【宮城県登米市】厄除け八幡の信仰と千年の歴史を持つ神秘の森|上沼八幡社

宮城県の北部、登米市に鎮座する上沼八幡神社は、静謐さに満ち、千年の歴史を持つ由緒ある神社です。

その静謐で神秘的な境内は、まさにパワースポットと呼ぶにふさわしい場所です。

今回は、この上沼八幡社の魅力を深く探り、皆様にご紹介します。


上沼八幡社の歴史

上沼八幡神社は、平安時代中期に源頼義・義家父子が、京都の石清水八幡宮を勧請した神社です。

前九年の役に際し二度にわたり当地に陣を構え、勝利したことに感謝し、この地をえらび境内を寄進し、「八幡守本尊」を奉祀し武具を納め創建したことに始まります。

いにしえは弓矢八幡として知られ、現代では厄除け八幡として信仰され、母子神信仰から安産・子育ての神様として多くの方にお参りされています。


上沼八幡社の境内

広大な敷地は、宮司さんによる丁寧な手入れが行き届き、静謐と神秘が漂う神域にふさわしい神々しい空間となっています。


御神木 姥杉

拝殿に向かって左側、拝殿と神饌所を結ぶ回廊を隔てて聳立している、男杉と女杉の2本の大木は、上沼八幡神社の第一の御神体です。

老樹のため、枝や梢に枯れが目立ち始めましたが、町の補助と、「姥杉を守る会」の募金活動により、治療が施され、見事に樹勢を回復することができました。


大鳥居

上沼八幡社を訪れると、まず目を引くのは境内入り口にそびえ立つ壮大な大鳥居です。

この鉄製の大鳥居は高さ12m、間口7.7m、上部の笠木の長さが16mもあり、神社の950年祭を記念して平成3年に建立されました。建設にあたり、氏子だけでなく町外からも多くの寄付が集まりました。

形状は「明神鳥居」と呼ばれ、東北地方でも有数の規模を誇ります。


古木群生林(登米市中田町文化財)

約一万坪に広がる境内は、全域が鳥獣保護区として指定されており、樹齢数百年にも及ぶ松、杉、樅などの古木巨木が群生しています。

これらの古木巨木は、古来から一本一本が御神木とされ、鎮守の森を形成しています。このような御神域は、県内でも非常に珍しく、その存在は荘厳かつ清々しい雰囲気を放っています。

昭和61年10月31日には、「姥杉」とともに中田町文化財に指定されました。


年中行事

日付行事名詳細・備考
1月1日歳旦祭(初詣各種祈願祭)獅子舞奉納
1月14日どんと祭竹、古い御神札、しめ縄、門松、正月飾りを焼納。昭和56年より斎行
2月11日紀元祭
2月17日祈年祭(豊作祈願)
3月第1日曜初午無火災祈願祭
4月15日春季例祭
9月15日秋季例祭前夜祭、加茂流法印神楽奉納、奉納剣道大会
9月経壇森神明社愛宕社例祭
10月招魂社祭
11月七五三参り祈願祭
11月23日新嘗祭(新穀感謝祭)
12月31日大祓式

加茂流 法印神楽

「加茂流法印神楽」は仙台領内の北部に発祥した「法印神楽」が、東叡山学頭の峻學が上沼村妙覚院に滞在中に良直・自海両人に新たに種々の神楽様式等を伝授し、発展したものです。

この神楽は「流(ながれ)神楽」とも呼ばれ、かつては岩手県南部や宮城県の北部などに広がっていましたが、ほとんど江戸時代には途絶えてしまい、現在では登米市中田町の「上沼加茂流法印神楽」「日高見流浅部法印神楽」の2団体にのみ伝承されています。

法印神楽の基本となる足踏みの型や手印など、修験山伏の呪法に基づく極めて複雑な多くの様式を持ち、厳しい修練を要します。その基本となる舞型は神楽手続と呼ばれ、特殊な名称を記した神楽本が伝わり口伝で伝承され、昭和61年3月28日、中田町(現在の登米市中田町)文化財に指定されました。

宮司さんによると担い手が不足しているため、広く募集しているとのことです。稽古ができれば近隣に住んでいなくても構わないとのことですので、興味のある方は是非参加を検討してみてはいかがでしょうか?

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