【青森県】津軽弁は擬音が多い?よく使われるオノマトペを紹介

津軽弁を日常的に使っていると、標準語にはない擬音(オノマトペ)が驚くほど多いことに気づきます。擬音が多いことで、会話のニュアンスがより豊かになり、感覚的に伝わりやすくなるのが津軽弁の面白いところ。

今回は、津軽弁ならではの擬音を紹介し、意味や使い方を例文とともに解説していきます。


ばやばや(うろつく、うろうろする)

意味

ばやばや」は、落ち着きなくあちこちを歩き回る様子を表す言葉です。目的もなくふらふらと動いていたり、何かを探しているようにそわそわしていたりするときに使われます。子どもが遊びたくて家の中をウロウロしているときや、試験前に集中できずにそわそわしているときなど、状況に応じて幅広く使われる言葉です。

例文

  • さっきがら、ばやばやしてらけど、なしてだ?」(さっきから、うろうろしてるけど、どうしたの?)
  • 試験前だばって、勉強しねでばやばやしてらば、点数ひどぐなるよ!」(試験前なのに、勉強しないでうろついてたら、点数がひどいことになるよ!)

げじゃげじゃ、げちゃげちゃ(道路が雪でぬかるんでいる様子)

シャーベット状態の雪

意味

げじゃげじゃ」は、雪がとけてシャーベット状になった状態を表します。津軽地方の冬には避けて通れない状況であり、特に春先の雪解け時期には頻繁に耳にする言葉です。一見滑らないように見えますが、足を取られて歩きづらくなったりするので注意が必要。家を出る前に「今日はけんど(道路)げじゃげじゃしてらはんで長靴でねばまねよ」と声掛けされた経験がある方もいるのではないでしょうか?

例文

  • このけんど、げじゃげじゃで歩ぎづれぇなぁ!」(このどうろ、ぐちゃぐちゃで歩きにくいなぁ!)
  • 雪げじゃげじゃどしてらはんで靴濡れでまった!」(シャーベット状の雪のせいで靴が濡れてしまった!)

ぐーぐ(急いでる様子)

意味

ぐーぐ」は、車やバイクなどが急いで動く様子を表す言葉です。特に雪道で無理にスピードを出しているときや、急いで発進する場面で使われることが多いです。これと似た意味で「うぬうぬ」がありますが、「ぐーぐ」は乗り物に使うことが多く、「うぬうぬ」は人間に多く使われます。

例文

ぐーぐどいげばあぶねよ!」(急いでいくと危ないよ!)
曲がれるはんでぐーぐど行ってまれ!」(曲がれるからすぐに行ってしまえ!)

にきにき(油などが付着してぬるぬるする)

油で汚れた指

意味

にきにき」は、手や物が油やでぬるぬるしている様子を表します。ポテトチップスを食べた時や揚げ物を食べたときなど、ぬるぬるして気持ち悪いと感じるときに使います。また、飲食店の床が油でべたべたしている際にも使われます。津軽地方では、冬の寒さで油が固まりにくいことから、こうした油っぽさを感じる機会が多いのかもしれません。

例文

  • 手羽先食った手、にきにきどして気持ちわりぃ」(手羽先を食べた手が油でぬるぬるして気持ち悪い!)
  • この床、にきにきしてらけど、誰が油こぼしたんだべ?」(この床、ぬるぬるしてるけど、誰が油をこぼしたの?)

むたむた(勢いよく、がっつくさま)

勢い良くご飯を食べる犬

意味

むたむた」は、勢いよく食べる様子を表す言葉で、まるで食べ物にがっついているかのような状況を指します。お腹が空いていて待ちきれずにがっつくときや、夢中で食べているときによく使われます。

例文

  • すったむたむたど食えば喉つまるろ!」(そんなにがっついて食べたら、喉につまるよ!)
  • そうむたむたど食わねくてもおかわりあるはんで!」(そんなに急いで食べなくてもおかわりあるからね!)

じがじが(炭酸飲料のこと、または炭酸がシュワシュワする様子)

炭酸ジュース

意味

じがじが」は、炭酸が口の中で弾ける感覚を表す言葉で、津軽地方では炭酸飲料のことを指すことが多いです。炭酸のシュワシュワした刺激が伝わる表現で、特に子どもたちがジュースを飲んだときに使うことが多いです。

例文

  • コーラ、じがじがでめぇな!」(コーラ、炭酸が効いてて美味しいな!)
  • じがじがのジュース、歯さしみで痛ぇ!」(炭酸のジュース、歯にしみて痛い!)

ばふらっと(服や布団などを翻す様子)

意味

ばふらっと」は、布団や服を勢いよくバサッと動かす様子を表します。冬の寒い朝、布団をバサッとめくって飛び出したり、洗濯物を勢いよくたたんだりするときによく使われます。また、大き目の衣類を意味する場合もあり、文脈によって意味が異なります。

例文

  • 朝起ぎで、布団ばふらっとして外さ干した!」(朝起きて、布団をバサッと払って外に干した!)
  • そのばふらっとした服いいな!」(その大き目の服イイね!)

まとめ

津軽弁には、日常の動作や状態を表すユニークなオノマトペがたくさんあります。これらの言葉は単に物事を説明するだけでなく、会話に生き生きとしたリズムを与え、より感覚的に伝わるのが特徴です。津軽地方で暮らす人々の生活や気候と深く結びついており、特に冬の雪の状態や寒さに関する表現が多いのも興味深いポイント。

津軽弁に触れる機会があれば、ぜひこれらのオノマトペを意識してみてください。会話がより楽しく、津軽の文化に親しみを感じられるはずです。


その他の記事