山形県はブドウ栽培に適した盆地が多く東北6県で最もワイナリーが多数あり、県北の村山地方では近年さらに新しいワイナリーが増えました。
また、庄内地方の鶴岡市も新規が増えて、ワイン産地として名乗りをあげています。
目次
朝日町ワイン(朝日町)
1944年創業で、戦後は大手の下請でワインを造り続け、1973年から自社ワイン製造を始めました。
1990年に社名が変わり、町を挙げたワイン造りに取り組んでいます。
おすすめワイン
最上川両岸の粘土質の傾斜地で、高糖度のマスカットベーリーA、シャルドネなどが栽培されています。
赤、白、ロゼともに低温熟成で果実味が活かされたワインが造られています。
マイスターセレクション遅摘みマスカットベーリーA(ロゼ:マスカットベーリーA100%)
糖度と果実味が増した遅積みのブドウを使い、果汁と果皮を漬け込む低温熟成で醸されました。 甘く華やかな果実の香りとさわやかな酸味の辛口に仕上がっています。
月山トラヤワイナリー(西川町)
江戸時代からの虎屋酒造が1982年からワイン造りを始め、自家農園と地元農家のブドウで地産地消の日本ワインを造り続けています。
おすすめワイン
マスカットベーリーA、メルロー、カベルネソーヴィニヨン、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランなどが醸されていますが、とくにメルローが好評です。
マイスターセレクション遅摘みマスカットベーリーA(ロゼ:マスカットベーリーA100%)
東根フルーツワイン(東根市)
2016年に設立され、名産のサクランボや洋梨、桃、リンゴのワインなど、県産果実100%でのワイン造りと受託醸造もしています。
おすすめワイン
マスカットベーリーAの赤やロゼなど8種ありますが、このワイナリーでしか造られていない、高級サクランボ「佐藤錦」だけが使われたフルーツワインが人気です。
さくらんぼ 佐藤錦(佐藤錦100%)
500mlボトルに完熟した佐藤錦が1.2kgも使われ、華やかなバラ色でさわやかな酸味があり、まろやかなコクが感じられます。
天童ワイン(天童市)
老舗の酒屋が地元のブドウを活かしたワイン造りを目指し、1984年に設立されました。
ブドウのほかラフランスやサクランボのワインも造られています。
おすすめワイン
契約農家で栽培されたヤマソーヴィニヨンやマスカットベーリーAなど在来種や、シャルドネ、メルロー、など欧州種により、白・赤・ロゼが21種あります。
山形シャルドネ(白:シャルドネ100%)
地元のシャルドネで仕込まれ、瓶熟成でマイルドな味わいのなかに、しっかりした果実香とさわやかな酸味を味わえます。
タケダワイナリー(上山市)
蔵王の麓で1920年からワインを造っていて、1975年から今の形になりました。
自社畑の土壌を20年かけて弱アルカリ性に変えるなど、意欲的なワイン造りに取り組んでいます。
おすすめワイン
契約農家ブドウの「タケダワイナリー」、自社畑ブドウの「ドメイヌ・タケダ」ブランドの赤・白・スパークリングのほか、フラッグシップ「シャトー・タケダ」の赤と白があります。
シャトー・タケダ カベルネソーヴィニョン&メルロー(赤:カベルネ80%、メルロー20%)
土質が良く高樹齢の畑を専用区画とし、厳選された果実のみで醸されるワインで、オーク樽熟成による優雅な香りと重厚感が味わえる逸品です。
ウッディファーム&ワイナリー(上山市)
自社畑栽培ブドウ100%で仕込むドメーヌスタイルのワイナリーで、2013年から醸造を始めました。
ポワレ(洋梨発砲ワイン)やドライフルーツ・ジャムなども販売しています。
おすすめワイン
赤ワインと白ワイン用品種が4種ずつ栽培されていますが、なかでも日本では珍しいブドウのプティマンサンがおすすめです。
プティマンサン 2019 モアルー(白:プティマンサン100%)
糖度が非常に高いため1年では発酵が終わらず、アルコール度数14度まで高めてもまだ残る糖の甘味があり、酸味もあって濃厚な味わいです。
ベルウッドヴィンヤード(上山市)
「かみのやまワインの郷プロジェクト」で畑を借り、クラウドファンディングで資金を集め、2017年にブドウを植樹し、2020年秋から醸造販売を始めた小さなワイナリーです。
おすすめワイン
自社畑では赤用が3種と白用が3種、愛情こめて栽培されていて、収量が上がる数年後に醸されるワインが楽しみです。
2020テルセ コレクション スペリオール(赤:メルロー、カベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン)
厳選された地元産ブドウを13か月樽熟成し、赤い果実の香りに樽の香ばしさが加えられ、なめらかな酸味とタンニンのきめ細かさがまろやかで、奥深い味わいです。
HOCCAワイナリー(ホッカワイナリー)(鶴岡市)
1724年からの老舗酒造の奥羽自慢が、2017年にブドウ造り始めてワインを醸しています。
「HOCCA」とは「ほっかむり」から取られたブランド名です。
おすすめワイン
2020年は白2種と赤3種の収穫が増え、それぞれ単品で造られました。
酒蔵内の日本酒酵母の仕業なのか、どれも吟醸香がほんのり漂います。
HOCCAピノグリ(白:ピノグリ100%)
果実味が強く、芳香ただよう黄金色の白ワインです。
発売された単品5種のうち、これと赤のシラーの在庫がまだ販売されています。
月山ワイン山ぶどう研究所(鶴岡市)
1980年から庄内の農協により醸造開始、スノーシェードを貯蔵に利用しているワイナリーです。
赤はヤマブドウ交配種2種、白は甲州などの品種があり、全て近郊農家で栽培されています。ロゼから始まって、今では赤、白、微発砲ワインなどが多種販売されています。施設名にあるように、ヤマブドウ交配種の赤ワインが人気です。
おすすめワイン
月山ワイン 山ぶどう酒(赤:ヤマブドウ100%)

ピノ・コッリーナ ファームガーデン&ワイナリー松ケ岡(鶴岡市)
2017年からブドウの植樹を始め、2020年オープンの若いワイナリーです。
自社畑の真ん中のレストランや、畑でピクニックしながらワインを味わえます。
おすすめワイン
畑には白のシャルドネなど3種、赤のゲヴュルツトラミネールなど5種が植樹され、毎年新品種のワインが登場しています。
FrouFrou2020 フルフル(白:シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン)
ファーストビンテージで、「フルフル」はフランス語で衣ずれのことです。
スモーキーな香りと甘くクリーミーな香りがあり、さっぱりした味わいです。
まとめ
県北部には「かみのやまワイン特区」などがあって新規操業希望者が多く、庄内ともどもこの先個性的なワインの登場が楽しみです。