神社の社名は明治以降のものとされています。
下調べで黒又山には本宮神社があることは知ってはいましたが気持ちは「ピラミッドを登る!」だったので正直この時点で、参拝するのかピラミッドを登るのか、、何か不思議な、、和洋折衷的な気分になっていました。
標高280m、では参ります。
当たり前に雪山ですが薄っすらと山道が見えます。山道には小動物だと思われる足跡も見えます。
周りは杉の木に覆われ、除雪なんて当然されてませんので足元は非常に滑りやすいです。ただし、雪でもここまで山道が分かりやすくなっていますので普段は良く手入れされているのだと考えれます。
なだらかな斜面からジグザクとした急な坂へと変貌します。ピラミッドをイメージしながら登ったからか急ではあるけど途中から一定の角度を登っているような錯覚に陥ります。
登ること15分ほど、いよいよ山頂に到着です。
山頂には前述でも記載したとおり、本宮神社の本殿があります。
扁額の文字は読めませんが頂上の本尊は薬師如来になります。これには理由があり、先に書いた通り、安倍貞任の一門、医者である本宮徳次郎が鹿角に安住の地を求め移住する際には安倍氏の守り神である清水観音、八幡大菩薩、帝釈天を背負い、帝釈天を黒又山に祀り、巽の方向の草木八幡堂に八幡大菩薩を、丑寅の方向の大円寺境内に清水観音を祀って更に、医師の守り神である薬師如来を一身に信仰し、遠くからでもお参りができるように黒又山に薬師堂を建立したと言われています。
本宮神社の名が掲げられたのは明治頃からで、本宮徳次郎の名から「本宮神社」、そして頂上には薬師如来を祀っていることから薬師堂を建立したということになります。
頂上には他に、小祠や雪で分かりづらいですが手水石?などがあります。
景色は周りに木々が生い茂っているため眺めが良いとは言えませんが、
木々に囲まれ、静寂した中ですので心穏やかな時間を過ごす事ができます。
この後無事下山しました。
登った感想、山道を登った際に気のせいか傾斜角度が一定、、?、くらいでピラミッド感はほぼありません。
ただし、昔からこの辺では黒又山の上空に未知の飛来物を見た!など様々なウワサなどあるのも確かです。そして古くは、明治時代~昭和時代に活躍した青森県七戸生まれの日本画家「鳥谷幡山」が、1932年に黒又山上空を描いた墨絵に、「ピラミッド黒又山俗にクロマンタと云ふ」の文字とともに光の尾を描いて飛ぶUFOのようなものも描かれています。
「火のないところに煙は立たない」という言葉もあるとおり、ここは何か不思議な場所、もしくは明確な目的あって建立された「何か?」なのかも知れません。
何年先になるか分かりませんが隣接する「大湯環状列石」とともに「黒又山」の謎が解明されることを楽しみに待つことにします。
黒又山は「秋田県道66号線(北東北ロマンチック街道)」から写真のように案内板も見え、場所も分かりやすくなっています。
そして近くには世界遺産の「大湯環状列石」はもちろん、車で6分程度の場所にUFO目撃談も多い「湯の駅おおゆ-道の駅」もありますので一緒に立ち寄るのもお勧めです。
黒又山<Information>
- 名 称:黒又山(くろまたやま)
- 住 所:〒018-5421 秋田県鹿角市十和田大湯宮野平
- 標 高:280.7m
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湯の駅おおゆ<Information>
- 名 称:湯の駅おおゆ
- 住 所:〒018-5421 秋田県鹿角市十和田大湯中谷地19
- 電話番号:0186-22-4184
- 各施設の営業時間
- 大湯えんがわショップ:9時〜17時
- 大湯えんがわカフェ:11時〜16時 (食事ラストオーダー 15時)
- 公式URL:https://yunoeki-oyu.jp/