【青森県・岩手県】移動するレストラン!? TOHOKU EMOTIONで行く八戸線の旅

列車の中で食事ができる食堂車は、かつては多くの長距離特急列車や新幹線に連結されていましたが、時代と共に姿を消していきました。
しかし現在でも、車内で食事が提供される観光列車が各地で運行されています。
そのような列車の1つが、青森県と岩手県の太平洋岸を結ぶJR八戸線を走る「TOHOKU EMOTION」という観光列車です。
今回の記事では、この観光列車の運行区間や運行日、乗り方や沿線のスポットなどをご紹介します。


「TOHOKU EMOTION」とは?

「TOHOKU EMOTION(東北エモーション)」とは2013年秋から運行されている、JR東日本の観光列車です。
新しい東北を発見・体験」することがコンセプトの列車となっています。
運行されている路線は、青森県の八戸駅と、岩手県の久慈駅を結ぶ八戸線で、主に金曜・土曜・休日(時期によって月曜も)に運行されています。

TOHOKU EMOTIONの大きな特徴は何といっても「列車全体がレストラン」というコンセプトです。
調理される様子を楽しめるライブキッチンを中心として、3両の列車内全体がレストラン空間となっています。
コンパートメントの個室で、あるいはオープンダイニングで、車内で提供される食事やデザートを堪能することができるのです。

また、車両の各所には東北各地の伝統工芸をモチーフとしたインテリアが施されており、窓から外を眺めれば、そこには雄大な三陸の海が広がっています。
視覚への刺激も十分に楽しめます。


TOHOKU EMOTIONに乗るには?

TOHOKU EMOTIONの運行時刻・運行日

TOHOKU EMOTIONの運行時刻・運行日をご紹介します(2024年7月時点での情報です)。

・八戸発-久慈行き(往路)
八戸11:06発 → 久慈13:02着

お昼時をまたいで運行される往路の久慈行きの列車は八戸から久慈までノンストップです。
3か月ごとにメニューが変わるコース料理を車内で楽しめます。

・久慈発-八戸行き(復路)
久慈14:18発 → 種差海岸(たねさしかいがん)15:24着15:25発 → 鮫(さめ)15:39着15:39発 → 本八戸15:50着15:51発 → 八戸16:01着

復路の八戸行きの列車は、途中でいくつかの駅に停車するので、観光などの予定に合わせて途中下車も可能です。
ただし途中の駅から乗車はできません。
八戸行きの列車ではデザートやアフタヌーンティーを味わうことができます。

運行日は時期によって多少異なりますが、おおむね金曜・土曜・日曜・祝祭日に運行されています。
月曜日にも運行されることがありますが、その一方で土日でも運行されない日もあります。
乗車を検討する際には、公式サイトなどで必ず運行情報を確認しましょう

TOHOKU EMOTIONの乗車方法

TOHOKU EMOTIONはツアー専用の列車です。
乗車するための券を、駅のみどりの窓口や券売機などで購入することはできません
基本的には、JR東日本の『「のってたのしい列車」予約サイト』で、旅行商品を購入するという形で予約を行うことになります。

一度に申し込み可能な人数は2名~4名です。
1名では申し込めない、こどもだけでの利用はできない、予約は乗車の4日前までといった制約があります。

かなり人気の高い列車で、先の方まで予約が取れないことも珍しくありません
予約が可能になったら一刻も早く申し込むしかないでしょう。
また、運行される日によっては「のってたのしい列車予約サイト」では取り扱っておらず、別途旅行会社が旅行商品を販売する場合があります。

のってたのしい列車予約サイトで予約する場合の乗車料金は下記のとおりです。
往路か復路か、席の種類や利用人数で料金が変わってきます。
なお、こども料金が設定されてはいますが、料理のメニューや座席は、おとなと全く同じものが提供されます。

往路(八戸→久慈)おとな1名あたりの料金
(こども1名あたりの料金)
3号車:オープンダイニング10,200円
(9,400円)
1号車:コンパートメント(2名利用)12,000円
(11,200円)
1号車:コンパートメント(3名利用)11,400円
(10,600円)
1号車:コンパートメント(4名利用)11,100円
(10,300円)
復路(久慈→八戸)おとな1名あたりの料金
(こども1名あたりの料金)
3号車:オープンダイニング5,900円
(5,100円)
1号車:コンパートメント(2名利用)7,700円
(6,900円)
1号車:コンパートメント(3名利用)7,100円
(6,300円)
1号車:コンパートメント(4名利用)6,800円
(6,000円)

客室について

TOHOKU EMOTION

TOHOKU EMOTIONは3両編成です。

八戸方の先頭車である1号車はコンパートメント個室車両です。
海が見える側に、2~4人で利用可能な7室の個室が設けられています。
プライベート空間で、家族や仲間と共に食事と景色を楽しめます。

2号車はライブキッチンスペース車両になっています。
往路ではシェフが料理を作っている様子を間近で眺めることができます。
復路ではデザートブッフェ台になり、台の上に並んだ好きなスイーツを堪能できます。

また、乗客の乗り降りはこの車両から行います。
乗車の際にはプラットホームに赤いじゅうたんが敷かれて、少しリッチな雰囲気になります。

久慈方の先頭車である3号車はオープンダイニング車両です。
車内の海側に4人がけのテーブル席が3か所、山側に2人がけのテーブル席が4か所設けられています。


TOHOKU EMOTIONで食事を楽しもう!

TOHOKU EMOTIONの最大の楽しみといえるのはやはり車内の食事でしょう。

往路では人気シェフによる東北の食材を使ったオリジナルメニューが、ライブキッチンから運ばれます。
担当シェフは年2回、メニューの内容は年4回替わり、飽きないように、また乗りたいと思えるようになっています。
飲み物については、ビール、ワイン、八戸の地酒、ソフトドリンク、コーヒーや紅茶などが取り揃えられており、お替りも自由です。
贅沢なひと時を味わえることでしょう。

復路ではホテルメトロポリタン盛岡より提供されるオリジナルデザートを、デザートブッフェ形式で楽しめます。
飲み物は、コーヒーや紅茶、ハーブティーなどが提供され、こちらもお替り自由です(アルコールの提供もあります)。


TOHOKU EMOTIONの車両

TOHOKU EMOTION

TOHOKU EMOTIONに使用されている車両はキハ110系というもので、軽油を燃料として走行するディーゼルカーです。
レンガ造りの建物を思わせる外観に改装されていて、走るレストランというイメージを乗車する前からかきたててくれます。


TOHOKU EMOTION(復路)で行ける沿線スポット

この章では、TOHOKU EMOTIONの復路(八戸行き)の途中停車駅から行けるおすすめスポットを紹介します。

種差海岸天然芝生地

種差海岸天然芝生地

TOHOKU EMOTIONの復路の最初の停車駅である種差海岸駅から、徒歩5分程でアクセスできるスポットが種差海岸天然芝生地です。
美しい天然芝が波打ち際まで広がっているという、全国的にも珍しい場所として知られています。
その開放的な風景は、多くの文化人をも魅了しました。

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蕪島(かぶしま)

蕪島

鮫駅から徒歩15分程でアクセスできるスポットが蕪島(かぶしま)です。
種差海岸の最北に位置している蕪島は、元々は離島でしたが、1942年より旧日本軍により埋め立てが行われて、現在は陸続きとなっています。
この蕪島は、ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されています。
ウミネコの繁殖の様子を間近で観察できる国内唯一の場所です。
3月上旬ごろに飛来する数万羽ものウミネコは、4月頃に産卵を始め、6月頃にヒナがかえります。

また、5月中旬頃には菜の花が咲き誇ります。
菜の花、蕪嶋神社の鳥居、ウミネコや空や雲が、見事な色彩を演出してくれます。

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まとめ

列車に乗って景色を楽しみながら、とっておきの料理に舌鼓……そのような失われつつある鉄道の旅が、TOHOKU EMOTIONに乗れば今でも楽しめます。
また、季節ごとに変わる車内の料理と車窓の景色は、何度も乗りたくなる魅力をこの列車に生み出しています。
三陸地方へお出かけの際にはTOHOKU EMOTIONでの旅を、ぜひ選択肢の1つに入れていただきたいと思います。


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